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思考法・自己開発編④~10.CDP 11.ワーク・ライフ・バランス

KNOW-HOW

ビジネスのなかでは、社員のキャリアアップにはどの方法をとるのが一番よいのか、また、業績をあげるために企業はどのような策をとればよいかなど、さまざまな問題が発生してきます。そこで、思考法・自己開発編では、判断ミスをせず、ビジネス上で発生するさまざまな問題の、原因究明や問題解決ができる方法を紹介します。

 

今回は「CDP」「ワーク・ライフ・バランス」の2つの要素について理解を深めてみましょう。

 

1. CDP

 

CDPとは、Career Development Programの略で、個人の適性、希望等を考慮しながら、教育研修や配属を組み合わせ、長期的に従業員を育成していくプログラムのことです。

 
 
CDP とは、Career Development Programの頭文字をとったもので、社員のキャリア開発制度を意味します。従業員一人ひとりの能力開発をおこなう場合、企業側が必要とする人材を育てるために従業員に対して施す能力開発と、従業員が自らの意思で能力を開発していく2 通りのアプローチがあります。
 
企業側がおこなう能力開発とは、企業が従業員の将来的な目標に向けて、さまざまな経験を積ませることです。
 
従業員自らがおこなう能力開発とは、企業が決めた能力開発プログラムに従うだけでなく、自分自身の価値観や考え方、目標達成のために能力開発していくことを意味します。
 
効果的なCDP の実現のためには、
  • 企業側は、求める人材像や人員計画に基づいた効果的な研修や、従業員が選択できる複数のキャリアを提供すること。
  • 従業員にキャリアを考える機会を与えるとともに、その適正や希望を反映した教育と配属がおこなわれること。
  • 従業員の管理をおこない、定期的にフォローアップをし、必要ならば人事異動や配置転換をおこなうこと。
 
以上のことが必要となってきます。これらを実現するために、次のプロセスでCDP をおこなうとより効果的です。
 
  1. 本人の自己申告や、上司・人事部との面接をおこない、個人の到達目標を設定する。また、企業側は、社員の希望や適正を把握する。
  2. 社員の希望や適正を、企業のニーズと照らし合せる。
  3. 従業員一人ひとりの職務経験や研修内容を明らかにする。
  4. 必要に応じて、人事異動や配置転換、研修をおこなう。
 
 
社員の希望に沿ったキャリアを選択させることにより、社員のやる気は高まり、効率的な人材教育をおこなうことが可能になります。そのために、企業はどんな人材を求めているのかということを明確にしたうえで、社員個人の希望に沿った目標が達成できるようなプログラムを用意し、それらを長期的、計画的におこなう必要があります。
 
近年では、CDP に対する考え方が、どちらかというと企業側がおこなう能力開発へと移行しています。その背景として、従業員一人ひとりにさらなる能力が求められ、終身雇用を前提とした配置転換や教育訓練をおこなっているだけでは、他の従業員との差別化が難しくなり、個人の成長にも繋がらないということが挙げられます。自分自身のキャリアアップのために、また、目標を達成するための能力開発のためにも、企業に任せきりにするのではなく、個人でも責任を持たなければいけない時代なのです。
 
 

11. ワーク・ライフ・バランス

仕事と生活をバランスよく両立する「ワーク・ライフ・バランス」が実現できると、心身ともに充実した生活を送ることができます。そうすることが、仕事の効率アップにもつながるのです。

 
 
ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の時間をバランスよく配分し、仕事上の責任を果たしつつ、仕事以外の生活でやりたいこと、やらなければいけないことを、無理なく実現させるという考え方です。
 
 
「仕事と生活」と聞くと、仕事と家庭、または育児ととらえられがちですが、ワーク・ライフ・バランスにおいての生活とは、年齢・性別・家族構成などに関係なく、働くすべての人が関わっている、地域活動や家庭生活など、仕事以外の生活すべてという、広い意味が含まれています。
 
 
ワーク・ライフ・バランスという言葉に注目が集まっているのは、労働者が仕事と家庭を両立、調和させた生活を送ることが難しくなっているということ、また、少子高齢化がすすむなかで、それぞれのニーズに応じた働き方を提供する必要性がでてきたこと、男女共に育児参加できる働き方をすすめるためには、子育てをする人以外の働く人たちのワーク・ライフ・バランスを推進することが重要となってくるなどの理由が挙げられます。
 
ワーク・ライフ・バランスが実現されると、個人にとっては、自らが安心・納得できる働き方をすることができ、心身の健康が保たれます。心身ともに充実した状態で働くことにより、その人の人生はより豊かになってきます。
 
企業にとっては、職場環境に対する社員の満足度が上がるため、優秀な人材が集まると同時に、新たな人材も確保することできます。さまざまなキャリアを積んだ人材を企業に留め続ける吸引力になり、業績アップにつながります。
 
また、仕事から離れる時間が増えることから、新たな視点を持ち、創造性も高まりますし、ストレスを溜めることもありません。そのうえ、職場における業務配分方法や情報の共有化など、仕事のすすめ方を見直すことができ、効率よく仕事をおこなうきっかけにもなります。
 
現在、ワーク・ライフ・バランスを実現するために、育児・介護休暇の導入、在宅勤務制度の導入、フレックスタイム制の導入、短時間正社員の導入など、働く場所や時間を配慮した職場環境を提供しようとする試みをおこなう企業も増えています。
 
ワーク・ライフ・バランスを実現することは、個人や企業の取り組みだけでは難しい部分もあります。近年では、ワーク・ライフ・バランスをすすめるための、国や自治体の支援も活発になってきています。仕事も家庭も、さまざまな人が携わることでよりよいしくみが生まれていきます。性別
にとらわれず、個人のそれぞれの生き方を認め尊重し合い、それぞれバランスを取りつつ携わることができる環境づくりが、ワーク・ライフ・バランスを実現するためには重要となってくるのです。

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