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マーケティング・マネジメント編①~1.ニーズとウォンツ 2. 4P3C 3. 1次データ/2次データ

KNOW-HOW

マーケティング・マネジメント編では、マーケティングの基本的な考え方を解説します。難しそうと感じる人もいるかもしれませんが、役職につくことの醍醐味は、マーケティングを含めた会社経営に触れていくことといえるかもしれません。ただ知識を取り入れるだけではなく、実際の戦略や戦術立案に活かしてみてください。

 

今回は「ニーズとウォンツ」「4P3C」「1次データ/2次データ」の3つの要素について理解を深めてみましょう。

 

1. ニーズとウォンツ

ニーズとは、消費者が意識して必要性を感じているものであり、ウォンツとは消費者がまだ気が付いていない潜在化した欲求です。両者の違いを見極めることからマーケティングは始まるのです。

 

 

従来のマーケティングでは、自社の製品のターゲットとなる顧客を発掘して販売するという方法が主に取られてきました。しかし現在では、「エモーショナル・マーケティング」と呼ばれる手法が主流になってきています。

 

「エモーショナル・マーケティング」とは、顧客の感情を刺激して購買意欲を誘発することによって、購入の意思をあらわしてもらうというマーケティング手法です。その基本となるのが「ニーズ」と「ウォンツ」の分析です。

 

「顧客のニーズをつかめ」「いちおうのニーズは理解した」などのように使われる「ニーズ」という言葉は、「必要性」と解釈されていることが多いようです。ニーズとは、現状では不足・欠乏しているものへの要求であり、顕在化している要求といえます。それに対して「ウォンツ」は、「潜在化している要求」。顧客自身、欲していることにまだ気が付いていないという要求です。これからのマーケティングでは、ニーズは当然のこと、顧客のウォンツを満たしていく方向にすすまなければなりません。

 

要するに、顧客自身「自分がそのようなものを欲していると気が付いていないが、目にすることで、欲しくなるような商品」の開発が求められているのです。この場合の商品とは物的なものだけでなく、サービスなども含まれます。

 

デザインを目新しいものにする、限定商品にする、特典を付けるなどの方法が考えられます。このように顧客のウォンツを重視した場合、奇抜さなどで注目されることばかりに偏ってしまい、根本的な「ニーズ」を満たしていない製品を開発してしまわないよう、基本的な注意も必要です。企業としては、顧客のニーズを発見して、それをウォンツまで高めていくことが求められます。ではニーズとウォンツに基づくマーケティングの実際をみてみましょう。

 

まずセグメンテーションをおこないます。セグメンテーションとは、顧客を同質の「ニーズ」や「ウォンツ」を持つグループに分類すること。分類されたグループの1 つひとつを「セグメント」と呼びます。同じセグメントに属する人々は、類似のニーズやウォンツを持っており、そのセグメントを対象としたマーケティング活動に対して同じような反応をする可能性が高いはずです。もしそうでなければ、セグメンテーションの基準に問題があるということになります。

 

さらにそのセグメントの中から、自分たちが狙うセグメントを定めることを、ターゲティングと呼びます。ターゲットにすることで利益を確保できそうなセグメントを選定し、事業をすすめていくわけです。標的市場が選択されなければ、企業は何をおこなうべきかわからず、戦略を策定することはできません。そのため、ターゲティングは、顧客の視点をとらえるためにも重要なテクニックといえます。

 

2. 4P3C

 

マーケティング・ミックスという、さまざまな要素を複合的に活用して戦略を立案していく方法があります。そのときに活用されるツールの代表的なものが「4P3C」です。

 

マーケティング・ミックスとは、市場から自社の望ましい反応を引き出すために考案される、マーケティング・ツールの組み合わせです。これらの要素については、当然単体でも考慮されるべきですが、組み合わせ(ミックス)によって、さらなる効果を発揮します。企業は、事業内容や戦略に応じて、それぞれ異なった組み合わせを用います。ではそれぞれの項目についてみてみましょう。

 

4P とは、このマーケティング・ミックスのために用いられるマーケティング・ツールの頭文字です。1961 年にアメリカのマーケティング学者、ジェローム・マッカーシーが提唱しました。

 

●4P

  1. Product(製品)
    ターゲットに対し、適切な製品が準備できているか。
  2. Price(価格)
    お手ごろ品として売るのか、高級感をアピールするのか。ターゲットや商品コンセプトに合った価格を付けられているか。
  3. Place(販売方法、売る場所)
    ターゲットに対し、届きやすい流通方法が選択されているか。デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど。
  4. Promotion(販売促進)
    ターゲットに対し、届きやすい媒体に広告を出しているか。インターネット、テレビ、雑誌、街頭広告かなど。

 

さらに近年では3C という要素も提唱されています。3C とは、自社の周辺環境の変化を、逃さずキャッチするために使う枠組み(フレームワーク)の1 つです。

 

●3C

  1. Customer(顧客)
    顧客を無視した戦略はありえません。顧客から見た市場をとらえ損ねることは、戦略の失敗に直結します。
  2. Competitor(ライバル)
    次に、競合相手を検討します。既に強力な先行企業が進出している場合、よほど魅力的な商品と、強力な戦略を準備できなければ太刀打ちできません。逆にライバルがいない分野が発見できればチャンスです。
  3. Company(企業)
    最後に、自社を分析します。顧客からみて魅力的かということに加えて、自社の資源についても冷静に分析していく必要があります。

 

おぼえておきたい関連用語 チャネル・ミックス
広告、ダイレクトメール、電話、訪問、店舗、インターネットなどの顧客アプローチ手段を戦略的に組み合わせる手法。例えば、ダイレクトメールを打った後に、電話でフォローをするといったこと。

 

3. 1次データ/2次データ

 

1次データとは、リサーチのため新たに収集されるデータ、2次データとは、他の目的のために既に収集されたデータです。マーケティングでは、目的を明確化し、その目的に合ったデータを収集します。

 

マーケティングには調査・分析活動が欠かせません。マーケティング・リサーチとは、サービスを含む商品のマーケティングに関連した諸問題について、データの体系的な収集、記録、分析をおこなうことです。

 

そのときにいちばん大切なのは、調査の目的と問題を明確化することです。問題の明確化をおこなうことで、どのような情報データが必要なのかがみえてきます。この段階で、1次データを収集するのか、2 次データが必要なのかを判断し、調査計画を立てていきます。

 

1 次データとは、進行しているマーケティング・リサーチのために、新たに収集されるデータのことです。2次データとは、ほかの目的のために事前に収集されたデータのことです。これは業界団体、各種名簿、政府や公共団体による調査です。結果は、書籍や白書、図書館や業界誌や業界新聞、調査会社などから得ることができますし、現代では数多くのデータをインターネットから得ることも可能です。

 

1 次データの場合は当然、直接的な調査業務が発生します。一般的には以下のような収集の仕方があります。

 

  1. 郵送調査法
    作成した質問票を調査対象者に郵送します。回収も郵送でおこないます。
  2. 留置(とめおき)調査法
    調査者が調査対象を訪問し、質問票を預けます。後日調査者が訪問し、回収します。
  3. 電話調査法
    電話を使用し、アンケートなどの質問をおこなう調査方法です。
  4. インターネット調査法
    メールにてアンケートの案内をおこない、期限を設定して回答を募る方法です。
  5.  集合調査法
    特定の場所に調査対象者を集合させ、一斉に調査をおこなう方法です。
  6. 集団面接法
    グループ・インタビューとも呼ばれ、特定の場所を設定して複数の調査対象者を集め、面接による調査をおこなう方法です。
  7. 街頭調査法
    街頭に質問者を配置して、アンケート調査などをおこなう方法です。

 

上記から調査目的に適したものを選択して調査をすすめ、結果が集まったら分析に入るという手順です。また2次データは、収集した人物が恣意的に加工した後のデータですから、必ずしも自分自身の目的に合ったデータとは限りません。またデータが信用に足るものかどうか、注意して取り扱わなければなりません。特に、インターネットには膨大な種類のデータがありますから、利用するときは、データの提供元などをしっかり確認しましょう。

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