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思考法・自己開発編③~7.KJ法 8.QC7つ道具 9.ブレーク・スルー

KNOW-HOW

ビジネスのなかでは、社員のキャリアアップにはどの方法をとるのが一番よいのか、また、業績をあげるために企業はどのような策をとればよいかなど、さまざまな問題が発生してきます。そこで、思考法・自己開発編では、判断ミスをせず、ビジネス上で発生するさまざまな問題の、原因究明や問題解決ができる方法を紹介します。

 

今回は「KJ法」「QC7つ道具」「ブレーク・スルー」の3つの要素について理解を深めてみましょう。

 

7. KJ 法

 

KJ法とは、個人の考えやデータをカードに記し、統合していく方法です。事項をカードに記すことで、先入観にとらわれることなく、状況をありのままに把握し、新たなアイデアを得ることができます。

 

KJ 法とは、文化人類学者の川喜田二郎氏が開発した創造性開発・問題解決の手法です。問題を明確にしたり、フィールドワークやブレーンストーミングから集めたデータやファイルを統合し、そこから新しい発想を生み出すために用いられるのが一般的です。品質管理、マーケティングなどをはじめ、教育、創造性開発、カウンセリングなどの幅広い分野に普及しています。

 

KJ 法のすすめ方は次の通りです。

 

(1)問題提起、テーマ決定
(2)情報集め

ブレーンストーミングなど、個人の頭の中にある知識や経験の他、取材や実態調査、観察、文献から情報を得るなど、内部と外部の両方から情報を集めます。

 

(3)カードづくり

得た情報を、カードに記入します。1 枚のカードに1 つの事項を、なるべく具体的に、簡潔な表現で記入します。

 

(4)分類・グループ化

カードに書かれた内容が似ているもの同士を2 ~3 枚ずつ集め、小さなグループをつくります。ここでつくられたグループを小グループと呼びます。似たものがないカードは、無理にグループに入れず、そのカード1 枚で1 つのグループとみなします。このとき注意することは、自分で理屈をつけて、分類しないことです。そして、集まった小グループに、表札(タイトル)を付けます。小グループとして集められたカードが、それぞれいわんとしている本質を具体的に記入したものが表札です。小グループ同士の表札の内容をよく読み、再び似たもの同士を集め、グループ化をおこないます。ここでできたグループを中グループと呼び、そこからさらに大グループへと、グループ化を繰り返します。大きなグループ数個にまとまるまで作業を繰り返します。

 

(5)A型図解化

相互・対立・原因・結果など、グループ同士の関係をあらわすために、線を引いたり囲んだりして、図解します。

 

(6)B 型文章化
図解した内容を元に、文章化していきます。以上がKJ 法の大まかな流れです。KJ 法は、問題発見や現状分析など、どのような状況でも使用できるだけでなく、グループで取り組むことで、チームづくりの効果も期待できます。

 

 

 

 

8. QC7つ道具

 

QC7つ道具は、全社員が参加して品質管理をおこなうための手法の1つ。数値データ分析に用いるQC7 つ道具と、言語データ分析に用いる新QC7つ道具をうまく併用すると、より効果を発揮します。

 
 
QC とは、Quality Control の略称で、日本語にすると品質管理という意味です。もともとは製造業の生産部門から生まれた概念ですが、近年では、企業体質を強化するための手段として経営的な面からもとらえられるようになってきました。
 
全部門の全社員が参加して品質管理をおこなう考え方を、QC 活動といいます。職場の問題点を発見し、対策を実施し、管理の定着につなげるQC 活動においては、事実を判断することが基本となります。そのためにはデータを処理し、分析することが必要です。そのための手法がQC 手法であり、QC手法をおこなううえでもっとも基本的なものが「QC7 つ道具」と「新QC7 つ道具」なのです。
 
 
●QC7 つ道具(数値データの処理に使用)
 
パレート図…棒グラフと折れ線グラフを組み合わせたもの。重要な問題を発見するのに役立つ。
特性要因図…原因と結果の関係を整理し、原因の発見に役立つ。
グラフ…数値データの特徴を視覚的に理解するのに役立つ。
チェックシート…項目の確認・点検に役立つ。
ヒストグラム…データの分布状態を把握し、そこから問題点を発見するのに役立つ。
管理図…製造工程の管理・監視に利用し、異常が発生していないかという判定に役立つ。
散布図…2 種類のデータの相関関係をつかむときに役立つ。
 
 
 
●新QC7 つ道具(言語データの分析に使用)
 
系統図…目標を達成するための手段を立案するのに役立つ。
連関図…複雑に絡み合った問題の原因を追究するのに役立つ。
新和図…さまざまな言語データを統合・集約し、その構造をあきらかにするのに役立つ。
マトリックス図…複数の問題の対応関係を整理するのに役立つ。
アローダイヤグラム…仕事やプロジェクトの日程管理の立案や、効率的な管理をおこなうのに役立つ。
PDPC …自由な発想的手法で、不測事態にも対応できるよう、計画立案する。
マトリックス・データ解析…多変量データを統合・整理するときに有効な、統計的手法。
 
 
この両方をうまく併用することで、総合的なQC 活動がおこなえ、より高い効果をあげることが期待できます。
 
 
 

9. ブレーク・スルー

 

ブレーク・スルーは、従来の考え方にとらわれず、自分の殻を突き破ることで、新たな考え方へと変革していくこと。そうすることで、新しい発想が生まれ、問題の解決策を導くことができます。

 
 
ブレーク・スルーとは、従来の考え方の枠を大きく打ち破り、現状から変革して、新しい発想を導くという意味の思考法です。ビジネスにおいても家庭生活においても、問題がある場合、何かを変えなければ問題は解決しません。そのためには、変革が必要となってきます。今までの考え方は、他の人のやり方、動向を調査する方法が主流でしたが、このやり方では限界があり、行き詰まってしまうということから登場したのが、ブレーク・スルーの考え方なのです。
 
ブレーク・スルーをおこなうにあたり、以下のような決まりがあります。
 
●ブレーク・スルー思考の7つの原則
(1)ユニーク“差”の原則
たとえどんな似たような問題でも、目的や、それに関わる人や文化、時代など、何かしら違ってきます。これは、過去の延長線上や、類似問題から解決策を探すことには、限界があるということを示しています。どのような問題でも、“差”があることを頭に入れ、初めての問題解決に取り組むとき、他の問題との類似性よりもその問題自体の持つ特徴やユニーク“差”を認識することが大事です。
 
(2)目的展開の原則
目的は何なのかという、根本的なものを考えることにより、本質をとらえることができます。強い動機づけを与え、現状に変革をもたらします。ブレーク・スルーは、可能性に対してオープンな状態のときに起こります。目的展開の原則は、そのための心の準備をするのに必要なことであり、今後、自分が取り組むべき目的レベルを見出すことにもつながります。
 
(3)未来から見た『あるべき姿』の原則
目的をもとに、未来のあるべき姿を想像しながら、現状を変えていきます。
 
(4)システム思考の原則
現状をあるべき姿に変えるしくみをつくります。
 
(5)必要最低限な情報収集の原則
情報はやたら多く集めるのではなく、解決策に必要な最小限の量で十分ということです。
 
(6)参加・巻き込みの原則
問題解決の途中段階で、さまざまな人を巻き込むことにより、自分ひとりではなく、みんなの考えが出されます。そうなると、ブレーク・スルー実現への近道にもなります。
 
(7)継続変革の原則
解決策も常に変化し続けるということを頭に入れ、状況や環境に合わせて常に改善していかなければなりません。
 
ブレーク・スルーが実現すると、時間を有効に使えるということになります。既存の概念を捨て、自分の殻を突き破ることで、現状を変えていくこと、それが、ブレーク・スルーにつながるのです。

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