- 2019.11.05
- KNOW-HOW
4 肌にダメージを与える要因
肌にダメージを与える要因1:加齢
年齢を積み重ねていくと代謝が下がり、身体のさまざまな機能が低下していきます。肌でいえば、柔軟性が失われてたるみなどを引き起こし、顔の印象が変わってしまったりします。
人間生きている限り加齢を止めることはできません。しかし、それによってどう変化していくのかがわかっていれば老化を遅らせる対処ができます。ぜひ若いうちから自分の肌を意識して、健康で美しく年齢を重ねていきましょう。
表皮の変化
- 水分保持機能の低下。肌表面のモイスチャーバランスが乱れ、水分、油分の分泌が少なくなり潤いを失う。
- 代謝機能の低下。新陳代謝が遅くなって新しい細胞が生まれにくくなるため、古い細胞が留まってしまう。
- 抗酸化機能の低下。活性酸素が増えすぎることで肌のさびを防ぐ機能が衰え、皮膚の組織が弱くなる。
真皮の変化
- 線維芽細胞の老化。水分を保つヒアルロン酸や、皮膚におけるベットマットのスポンジとスプリングのような働きをするコラーゲンとエラスチンがつくられにくくなり、肌のみずみずしさやハリを失う。
- 糖化のリスク増。コラーゲンが糖と結びつきやすくなる。糖化したコラーゲンは黄色くくすみ、弾力性を失う。
顔に出てくる変化
- 顔全体にハリ、ツヤが失われ、黄みが増えてきめが粗くなってしまう。各部位別にも変化が見られる。
肌にダメージを与える要因2:乾燥
乾燥もまた肌にダメージを与える要因です。肌が乾くことで肌機能が低下し、肌荒れやシワなどさまざまなトラブルを招きます。
かつては冬は乾燥し、夏は湿度が高いというのが定説でしたが、いまは夏でもエアコンの普及によってオフィスや自宅の湿度は30 〜40%。肌にとって快適だといわれている湿度は60%ぐらいで、50%を下回ると水分が失われてかさつきはじめ、30%以下ではかなりのダメージを受けてしまいます。いまや乾燥対策は、一年中の課題となっているのです。
湿度の低下による角質層へのダメージ
- バリア機能の低下。角質層にあるバリア機能は肌の内側の水分を逃さない働きを持つ。乾燥するとバリア機能が低下して水分が失われるほか、外部からの刺激を受けやすくなってニキビなどのトラブルを起こす。
- たんぱく質分解酵素の働きが低下する。古い角質細胞をはがれ落とす働きを促す、たんぱく質分解酵素の働きが低下して新陳代謝が乱れる。
- ターンオーバー能力の低下。代謝が落ちると角質層のターンオーバーが正常に行われなくなり、未熟な角質細胞が角質層へ押し上げられる。そうするとNMFや細胞間脂質(細胞と細胞を結ぶのりの働きをする)が十分につくれず、乾燥から守るシステムが乱れて潤いを失う。
肌にダメージを与える要因3:紫外線
紫外線を浴びた肌は角質が厚くなり、メラニンの増加につながってシミなどを引き起こします。夏の海やリゾートでは紫外線対策を行う人も多いですが、もっとも注意したいのは日常生活における「生活紫外線」です。紫外線は一年中降り注いでいます。油断しがちな冬の紫外線こそが肌にダメージを与える原因となるのです。
しかし、体が必要とするビタミンDは日光によってつくられるので、紫外線を浴びないというわけにもいきません。紫外線の影響を理解して適切な対策を行い、紫外線と上手に付き合っていくバランス感覚が必要です。
紫外線には波長の長さが異なるUV-A、UV-B、UV-C の3種類があります。このうちUV-Cはオゾン層に遮られて地上には届かないため、皮膚に悪い影響を与える紫外線はUV-AとUV-Bの2つと考えてよいでしょう。それぞれがもたらす影響は次のとおりです。
- UV-A(サンタン):肌に透過するため、それを防ごうとメラニン色素が大量に発生して肌が黒くなる。
- UV-B(サンバーン):皮膚に炎症を起こし、赤くヒリヒリと痛む。
日焼け止めには、サンケア指数(SPF・PA)といわれる紫外線防御の強さを表す指数が表示されています。SPF はUV-B を、PA はUV-A を防ぐ効果があります。
通常、何も塗らない状態でUV-B を受けると約20 分で皮膚は炎症を起こします。SPF はその時間を防ぐ効果を一単位としています。つまり、SPF3 は60 分間UV-B を防ぐ効果があることになります。SPF の数値は50 まであり、それ以上は50 +と表示されています。
いっぽう、PA は「+」「++」「+++」の3段階で表され、+の数が多いほど防止効果が高くなっています。
数値や段階が高いほど紫外線を防ぎますが、防御作用が必要以上に強いと肌に負担をかけてしまう可能性があるので、使用する目的に合わせて選ぶことが大切です。