手帳のタスク欄ではなく、糊付きの付箋紙を活用する方法もあります。付箋紙を使ったタスク管理のメリットは、刻々と変化する仕事の進捗状況に対応して、自在にリストの更新が行えるという点にあります。
使い方は、まず、短冊形の付箋紙1枚について1件の項目を書き込みます。そして、その付箋紙を、手帳のノート(メモ)ページなどに処理すべき優先順位に基づいて貼り、並べ替えていくというものです。
たとえば、今日中にやるべきことをページの左側にタテに並べていきます。優先順位の高いものを上にしましょう。迷ったり、考え直したりしても、すぐに張り替えられるので、とりあえず並べてみるという手もあります。今日中ではなく、今週中にやるべきことなら、今日中にやるべきことの右側にまた1列並べます。
処理し終わった項目の付箋紙は、はがして別のページにまとめて貼ってもいいでしょう(スケジュール欄のその日付の場所に「○○○終了・完了」と記録するなら、付箋紙そのものは破棄できます)。タスクを終えるに従って、項目を書いた付箋紙が減っていくので、残っているのはまだやるべきことだけ、ということになります。
もちろん、減っていくだけでなく、新しい項目が順次入ってくるわけですが、緊急度の高い項目が入ってきても、簡単に順番を入れ替えることができます。
こうして並べられた付箋紙を眺めていると、優先順位とは別に、一緒に処理すると効率的なタスクを発見することがあります。
たとえば単純な例ですが、「ボールペンの替え芯購入」(かすれてきたので今日中に)と「預金通帳の更新」(引き落としがひと段落する来週中くらいに)という、二つの付箋紙が貼ってあったとします。いずれも私用のタスクですが、緊急度はそれぞれ異なります。しかし、この二つを見て、文房具店の並びに銀行があることを思い出したなら、「そうだ、じゃあ、今日の昼休みに両方ついでに済ませてしまおう」となるわけです。
付箋紙を使ったタスク管理は、リストというよりはカードによる情報管理に近い感覚であるため、こうした関連づけがしやすくなります。
弱点としては、貼り替えを頻繁にしているうちに糊の粘着力が弱くなって、知らないうちに剥がれてしまう可能性があるということです。外出先に持っていくことが多い場合、付箋に書かれた内容によっては情報漏えいといったトラブルに発展する可能性もあるので、手帳の使用場所を考えたうえで、付箋に記入する内容を制限するのもひとつの手です。