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Z世代の新入社員の特徴とは?新卒の「辞めたい」をなくす育成の鉄則

Z世代は、景気の長期停滞や将来不安、SNSの影響を受けながら成長した世代であり、以前の世代とは異なる特徴や価値観を示す新入社員です。将来への不安や企業への忠誠心の低さ、嘘やごまかしを嫌う姿勢、スピード感を求める傾向などが特徴と言えます。一方で、真面目で学習意欲が高く、自律的にキャリアを切り開こうとする側面もあります。
当記事では、Z世代の新入社員に見られる代表的な特徴や、2023~2025年卒ごとの世代的傾向、またZ世代の力を引き出すために有効な育成についても紹介します。
目次
ToggleZ世代の新入社員の特徴とは?

Z世代の新入社員は、経済成長や社会的安定が失われ、企業や政治に対する不信感を背景に育った世代です。そのため、自分の将来に強い不安を抱きやすい一方で、価値観や働き方に独自の傾向が見られます。
以下では、複数の調査を踏まえ、Z世代社員の特徴を具体的に整理します。
将来について強い不安を感じている
Z世代の新入社員は、経済的・社会的な安定が失われた環境で育ったため、「これからどうなるか分からない」という将来への不安を強く抱いています。終身雇用制度が一般的ではなくなる中で、自分が食べていくためには競争に勝てる人材にならなければならないという焦りもあり、「この仕事を続けてよいのか」と迷えば早期に転職を選択する傾向があります。
実際、企業選びにおいては「やりたい仕事」よりも「安定している会社」(51.9%)や「給料の良い会社」(25.2%)を重視する割合が増加しています。老後の生活費や年金への不安といった金銭的リスクへの強い懸念があり、Z世代の志向はやりがいよりも安定と生活保障を重視する方向へとシフトしています。
※出典:マイナビ キャリアリサーチLab「大学生時から老後不安?初任給アップ時代の企業選びとは~2026年卒新卒採用・就職活動の展望~」
忠誠心が弱く冷めている
Z世代の新入社員は、経済成長の停滞や政治・企業への不信感の中で育ったことから、世界的に見ても組織への忠誠心が弱い傾向があります。終身雇用や企業への献身が当たり前だった世代とは異なり、「自分にとって成長につながらない」と判断すれば、早い段階で転職を選ぶ冷めた合理性を持ち合わせています。
就職市場が売り手市場であるという実感があり、「就職先を選ばなければ内定を得るのは難しくない」と感じる学生が多い点も転職の早期化に影響しています。複数の内定を比較し、待遇や環境に納得できなければ別の道へ移る柔軟性は、企業にとっては定着率の低下という課題につながる一方で、自分にとってより良い働き方を追求する積極性とも言えるでしょう。
嘘やごまかしを強く嫌う
Z世代の新入社員は、SNSの普及とともにデマや中傷、炎上事例を数多く見てきた世代です。そのため、相手の立場や場の空気に合わせることよりも、「嘘がないか」「信頼できるか」を強く重視します。形式的な言葉や表面的な取り繕いよりも、リアルで等身大の姿勢に価値を見いだし、企業や上司のメッセージでも誠実さがなければ敏感に見抜きます。
マッキャンエリクソンの調査でも「場面に合わせることより真実を優先する」と答えた割合はZ世代が最多であり、彼らが求めるのはスピード感と正直さです。一方で、日本の若者は周囲から浮くことを恐れる傾向も強く、リアルさを求めつつも人の目を気にする二面性を持ち合わせています。
※出典:PR TIMES「マッキャン・ワールドグループ国際青少年デーを記念し「TRUTH ABOUT GENZ IN JAPAN~日本のZ世代の真実~」レポートを発表」
スピード感を重視する
Z世代の新入社員は、SNSやスマホを通じて常に即時的な情報に触れてきたため、レスポンスの速さを重視します。返答が遅い、意思決定に時間がかかるといった状況に強いストレスを感じやすく、場から離れてしまうことも少なくありません。
スピード感を重視する背景には、将来への不安の大きさや、嘘やごまかしを嫌う姿勢があります。あいまいで玉虫色の回答は「信用できない」と受け取られる傾向があり、明確でスピーディーな対応が信頼構築のポイントとなります。企業や上司にとっては、誠実さと同時にスピード感を持ったコミュニケーションが求められます。
※出典:PR TIMES「マッキャン・ワールドグループ国際青少年デーを記念し「TRUTH ABOUT GENZ IN JAPAN~日本のZ世代の真実~」レポートを発表」
コミュニケーションが不得意である
Z世代の新入社員は、相手を根気強く説得して意見をすり合わせるよりも「合わなければすぐ離れる」というスタイルに慣れており、不満を抱えても表に出さないケースが少なくありません。新型コロナウイルスの影響で大学生活や就職活動がオンライン中心となり、対面でのやり取りに慣れていない人も多いため、意思疎通に苦手意識を持つ傾向があります。
さらに、アルバイト経験の不足や上下関係への意識の希薄さ、リモート環境やSNS文化の影響なども背景にあり、職場でのコミュニケーション力の不足が課題となっています。
規律より自律を重視する
Z世代の新入社員は、社会のルールや規範をただ受け入れるのではなく、「なぜそのルールが存在するのか」という背景や理由を重視します。社会や価値観の変化が激しい時代に育ったため、根拠のない規律や一方的な指示に従うことには強い抵抗を示す傾向があります。インターネットを通じて多様な情報を得て、自ら正しいか否かを判断する力を養ってきたことも影響しています。そのため、企業側は「従え」ではなく「なぜ必要なのか」を丁寧に説明する姿勢が求められます。
また、経験を通じて成長したい一方で「できている点を褒めてほしい」「論理的に説明してほしい」という欲求も強く、頭ごなしに規律を押し付けるのではなく、納得感と自律性を尊重した指導が求められています。
失敗を強く恐れる
Z世代の新入社員は、SNSでの炎上や監視的なコミュニケーションを日常的に目にしてきた世代です。そのため、失敗が公に晒されることや、一度のミスがキャリアを閉ざすという恐怖を強く抱きやすい傾向があります。
失敗への恐れから挑戦を避ける傾向があり、考えとしては自律的であっても行動に表れにくいため「主体性が低い」と誤解されることもあります。一方で、多くは人生の充実度を高く感じ、自分のやりたいことを大切にする価値観を持っています。そのため、安心して挑戦できる環境や「失敗を許容し学びに変える風土づくり」が、彼らの成長を後押しする上で重要です。
真面目であるが目立ちたがらない
Z世代の新入社員は、与えられた業務に真面目に取り組み、誠実に成果を出そうとする傾向があります。しかしその一方で、リーダーとして前に立ったり注目を集めたりすることを好まない人が多く見られます。嫌なことや理不尽な状況に直面しても強く異議を唱えるより、自らの環境を変えるという手段、すなわち退職や転職を選ぶ傾向があるのも特徴です。
こうした背景には「責任ばかり増えて給料に見合わない」「スキルを高める機会が乏しい」といった管理職に対するネガティブなイメージがあります。実際、学生調査では「管理職になりたい」と回答する割合は半数に満たず、「スキルは高めたいが管理職にはなりたくない」という声も4割近くに上りました。彼らにとってキャリアアップとは「昇進」ではなく、「個人として能力を伸ばすこと」であり、この価値観を理解した育成が求められます。
※出典:マイナビ キャリアリサーチLab「Z世代の「管理職離れ」は本当か?最新調査から読み解く「Z世代が望むキャリアアップ」
【年代別】2023~2025年卒の新入社員の特徴

2023~2025年卒の新入社員は、それぞれの年ごとに、就職環境やキャリア意識の変化、価値観の違いがあります。以下では、マイナビや産労総合研究所の調査をもとに、2023年~2025年にかけて入社した新入社員の特徴を紹介します。
2023年卒の新入社員の特徴
2023年卒の新入社員は、コロナ禍で大学生活の多くをオンラインで過ごした世代であり、対面の経験不足が目立つ一方で、新しい価値観を持っています。
| ■ 対面コミュニケーションが苦手 授業やサークル活動がオンライン中心であったため、上司や取引先など目上の人と対面で関わる経験が乏しく、礼儀作法や会話の仕方に不安を抱きやすい傾向があります。 ■ 安定志向が強い 「やりたい仕事」より「安定して働ける環境」を重視する世代です。収入や福利厚生、ワークライフバランスを重視し、企業や上司に安定感を求める傾向が強まっています。 ■ 自己成長への関心が高い 早期にスキルを身につけたいという意識が強く、副業やリモートワークなど柔軟な働き方にも関心があります。育成にあたる上司は、成長のステップを具体的に示すとモチベーションにつながります。 ■ 職場とのギャップに敏感 「想像していた仕事像と違う」と感じると不満を抱きやすく、特に先輩の指導を「厳しい」と受け止めてしまうこともあります。指導時は丁寧に背景や目的を伝えることが効果的です。 |
2023年卒の新入社員は経験不足による不安を抱えつつも、環境さえ整えば意欲的に力を発揮できる世代です。
2024年卒の新入社員の特徴
2024年卒の新入社員は、大学入学時からオンライン授業を経験してきた世代であり、デジタルに慣れ親しむ一方で対面コミュニケーションには不安を抱きやすいのが特徴です。以下に主な傾向をまとめます。
| ■ タイパ志向と正解主義 効率を重視し「最短で成果を出したい」と考える一方、唯一の正解を求めがちです。そのため、あいまいな指示や玉虫色の回答には戸惑いや不満を覚えやすい傾向があります。ただし、目的が明確になれば集中力を発揮できる世代です。 ■ 自律性と選択の重視 自分でキャリアを選び取りたいという意識が強く、就職活動時からキャリアビジョンを持っている人が多いです。上司は「やるべき理由」や「業務の意義」を示すことで、納得感を持って業務に取り組ませることが重要になります。 ■ 失敗を避けたい心理 失敗を恐れるあまり、情報収集や確認を徹底する傾向があります。挑戦をためらうこともありますが、支援体制が整えば安定的に力を発揮できます。 ■ 世代間ギャップへの戸惑い 仲間同士では柔軟に交流できる一方、世代の異なる上司や先輩との距離感に悩むケースがあります。職場では、受け入れ側が丁寧に背景を説明し、安心感を持たせることが定着へのポイントとなります。 |
2024年卒は「効率重視型で、納得すれば力を発揮できる」世代です。上司が目標や意義を明確に伝えることで、持ち前の集中力と自律性を発揮して成長します。
2025年卒の新入社員の特徴
2025年卒の新入社員は、新型コロナ禍の影響を受けながらもオンライン・対面の両方を経験してきた世代であり、多様な価値観と高い適応力を持っています。主な特徴は以下の通りです。
| ■ 最新技術や新しい価値観を受け入れる柔軟さ デジタル環境に慣れており、SNSや動画を使った情報発信も自然にこなします。新しい制度や価値観も抵抗なく受け入れる柔軟さがあります。 ■ 成長意欲と真面目さ 業務に対して誠実で、自己成長への意識が高い世代です。リーダーシップやフォロワーシップを自然に発揮でき、組織に新しい風を呼び込む存在となる可能性があります。 ■ 失敗回避の傾向 挫折経験が少なく、不確実さを避ける傾向が強いため、「会社選びを失敗したくない」という意識が強く、配属先や環境への適合性を重視します。 ■ ワークライフバランス志向 「楽しく働きたい」や「生活と仕事の両立」を重視し、結婚後も共働きを希望する学生が多い世代です。転勤やノルマの厳しさには強い抵抗を示す傾向があります。 |
2025年卒の新入社員は、新しい価値観を組織にもたらす一方で、安心感や環境の整備を求める世代です。受け入れ側は個々の特性を理解し、丁寧な指導や柔軟な働き方を整えることがポイントとなります。
Z世代の新入社員を育成するコツ

Z世代の新入社員を育成するには、従来型の一方的な指導だけでなく、ルールや目的をきちんと示し、自律を尊重しつつ組織で働く意義を伝える必要があります。また、フィードバックやキャリア形成の支援を通じて成長を後押しすることが効果的です。ここでは、具体的な育成のコツを紹介します。
ルールをできるだけ透明化する
Z世代の新入社員は「なぜこの仕事をするのか」「どんな意義があるのか」といった背景や目的を重視する傾向があります。ルールや手順を頭ごなしに守らせるだけでは、不安や不信感につながりやすく、結果としてモチベーションの低下を招きかねません。そこで大切なのは、作業の工程やルールの理由をできるだけ透明化することです。
たとえば、「この手順を守ると効率が上がる」「この確認をすることでミスを防げる」といった形で、ルールの目的やメリットを具体的に伝えると納得感が生まれます。ブラックボックスを減らし、背景を共有することで、新入社員は自分の役割を理解し、主体的に取り組む姿勢を強めることができます。
自律と規律の間のギャップを埋める
Z世代の新入社員は、自分なりに考えて行動する「自律性」が高い一方で、ビジネスマナーやチームワークにおける協調性など、企業が求める規律性が不足しているケースがあります。これは、学生時代にオンライン授業や個人単位での学びが多かった影響も大きいと言えます。
ただし、彼らは真面目で学習意欲も高いため、体系的に学べる機会を与えれば習得が早い世代です。新入社員研修では「ビジネスマナー」「報連相の徹底」「チーム内での役割分担」など、社会人として欠かせない基礎を重点的に学ばせることが効果的です。こうした研修を通じて自律と規律のバランスを整えることで、持ち前の自主性を生かしつつ組織の一員として力を発揮できるようになります。
メンター・コーチング制度を取り入れる
Z世代の新入社員は、スピード感を大切にしており、困った時にすぐ相談できる環境を求めています。直属の上司や先輩には話しづらさを感じることもあるため、メンター制度やコーチング制度を導入することで、安心して相談できる相手を身近に持てるようにすることが効果的です。こうした制度があると、コミュニケーションが苦手な新入社員でも悩みや意見を打ち明けやすくなり、隠れがちな自律性や主体性を引き出すきっかけにもつながります。
また、Z世代は立場よりも「信頼できるかどうか」を重視するため、メンターは一方的に指示するのではなく、同じ目線で伴走する姿勢が求められます。そのためには、傾聴力やコーチングスキルを身につけ、相手の価値観を尊重しながら対話を重ねることが大切です。
フィードバックを行う
Z世代の新入社員は「改善点を明確に知り、すぐに修正したい」と考える傾向が強く、抽象的な言葉より具体的なフィードバックを求めています。「この部分をこう改善すれば成果が出る」といったストレートな指摘は安心感を与え、成長意欲を高めます。理想の上司像に「織田信長」が挙がるように、厳しい指導そのものはマイナスではなく、むしろ受け入れられやすい点も特徴です。ただし、感情的な叱責は逆効果となるため避けるべきです。
※出典:東京商工会議所「2025年度新入社員意識調査集計結果」
また、承認欲求が強いため、小さな成功体験を積ませ、それをしっかり認めることが重要です。改善点だけでなく良かった点も伝えることで安心感を得られ、モチベーションの維持につながります。定期的なフィードバックの仕組みを整えることが、Z世代育成の大きなポイントです。
キャリアプランを明確にする
Z世代の新入社員は将来への不安が強く、「今後どうなりたいか」を具体的に描ける環境を求めています。資格取得や専門スキルの習得など主体的に学びたいという意識も高いため、企業側はキャリアパスを明示し、今の会社でそのプランを実現できることを分かりやすく伝えることが重要です。
また、マイナビの調査でも、研修や資格支援、ロールモデルの存在などキャリアプランを実現するための制度が整っているほど、新入社員の満足度が高いことが示されています。そのため、入社後の研修や評価制度を通じて「キャリアを築ける場所である」と伝えることが、安心感や定着率向上につながります。本人に「ありたい姿」を考えてもらい、会社がそれをどうサポートできるかを示すことが効果的です。
※出典:マイナビ キャリアリサーチLab「2022年卒 入社半年後調査 ~コロナ禍2年目の就活を乗り越えた新入社員の現在地とは」
フォローアップ研修を行う
フォローアップ研修は、新入社員研修の振り返りを行い、学んだ内容が業務に生かせているかを確認する場です。入社3か月後には復習と不安解消、半年後には課題検討とモチベーション向上、1年後には総合的な振り返りとキャリア計画づくりなど段階的な研修が効果的です。同期と悩みを共有できる機会にもなり、不安解消や仲間意識の醸成につながります。
また、フィードバックを受けて自分の課題を明確にし、改善策を考えることで成長実感を得やすくなります。定期的に実施することで、社員は安心して成長を続けられ、企業側にとっては早期離職防止や人材育成の効率化に役立ちます。
まとめ
Z世代の新入社員は、経済的不安定な環境で育ったため将来への不安が強く、安定志向でありながら組織への忠誠心は低い傾向があります。嘘やごまかしを嫌い、スピード感を重視する一方、コミュニケーションが苦手で失敗を強く恐れる特徴も持ちます。規律より自律を重視し、真面目だが目立つことを好みません。
効果的な育成には、ルールの透明化、メンター制度導入、具体的なフィードバック、明確なキャリアプラン提示、定期的なフォローアップ研修が大切です。Z世代の価値観を理解し、自律性を尊重しながら組織適応を支援することが、離職防止と成長促進のポイントとなります。
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