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褒め方が人を動かす!ビジネスで結果を変える実践ポイントを徹底解説

ビジネスでも日常生活でも、相手との信頼関係を築く上で「上手に褒める力」は欠かせません。褒める行為は単なるお世辞ではなく、相手の努力や成長を正しく認めるコミュニケーションであり、職場の心理的安全性やモチベーションを高める効果があります。
しかし、多くの人が「褒めるのは気恥ずかしい」「何をどう褒めればよいのか分からない」と感じがちです。実際、根拠のない褒め言葉や過度なお世辞は信頼を損ねることもあるので、適切な観察力や表現方法が求められます。
当記事では、褒め方が上手な人に共通する特徴、職場で褒め上手になるメリット、誰でも実践できる効果的な褒め方のポイントを具体的な事例とともに解説します。
目次
Toggle褒め方が上手な人の特徴

褒め方が上手な人は、相手の行動や努力を的確に捉え、価値あるポイントを自然に言語化できる点が特徴です。的外れなお世辞ではなく、相手が「見てくれている」と感じられる言葉を選ぶため、信頼関係が築かれやすくなります。特にビジネスの場では、観察力や誠実さが褒め方の質に直結します。
ここでは、褒め上手な人に共通する具体的な特徴を解説します。
相手の様子をよく観察している
相手の様子を丁寧に観察できる人は、誠実に褒めるための情報を自然に集めています。行動の小さな変化や努力の跡に気づくことで、「あなたを見ている」という安心感を相手に与えられます。
ビジネスの場では、この観察力が信頼関係の土台になります。普段から言動・成果・表情を注意深く見ておくことで、表面的なお世辞ではなく、相手に響く具体的な褒め言葉が生まれます。
嘘や社交辞令は使わない
褒め上手な人は、信頼を損なう恐れがある嘘や社交辞令を避け、事実に基づいて評価します。根拠のない褒め言葉は相手に「何か裏がある」と感じさせる可能性があり、逆効果になりやすいためです。
相手を褒めるときは、相手の行動や成果の中で「良い」と思えた点を誠実に伝えることが大切です。無理に大げさに表現しなくても、具体的な事実を丁寧に言語化するだけで、信頼される褒め方になります。
褒め言葉を素直に口にできる
褒める習慣がないと、照れや遠慮から良い点に気づいても伝えずに終わることがあります。褒め上手な人は、恥ずかしさよりも「相手にとってプラスになる」という価値を理解しているため、素直に褒め言葉を口にできます。
ビジネスでは、短い一言でも相手のモチベーションや職場の雰囲気を大きく左右します。「良いですね」「助かりました」など、シンプルな言葉から慣れていくことが効果的です。
短所も長所として拾い上げられる
褒め上手な人は、短所を否定的に捉えるのではなく、その裏側にある強みを見出す視点を持っています。「慎重で時間がかかる=丁寧な仕事」「話し下手=聞き役が得意」など、短所と長所はしばしば表裏一体です。この視点により、相手の自己肯定感を高める褒め方ができます。
ビジネスの場では、こうした見方がチームの多様性を生かし、個々の強みを伸ばす姿勢にもつながります。
職場やビジネスで褒め上手になるメリット

褒め上手になることは、相手の承認欲求を満たすだけでなく、職場全体の心理的安全性を高める行動として注目されています。良好な人間関係やスムーズな業務進行、チーム力の向上など、ビジネスにおける多くのメリットを生むためです。
ここでは、褒め上手になる具体的な効果を事例とともに解説します。
人間関係の摩擦や衝突が起きにくくなる
褒め上手になると、相手を尊重し合う土壌が生まれ、摩擦が起こりにくくなります。実際に、管理職向けの「褒め研修」を実施した企業では、称賛文化が確立されたことでコミュニケーションが活性化しました。月1回の意見交換会や「褒めパトロール」などの施策を通じて、各部署で相互理解が深まり、人間関係の衝突が減少したと報告されています。
※出典:RECOG「利用促進チームのアイディア施策で、”褒める”文化の定着を促す」
褒め合う環境が整うと、社員同士の心理的距離が縮まり、仕事の相談や協力が自然と生まれやすくなります。
気持ちが明るくなり前向きに働ける
褒められる文化が根づくと、働く人の気持ちは前向きになりやすくなります。
長谷工コーポレーションでは、1万人規模で社員同士が感謝や称賛を送り合う仕組みを整えました。これは「ホスピタリティ強化」を目的とした全社戦略の一環であり、挨拶運動やサンキューカードと組み合わせることでポジティブな言葉の循環を創り出しています。
※出典:TeamSticker「社員同士で「褒めあう文化」を醸成することは成長戦略の一つ」
褒める・褒められる機会が増えると、自己肯定感が高まり、日々の業務に活力が生まれ、困難な仕事にも意欲的に取り組めるようになります。
業務がスムーズに回りやすくなる
褒めることは、業務効率にも直結します。上司や同僚から自分の行動を認められると、メンバーは遠慮なく発言したり相談したりしやすくなるためです。
特にマネジメント層が褒める習慣を持つと、職場の心理的安全性が高まり、状況報告や課題共有がスムーズになります。結果として、ミスの早期発見や改善行動につながり、チーム全体のパフォーマンスが向上します。褒めるという行為が、結果的に仕事の流れを軽くし、組織の生産性の底上げにつながります。
部下から信頼されるリーダーになれる
部下を正しく褒められる上司は、信頼されやすくなります。努力や成長ポイントを見逃さず、適切なタイミングで称賛できるリーダーは、部下から「見てくれている」「尊重されている」と感じられる存在になります。
褒められることで仕事のやりがいが増し、成長意欲が高まるため、組織の育成力も向上します。信頼関係を築く上で、人を褒めるスキルは必須だと言えます。
人の良い面を見つける力がつく
褒める習慣を持つと、自然と相手の長所や努力を見つける力が育ちます。たとえば、株式会社揚羽では毎週の朝会で「隣の人の良いところを褒める」取り組みを行い、社員同士が互いの魅力を言語化する機会を設けています。こうした習慣は観察力を高め、短所に見える行動の裏にある長所にも気づきやすくなる効果があります。結果として、チーム全体の視点がポジティブになり、組織の雰囲気も明るくなります。
上手な褒め方のポイント

褒め方にはいくつかの効果的な型があり、相手の行動を正しく評価して伝えることで、信頼関係やモチベーションが大きく高まります。特にビジネスの場では、自然で具体的な褒め方が相手の自信や行動変容を促す重要なコミュニケーション技術です。
ここでは、明日からすぐ使える褒め方のポイントを紹介します。
小さい部分から褒める
褒め上手になるための基本は、大きな成果ではなく「小さな成長」を見逃さないことです。
三重県の「ほめちぎる教習所」では、運転技術を細分化し、達成したステップごとに褒める指導を行っています。これは、相手の努力を着実に認め、自信を積み重ねてもらうための仕組みです。
ビジネスでも同様に、行動の一部・態度の変化・資料作成時の工夫といった小さな達成を褒めることで、相手は「見てもらえている」と実感できます。小さな成長は習慣化につながり、継続的な成果を生む土台にもなります。大げさな言葉は不要で、「その工夫良いですね」「昨日より進みが速くなりましたね」など、気づきを丁寧に伝えることが効果的です。
嘘や過度なお世辞は使わない
相手の信頼を得る褒め方の基本は、事実に基づいた誠実な言葉を使うことです。過度なお世辞や根拠のない褒め言葉は一時的に喜ばれるように見えても、相手に「本心ではないのでは」と疑念を抱かせ、かえって関係を損ねます。
ビジネスでは、相手の行動や成果を丁寧に観察し、具体的な事実を根拠に褒めることが最も効果的です。「締切より早く仕上げてくれたので助かりました」「細部まで確認してくれたおかげでミスが防げました」など、評価ポイントを明確に伝えると、相手は安心して受け取れます。誠実な褒め方は、信頼関係の基盤になり、自然と相手の頑張りを引き出す行動にもつながります。
あえて2回目以降に褒める
初めて褒められたとき、人は謙遜して受け止めきれないことがよくあります。そこで、あえて時間を置き、2回目に褒めることで「本当に見てくれていた」「一時的な言葉ではなかった」と実感してもらいやすくなります。
この方法は、自信を持ちにくい人や謙虚なタイプのメンバーに特に有効です。ただし、過度に繰り返すと不自然になるため、成果が定着したタイミングや節目で伝えることがポイントです。適切な間をおいた承認は、相手の成長を後押しする大切なコミュニケーションとなります。
良い部分は具体的に褒める
具体的に褒めることは、相手に自分の強みを正しく理解してもらい、行動の再現性を高めるために欠かせません。抽象的な「すごいですね」「助かりました」ではなく、どの行動が価値を生んだのかを明確に伝えることで、相手は自信を持ち、次の一歩につなげやすくなります。
株式会社BPでは、スマホでサンクスカードを送り合える仕組みを導入することで、適切なタイミングで褒める土台を整えました。社員の努力を「具体的な承認」として言語化できるようになったことで、離職理由として挙げられていた「連帯感のなさ」が改善され、人材定着やリファラル採用に成功するという結果が生まれています。
※出典:TUNAG「アルバイト定着率が30%改善、3ヶ月で300名採用:BPが「友達に紹介したくなるバイト先」を作るまで」
努力した部分を褒める
成果だけでなく「努力のプロセス」を褒めると、相手の自己肯定感が大きく高まります。あるAIベンチャーでは、毎月1時間、お互いの良い行動や努力を言語化して褒め合うワークを継続し、メンバーの幸福度向上につながりました。
努力を褒めると、「結果はまだ出ていなくても、見てくれている人がいる」という心理的安全性が生まれます。努力への承認は、行動継続の原動力になり、チーム全体の前向きなエネルギーを高めます。
誰かと比較して褒めない
褒める際に他者と比較するのは避けるべきです。「Aさんより上手だね」などの比較は、一見褒めているように見えても、相手にプレッシャーや劣等感を与える可能性があります。褒める本質は承認であり、相手本人の強みや努力に焦点を当てましょう。
ビジネスでは特に、成果の大小にかかわらず「その人自身の成長」を認めることが心に響きます。他人と比較するのではなく、「以前より提案の構成が分かりやすくなっています」「ヒアリングの深さが強みになっています」など、過去の本人との比較は効果的です。個人の価値を正しく認めることで、メンバーは安心して自己成長に取り組めるようになります。
否定されても再度褒める
褒められ慣れていない人は、「いやいや、自分なんて」と否定することがあります。その否定を鵜呑みにせず「本当に良かったから伝えています」と再度補足することで、相手は次第に褒め言葉を受け入れるようになります。
否定の背景には、自己肯定感の低さや遠慮がある場合が多く、継続的に褒められることで次第に「認めてもらえている」と感じられるようになります。丁寧な承認の積み重ねは、信頼関係を強める有効なコミュニケーションになります。
褒められてうれしいタイミングを選ぶ
褒め言葉は、内容だけでなくタイミングも重要です。忙しい場面や緊張状態の中では、褒め言葉が十分に届かないことがあります。反対に、節目のタイミングや成果の直後に褒めると、相手の達成感と結びつき、より強く記憶に残ります。
たとえば商談後、プレゼンが成功した直後、タスクをやりきったタイミングなどは特に効果的です。相手のコンディションや環境を見極めることで、褒め言葉はより自然に伝わり、相手の自信やモチベーションを高めるきっかけになります。
第三者を介して褒める
本人がいない場で褒めた言葉が第三者を通じて伝わると、直接よりも信頼度が高まる「ウィンザー効果」が働きます。「誰かが自分を評価していた」という情報は、相手にとって大きな喜びとなり、好意や信頼感を強めます。また、直接褒めることに照れがある場合にも有効です。
さらに、周囲の人にあらかじめ褒め言葉を共有しておくと、自然な流れで本人に伝わることもあります。間接的な承認は押しつけがましさがなく、相手の心に届きやすい褒め方です。
褒め言葉の「さしすせそ」を使う
褒めることに慣れていない人は、まず「さしすせそ」を意識すると会話に取り入れやすくなります。
| さ | さすがですね |
|---|---|
| し | 知りませんでした |
| す | すごいですね/素晴らしいです |
| せ | センスがありますね |
| そ | そうなんですね |
これらは会話の流れに自然に差し込める褒め表現で、使いすぎなければ相手に好印象を与えます。
ただし、形だけの使用では効果が薄いため、具体的な要素と組み合わせることが大切です。言葉のバリエーションが増えると、どのような相手とも自然に褒め合える関係をつくりやすくなります。
相手を褒める際の注意点

褒める行為には良い効果がありますが、やり方を間違えると相手の気持ちを冷ますことがあります。大げさな表現や頻繁すぎる褒め言葉や、他の人と比較した褒め方、上から目線の褒め方には特に注意が必要です。相手の価値を素直に認め、なおかつ相手自身も素直に受け止められる誉め言葉を意識しましょう。
言葉遣いについても「たちつてと(たいしたことないのに、ついでに、てきとうに、とりあえず…)」といった言葉は、褒めた内容を弱めてしまうため避けたほうが無難です。褒めるときは、短くても誠実な言葉を選ぶのがおすすめです。
また、褒めるポイントは才能よりも努力や過程にあるほうが相手の励みになります。「準備が丁寧でした」「工夫が伝わりました」のように、行動に目を向けると、相手は自分の成長を実感しやすくなります。
【ビジネスシーンの相手別】上手な褒め方

ビジネスでは、相手の立場によって響く褒め方が大きく変わります。同じ言葉でも、後輩・同僚・上司では受け取り方が異なるため、それぞれに合った伝え方を心がけましょう。
共通して大切なのは、生まれ持った資質ではなく「努力」「工夫」「過程」を認める褒め方です。ここでは、相手別に褒める際のポイントと使いやすい例文をまとめ、明日から実践できる褒め方のコツを紹介します。
後輩・同僚の褒め方
後輩・同僚を褒めるポイントは、成果よりも日々の努力や貢献に目を向けることです。上下関係の圧が少ない分、素直に伝えるほど関係性が強まります。たとえば以下のような褒め方が使えます。
| ・努力しているのは知っているからね ・〇〇の準備、いつも丁寧で助かっているよ ・裏で対応してくれていたよね、ありがとう ・あなたがいるとチームが明るくなるね ・意見をはっきり言える姿勢が心強いよ ・結果は後からついてくるから大丈夫 |
「見てくれている人がいる」と感じられる褒め方が、後輩・同僚の自信を育てます。
上司・先輩の褒め方
上司や先輩を褒める際は、お世辞に聞こえないよう「尊敬・感謝」を軸に伝えることが大切です。相手のスキルや判断を認める形にすると自然になり、関係性を損なわず好印象を与えられます。
| ・自分も〇〇さんのようになりたいです ・先ほどの判断、とても勉強になりました ・どうやったらそんな視点を持てるようになりますか? ・〇〇さんのサポートに助けられています ・あの時のアドバイス、本当に役立ちました ・〇〇さんがいると安心して進められます |
丁寧な言葉で、努力や影響力を素直に認める姿勢がポイントです。
まとめ
褒めることは、相手の承認欲求を満たすだけの行為ではなく、組織の雰囲気を変え、チームの生産性を高める重要なスキルです。褒め上手な人は、相手の行動を丁寧に観察し、具体的な努力や成果を根拠に言語化しており、押しつけがましさのない自然なコミュニケーションを行っています。特にビジネスの場では、正しく褒めることで人間関係の摩擦を減らし、相談しやすい環境づくりや成長意欲の向上につながります。
褒める習慣そのものは、自身の観察力やポジティブな視点を育てるきっかけにもなります。今日から小さな気づきを言葉にし、自然に褒め合える関係をつくることで、職場全体のコミュニケーションはより健全で活発なものになるでしょう。
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