【アイスブレイク鉄板ネタ9選】ビジネスですぐ使える事例を徹底解説

アイスブレイクとは、会議や研修、ワークショップなどの開始前に短い時間で行うアクティビティです。参加者同士の親睦を深める・コミュニケーションを活性化させる・場を和ませ、リラックスできる雰囲気を作る・集中力を高める・創造性を促進する…といったように、多岐にわたるメリットがあります。

当記事では、ビジネスシーンで使えるアイスブレイクの具体例や、アイスブレイクを行うときの注意点などについて詳しく解説します。

アイスブレイクとは

ビジネスの文脈における「アイスブレイク」とは、初対面の人やチームメンバー間の緊張を和らげ、コミュニケーションの壁を取り除くために行われるアクティビティのことです。

簡単な自己紹介から、チームビルディングのためのゲームやエクササイズまで、さまざまな手法が用いられます。アイスブレイクを通じて、参加者はお互いに関する情報を共有し、信頼関係を築きやすくなるため、その後の活動がよりスムーズに進むことが期待できます。

アイスブレイクを使用するビジネスシーン

アイスブレイクを行うタイミングとビジネスシーン、およびその際に得られる成果は以下の通りです。

タイミングとシーン
・新しいプロジェクトのキックオフ会議
プロジェクトチームのメンバーが初めて集まる場で、チームビルディングとコミュニケーションの基盤を築くため。

・研修やワークショップの開始時
参加者がリラックスして、より積極的に学習や議論に参加するため。

・会議やプレゼンテーションの前
聴衆との距離を縮め、より良いコミュニケーションを促進するため。

・新入社員のオリエンテーション
新人が会社の文化に慣れ、同僚との関係を築きやすくするため。
期待できる成果
・緊張感の緩和
初対面の人々や普段交流の少ないチームメンバー間の緊張を和らげる。

・コミュニケーションの促進
オープンな雰囲気を作り出し、意見交換やアイデア共有をしやすくする。

・チームの結束力強化
アクティビティを通じてメンバー間の絆を深め、協力的なチームワークを促進する。

・自己開示の奨励
各メンバーが自らを表現しやすくなり、他者との関係性を築く機会を提供する。

・クリエイティビティの促進
リラックスした環境によって、新たなアイデアや創造的な解決策を引き出す。

アイスブレイクは、新しいプロジェクトの開始時や、ワークショップ・会議・研修前など、共同で作業を始める前の段階でよく使用されます。

アイスブレイクをするメリット

アイスブレイクは、さまざまなビジネスの場面で効果的に利用されています。アイスブレイクがもたらすメリットは多岐にわたりますが、ここでは特筆すべき3つの利点を紹介します。

参加者の緊張をほぐす

アイスブレイクは通常、軽い気持ちで参加でき、時にユーモアや楽しさを交えてコミュニケーションを図る内容です。また、参加者が自己表現を行いやすくするように意図されています。

最初は硬い雰囲気で始まっても、アイスブレイクを通して親近感が生まれ、緊張せずにコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

また、アイスブレイクは、単純な作業やゲームを通して、脳を活性化させます。脳が活性化されると、緊張を抑制するドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されることから、リラックス効果が期待できます。

参加者がお互いを知るきっかけになる

アイスブレイクでは、自己紹介や軽い雑談を交えることも多く、個々人が自分の興味、経験、価値観などを共有する機会を作り出せます。この過程で、参加者は互いに共感点を見つけやすくなり、後のコミュニケーションをよりスムーズに進められるようになるでしょう。

特に新しいグループやチームで、メンバー間の相互理解がまだ築かれていない場合、アイスブレイクは、メンバーがお互いについて学んだり理解を深めたりするのに有用です。

そのためアイスブレイクは、参加者同士がお互いに話をしたり、意見交換をしたりするような内容を選ぶことが大切です。

参加者の積極的な発言や行動を促す

アイスブレイクを通して、参加者同士は互いに親しみやすさを感じ、心理的な距離を縮められます。緊張や不安が軽減されることで、発言や行動への抵抗感が薄れ、積極的に参加しようという気持ちが高まるでしょう。

また、参加者同士のコミュニケーションを活性化する効果も期待できます。ゲームやアクティビティを通して自然な会話が生まれ、意見交換や情報共有がしやすくなるでしょう。ほかにも、創造性や問題解決能力を向上させるようなアイスブレイクを行えば、ゲームやアクティビティを通して、柔軟な思考や発想力、チームワークなどを養うことも期待できます。

「主体性とは?社員の主体性を高める方法や自主性との違いを解説」はこちら

セミナー・研修におすすめのアイスブレイク事例6選

セミナーや研修でおすすめのアイスブレイクには、以下のようなものがあります。

・他己紹介
・積木式自己紹介
・バースデーライン
・共通点探しゲーム
・条件プレゼンゲーム
・マシュマロチャレンジ

それぞれの内容や、やり方について解説します。

他己紹介

はじめに、「他己紹介」とは参加者がペアを組んで自己紹介やインタビューをし、ペアの情報をグループ内で共有するアイスブレイクです。

参加人数通常、2人1組で行うため、参加者は偶数が望ましいですが、奇数の場合は3人1組で行うことも可能です。
所要時間15~20分程度
アイスブレイクの流れ ・参加者にランダムにペアを組んでもらいます。新しいメンバーとの交流を促すため、普段あまり話さない人同士のペアリングが理想的です。
・ペアになった参加者は互いに自己紹介やインタビューを行い、名前・仕事内容・趣味・好きなもの・最近の楽しかったことなど、相手についての情報を収集します。
・インタビュー後、各自がパートナーを紹介するために、相手について知ったことや印象的だった話をまとめます。
・参加者が交代でペアのパートナーをグループに紹介し、全員の紹介が終わった後、参加者から感想や新たに知ったこと、面白かった点などを共有します。

他己紹介は、自己紹介よりも相手のことをより深く理解でき、コミュニケーション活性化にも効果的です。

積木式自己紹介

次の積木式自己紹介は、参加者全員が順番に自己紹介をしながら、前の人の自己紹介内容を覚えてつなげていくアイスブレイクです。

参加人数5人から15人程度が理想的です。参加者が多すぎると、アクティビティが複雑になりすぎる可能性があります。
所要時間20~30分程度
アイスブレイクの流れ ・最初の参加者が自己紹介を行い、名前・仕事・趣味などの基本情報を共有します。
・次の参加者は、最初の参加者の自己紹介内容を可能な限り正確に繰り返し、その後に自分の自己紹介を加えます。
・間違った点があれば、みんなでフォローし、全員の自己紹介が終わったら感想を共有しあいます。

積木式自己紹介は、参加者の名前や特徴を自然に覚えられるため、初対面同士の集まりに最適です。

バースデーライン

バースデーラインは、参加者全員が誕生日順に並ぶアイスブレイクです。会話や文字を使わずにジェスチャーのみで誕生日を伝えます。

参加人数任意の人数で行えますが、10人から30人程度のグループで行うのが適しています。
所要時間10~20分程度
アイスブレイクの流れ ・参加者は自分の誕生日をほかの参加者に言わずに、誕生日順に一列に並ぶ必要があります。
・参加者はジェスチャーや身振りを使って、自分の誕生日が1年の中でいつ頃かを示し、ほかの参加者と相談しながら適切と思う位置に移動します。
・全員が並んだ後、実際に1人ずつ自分の誕生日を発表し、正しく並べられたかを確認します。どのようにジェスチャーを伝えたか、どのようにヒントを得たかなどを共有しあいましょう。

誕生月のみでジェスチャーを伝えるなど、難易度を調整するのもよいでしょう。

共通点探しゲーム

共通点探しゲームは、参加者同士がペアになり、2人1組で共通点を探していくアイスブレイクです。

参加人数4人以上(偶数)が理想的です。参加者が多い場合は、複数の小グループに分けて実施します。
所要時間15~30分程度
アイスブレイクの流れ ・参加者同士でランダムにペアを組みます(グループワークの場合は、グループ内でペアを組みましょう)。
・ペア同士で5〜10分程度、出身地・趣味・好きな食べ物・仕事内容などの共通点を探します。
・ペアごとに、見つけた共通点をグループ全体に発表します。
・最後に、共通点探しゲームを通して、相手にどのような印象を持ったかを共有しあいましょう。

共通点探しゲームは会話を通して相手のことを知り、親睦を深める効果があります。

条件プレゼンゲーム

条件プレゼンゲームは、参加者チームに3つ程度のキーワードを与え、そのキーワードをすべて盛り込んだプレゼンテーションを作成し発表するアイスブレイクです。

参加人数4人以上(グループワーク形式)
所要時間20~30分程度
アイスブレイクの流れ ・ファシリテーターが、各グループにテーマと3つのキーワードをランダムに与えます。
・各グループは、与えられたテーマとキーワードを基に、10分程度でプレゼンテーションを作成します。
・グループごとに、作成したプレゼンテーションを発表します。最後に投票を行うのもよいでしょう。

プレゼンテーションのテーマは自由ですが、参加者の属性や目的に合わせたものが効果的です。キーワードは、関連性のあるもの、全く関係のないものなど、バラエティに富んだものを用意しましょう。

マシュマロチャレンジ

マシュマロチャレンジは、チームで協力して、限られた材料を使って自立したタワーを建てるアイスブレイクです。

参加人数4人から6人の小グループが理想的です。複数のチームに分けて競争させることで、より盛り上がります。
所要時間20~30分程度
アイスブレイクの流れ ・各チームに同じセットの材料を配布します。20本のパスタ、1メートルのテープ、1メートルのひも、マシュマロ1個などが一般的です。
・各グループは、制限時間内に、マシュマロを頂点として自立したタワーを建設します。パスタ、テープ、ひもは自由に切って使用できますが、マシュマロを切るのはNGです。
・制限時間がすぎたら、各チームのタワーの高さを測定し、最も高いタワーを建てたチームを表彰します。
・その後、グループ内で振り返りを行いましょう。

マシュマロチャレンジは、一定の制約の中でチームメンバーが共同で問題解決を行い、創造的な解決策を見つけ出すプロセスを促せます。

朝礼・会議の前に使えるアイスブレイクの事例3選

朝礼や会議の前にできるアイスブレイクには、以下のようなものがあります。

・GOOD&NEW
・ヒーローインタビュー
・指体操

それぞれの内容や、やり方について解説します。

「【事例付き】朝礼で失敗しないネタ5選と話の組み立て方の秘訣とは」はこちら

GOOD&NEW

GOOD&NEWは、参加者それぞれが最近起きた「よかったこと(Good)」と「新しい発見(New)」を発表するアイスブレイクです。

参加人数2人以上。どの規模のグループでも可能ですが、参加者が多い場合は、時間管理に注意する必要があります。
所要時間5~15分程度
アイスブレイクの流れ ・参加者全員が順番に、「よかったこと」と「新しい発見」をそれぞれ1つずつ発表します。
・発表後は、拍手や一言コメントなどでリアクションし、振り返りをおこないましょう。

GOOD&NEWは、短時間で実施できます。朝礼や会議の始まりに行うことで、1日のスタートを明るくエネルギッシュにする効果が期待できるでしょう。

ヒーローインタビュー

ヒーローインタビューは、参加者1人がヒーロー役となり、インタビューを受けることで、お互いをよく知るアイスブレイクです。

参加人数4人以上で実施するのが理想的です。小規模から中規模のグループに適しています。
所要時間5~15分程度
アイスブレイクの流れ ・参加者全員がランダムにペアを組みます。
・1人がヒーロー役、もう1人がインタビュアー役になります。インタビュアーは、ヒーローに対して成し遂げたことや、価値観・夢など、さまざまな質問をします。
・インタビュアー役は、ヒーロー役の話を聞いて、印象に残った点や共感を覚えた点などを発表し、最後に印象に残ったインタビュー内容や、共通点などについて、簡単に振り返りを行います。

インタビュアー役は、ヒーロー役の話を引き出すような質問をし、ヒーロー役は、自分の経験や考えを具体的に話しましょう。

指体操

指体操は、参加者全員が指を動かすことで、脳を活性化し、緊張をほぐすアイスブレイクです。

参加人数2人以上と、どの規模のグループにも適しています。個人でも小グループでも、大人数の会議でも実施可能です。
所要時間3〜5分程度。
アイスブレイクの流れ ・指体操を始める前に、手や指を軽くほぐすための簡単なストレッチ(手首を回したり、指を伸ばしたりなど)を行います。
・ファシリテーターの指示に従って、参加者全員で指体操を行います。ファシリテーターは「両手を前に出して、指を広げたり閉じたりする」「一方の手で他方の指を軽く引っ張る」といった動作の指示を出します。
・指体操が終わった後、参加者からの感想や体操を通じてどのように気分が変わったかを共有しあいます。

指体操は短時間で実施できるので、会議や研修の冒頭などにおすすめです。

商談でアイスブレイクをするときにふさわしい話題

商談をスムーズに進めるためには、顧客との良好な関係構築が重要です。「キドニタテカケシ衣食住」とは、商談などのビジネスシーンで使えるアイスブレイクの話題を網羅したもので、相手との距離を縮めるのに適したテーマが含まれています。

キドニタテカケシ衣食住の例
・季節・気候(キ):「今年の冬は例年に比べて温かいように感じますね。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、お気をつけください」
・道楽・趣味(ド):「週末は何か趣味に没頭されていますか?私は最近、写真撮影にハマっています」
・ニュース(ニ):「最近、○○に関するニュースをよく見かけますが、どう思われますか?」
・旅(タ):「旅行は好きですか?最近、どこか印象に残った場所はありますか?」
・テレビ(テ):「何かおすすめのテレビ番組はありますか?私は○○をよく見ます」
・家族(カ):「ご家族も変わらずお元気ですか?」
・健康(ケ):「健康を維持するために何か特別なことをされていますか?」
・仕事(シ):「仕事で最近、特に力を入れているプロジェクトはありますか?」
・衣類(衣):「そのネクタイ、色合いが素敵ですね。どこで購入されましたか?」
・食事(食):「この辺りでランチにおすすめの場所はありますか?」
・住居(住):「こちらの地域は住みやすいですか?おすすめスポットはありますか?」

ほかにもアイスブレイクとして効果的な話題は、以下の通りです。

・さりげなく相手を褒める:「○○さんのご説明で、とてもよく分かりました」「○○さんはいつも笑顔が素敵ですね」
・地域についての話題に触れる:「○○さんは、この地域出身なのですね」「こちらの地域は初めてなのですが、どこかおすすめのお店はありますか?」

アイスブレイクを行うときの注意点

アイスブレイクは、会議や研修などの場を円滑に進めるための効果的な方法ですが、いくつか注意すべき点があります。

・実施の目的を伝える
アイスブレイクを行う前に、その目的を参加者に明確に伝えることが重要です。目的が明確であれば、参加者はアクティビティの意図を理解しやすく、より積極的に参加することが期待できます。たとえば、「新しいプロジェクトチームのメンバーとしてお互いをより深く知るため」といった具体的な目的を設定し、アクティビティの開始時にそれを共有しましょう。

・制限時間を決める
アイスブレイクはあくまで本来の会議やワークショップの前置きであり、時間を取りすぎてしまうと本来の目的から逸脱してしまう恐れがあります。そのため、アクティビティには明確な制限時間を設け、時間内に終わるように計画することが大切です。時間の設定にあたっては、アクティビティの内容や参加者の数を考慮し、適切な長さを決めましょう。タイマーの使用もおすすめです。

・参加者に合った内容を選ぶ
アイスブレイクには、さまざまな種類があります。参加者の年齢層・性別・人数・職種・目的などに合わせて、適切な内容を選ぶことが重要です。たとえば、子ども向けのアイスブレイクは、大人向けのアイスブレイクよりも、遊びの要素を取り入れたほうが効果的です。また、会議の冒頭に行うアイスブレイクは、研修の冒頭に行うアイスブレイクよりも、短時間で実施できるものがよいでしょう。

上記の点を踏まえて、アイスブレイクは、参加者全員が楽しめるように計画することが大切です。

まとめ

アイスブレイクには、さまざまな種類があります。他己紹介・積木式自己紹介・バースデーライン・共通点探しゲーム・条件プレゼンゲーム・マシュマロチャレンジなどはその代表例です。また、朝礼・会議の前に使えるアイスブレイクとしては、GOOD&NEW・ヒーローインタビュー・指体操などが挙げられます。

商談でアイスブレイクをするときには、「キドニタテカケシ衣食住」のテーマに関しての話題をしたり、相手を褒めたり、その地域に関する話題をしたりするとよいでしょう。

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