成果を出す人は巻き込み力が違う!うまい人の特徴や身に付け方を解説

成果を出せる女性上司と部下

巻き込み力とは、共通の目標に向かって周囲の協力を得る力です。現代のビジネスでは、部門をまたいだ連携や社外とのコラボレーションが欠かせないため、巻き込み力の重要性はますます高まっています。

当記事では、巻き込み力が高い人に共通する特徴と、巻き込み力を身に付ける方法を解説します。巻き込み力は、限られた一部の人に備わっている能力ではなく、訓練次第で磨くことができます。人や組織を動かし、成果につなげたい人は、ぜひ参考にしてください。

巻き込み力とは?

チームメンバーとコミュニケーションを活性化させる女性社員

巻き込み力とは、共通の目標に向かって周囲の人を自発的に動かし、協働体制を築く力を指します。単に指示や命令を出して従わせるのではなく、相手の理解と納得を得ながら、自ら役割を担う関係性をつくることがポイントです。

つまり、メンバーの想いや価値観に共鳴しながら、共通のゴールに向けてともに歩む姿勢こそが、成果を生み出す巻き込み力の本質と言えるでしょう。新入社員や若手社員などを束ねる管理職にとっては、特に身に付けておきたい要素の1つです。

巻き込み力はなぜ重要なのか

現在のビジネス環境では、社内外の多様な部署・人材と連携しながら進めるプロジェクトが一般的であり、仕事を1人で完結させることはほとんどありません。そのため、他者の力を借りながら目標達成を目指す「巻き込み力」は、成果を出す上で欠かせないスキルです。

巻き込み力を発揮することで、関係者との信頼関係が構築され、モチベーションが高まり、チーム全体の連携力や課題解決力も向上します。また、双方向のコミュニケーションが活性化されることで、目標や進捗の共有がスムーズに行われ、業務の効率化やプロジェクトの成功率向上にもつながるでしょう。

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人を巻き込むのがうまい人の特徴

女性社員の良いところを引き出そうする男性リーダー

主体性が高い

周囲を動かすためには、まず自分自身が率先して動く姿勢が求められます。主体性を持つ人は、目的を明確にした上で、その実現のために自ら考えて行動に移します。

特徴的なのは、誰かに言われて動くのではなく、自発的に複数人に働きかけ、必要な協力を引き出す点です。そうした積極性のある姿勢が周囲の信頼感を高め、「この人となら一緒に頑張りたい」と思わせる関係性の構築につながります。

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コミュニケーション能力が高い

人を巻き込むには、的確に想いや目的を伝え、相手の理解と共感を得る必要があります。巻き込み力が高い人は、相手に応じた的確な伝え方ができるだけでなく、対話を通じて信頼を築くコミュニケーション能力に長けています。中でも重要なのが、お互いの立場や意見を尊重しながら率直に意見を交わせる「アサーティブコミュニケーション」の実践です。

株式会社GenAiでは、社員一人ひとりとの1on1ミーティングや、立場を越えたフラットな会話を大切にする企業文化を構築しています。「チーム全員で勝つ」というビジョンの下、社員同士がお互いの意見を尊重する環境づくりを推進し、周囲を巻き込む力の源泉となることで、スピード感のある柔軟な事業展開を可能にしています。

※出典:ベンチャー.jp「【#328】大企業も注目、GenAiの「ブレンド開発」!これからの新規事業を変える次世代サービス「GenAi Studio」|代表取締役CEO 三浦 一起(株式会社GenAi)」

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関係構築力がある

巻き込み力が高い人は、日常的に周囲と良好な関係を築いているため、必要なときにスムーズに協力を得ることができます。これは単に人当たりがよいだけでなく、相手の関心やニーズに寄り添い、信頼を積み重ねていることの表れです。都合のよいときだけ接点を持つ関係では、いざというときに協力を得られません。

ストックマーク株式会社では、組織の理想像を示す7つの「Style」を定めており、6つ目の「進化の共謀者であれ」では顧客との共創姿勢を明確に掲げています。顧客を「巻き込む」ためには、ただ提案するだけでなく、ともに進化し続けるパートナーであることが求められるという考え方です。関係構築力を基盤に信頼を得ることで、顧客からの協力を自然に引き出す巻き込み力に直結しています。

※出典:ストックマーク株式会社(Wantedly)「シリーズB資金調達完了!CEOインタビュー~後編:”個”が自律し強いチームをつくる!」

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メンバーとゴールを共創できる

巻き込み力の高い人は、目標を自分1人で決めるのではなく、周囲とともに作り上げます。「ゴール共創型」の姿勢を持つことで、メンバーは当事者意識を持ちやすくなり、自発的な行動を引き出すことが可能です。

ビジネスにおけるゴールとは、単なる数字目標ではなく「ありたい姿」を共有するものでもあります。巻き込み力の高い人は、そのビジョンを言語化し、対話を通じてメンバーと一緒にゴールを作り上げるため、目標に向かう過程で自然と一体感が生まれます。

発信力だけでなく傾聴力も高い

巻き込み力には、強い発信力だけではなく、相手の本音や背景を理解する傾聴力も不可欠です。傾聴とは、表面的な話だけでなく、相手の思いや価値観に共鳴しながら話を聴く姿勢のことを指します。

発信力と傾聴力を兼ね備えた人は、相手の悩みや価値観を踏まえ、最適なマネジメントを行えます。無理やり巻き込むのではなく、自然に協力関係を築くため、チームワーク力・結束力も強化されます。

目標達成に向けて最後までやり遂げられる

どれだけ周囲を巻き込んでも、目標を達成しなければ信頼は得られません。巻き込み力のある人は、障害にぶつかっても途中で諦めず、粘り強くプロジェクトを完遂する実行力を持っているのも強みです。

困難な状況でも責任を持って行動をやり遂げる姿は、周囲にとって「付いていきたい」と思わせるリーダー像そのものです。その姿勢が周囲に説得力を与え、次回以降も協力を得やすくなる好循環を生み出す可能性があります。

巻き込み力を身に付けるには?

メンバーに熱のこもったレクチャーをする男性上司

巻き込み力は、生まれ持った資質ではなく、意識的な行動や経験を通じて身に付けることができます。ここでは、巻き込み力を鍛える具体的な方法やコツを解説します。

熱意・本気度を見せる

プロジェクトや目標に対して自分自身が本気で向き合っている姿を見せることで、周囲の関心や信頼を得ることが可能です。特に、困難な場面でも諦めずに行動し続ける姿勢は、人を動かす大きな力になります。

誰よりも強い想いを持っていることを、言葉だけでなく実際の行動でも伝えることで、「一緒にやりたい」と思われる存在になり、自然と協力を得られるでしょう。

巻き込みたい人への理解を深める

相手にとって意味のある働きかけをするには、巻き込みたい相手の価値観や関心事、業務上の課題や希望を把握する必要があります。たとえば、日常の会話や1on1ミーティングなどを通じて相手をよく知ることで、納得感のある依頼ができ、協力を得やすくなります。

ヒアリングを丁寧に行うことは、相手が「自分のことを理解してくれている」と感じ、信頼を寄せるきっかけにもなります。

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巻き込みたい人に根回しを行う

巻き込み力を発揮するには、正式な働きかけの前に健全な根回しも効果的です。根回しとは、事前に関係者とコミュニケーションを取り、共通認識をつくるための準備段階です。

いきなり依頼するのではなく、まず相手の状況・立場・能力を理解し、「なぜその人に頼むのか」「どのようなメリットがあるか」を丁寧に伝えることがポイントです。根回しを通じて信頼と理解の土台を築くことで、協力を得る際の心理的ハードルが下がります。

共通の課題や目標を設定する

周囲を巻き込むには、関係者と共通の課題や目標を設定することが求められます。ヒアリングなどを通じてそれぞれの立場や関心を把握した上で、全員が納得できる共通のゴールを描くと、当事者意識を醸成できます。その際、目標は数値や行動レベルで明確に設定すると効果的です。

関係者間で「なぜこの目標が重要なのか」を共有し、相互理解を深めることで、一体感が生まれて協力を得やすくなります。共通の目的があれば、チームは自然と動き出すでしょう。

巻き込み力を高める研修を活用する

巻き込み力は現場経験だけでなく、体系的な研修を通じて磨くこともできます。特に、リーダーシップやコミュニケーション、アサーティブな伝え方、フィードバックスキルなどは、巻き込み力の土台となるスキルです。

中堅社員や次世代リーダー向けに特化した研修では、実践に役立つケーススタディやロールプレイを通じて、巻き込みに必要な視点や行動が身に付きます。自己理解を深め、他者との関係性を築く力を育成することは、組織全体の協働力の底上げにもなります。

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まとめ

巻き込み力は、成果を出す上で欠かせないビジネススキルの1つです。主体性を持って行動し、相手の立場や価値観を理解しながら信頼関係を築くことで、周囲は自然と協力的になります。また、熱意を持って行動を示す、相手の関心を深く理解する、目標を共創することでも、巻き込み力を高めることは可能です。

巻き込み力は特別な才能ではなく、経験と努力を重ねることで育てられる力です。研修などを通じてスキルを磨き、組織全体の連携力や課題解決力を高めましょう。

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