【事例付き】朝礼で失敗しないネタ5選と話の組み立て方の秘訣とは

朝礼は部署やチーム内で情報共有を行ったり、組織として行うべき目標を周知したりする以外にも、エンゲージメント向上の場として活用できます。経営者が自社の現状や将来のビジョンについて端的に伝えれば、従業員の士気も向上するでしょう。

ただし、朝の時間は貴重です。だらだらとスピーチを続けたり、魅力的でない内容を話したりすると、かえって士気が下がる恐れもあります。そのため、この記事ではビジネスにおける朝礼の目的や、アイスブレイクにも使える朝礼スピーチのネタ、話をうまく組み立てる方法について、スピーチの事例を交えて解説します。

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ビジネスにおける朝礼の目的とは

会社で朝礼を行う目的としては、以下の3つが挙げられます。

・情報共有やコミュニケーション
・社員の教育や育成
・エンゲージメント向上

朝礼を行う最大の目的は、部署やチーム内で情報共有を行ったり、コミュニケーションをとったりすることです。始業前に重要事項や仕事の進捗状況を伝達し合い、1日の業務が円滑を進める効果も期待できます。

社員や従業員の育成も、朝礼の重要な目的の1つです。朝礼では伝えたい内容をお互いの目を見て共有できるため、チームの一員としての責任感や士気を高めやすい傾向にあります。組織目標の達成に向けて何をするべきなのか、自発的に行動できる人材を育成する機会として、朝礼を活用するのも1つの方法です。

また、社員のエンゲージメントを高めることも、朝礼を行う目的として挙げられます。自社人材の流出や社員の士気低下などを防ぐためには、エンゲージメントの向上が欠かせません。朝礼で経営者の思いや企業ビジョンなどを共有し、社員が働く環境にポジティブな印象を持てるように努めましょう。

「エンゲージメントとは?意味から効果的な向上施策まで徹底解説」について詳しくはコチラ

受けがよい朝礼スピーチのネタ事例|アイスブレイクにも使える

朝礼の中で、メンバーが持ち回りでスピーチをする場合に困りやすいのが、テーマ選びです。どのような内容を選べばよいのか困っている方のために、おすすめのテーマを5つピックアップして、例文付きで解説します。

各テーマについては商談のアイスブレイクなどにも使えるため、朝礼を行わない方にとっても便利です。

タイムリーな話題や時事ネタ

テレビやスマホなどを通じて情報が得られる、最新の話題や時事ネタは、興味関心を持ってもらいやすい点がメリットです。自分の考えを述べやすいものや、仕事に役立つテーマを選びましょう。

【タイムリーな話題や時事ネタでスピーチするときの例文】

昨今、個人情報やお金を騙し取る悪質なフィッシング詐欺への対策が求められています。「フィッシング対策協議会」によると、2023年はフィッシング詐欺の数が報告ベースで、初めて100万件を超えたそうです。

フィッシング詐欺の手口は年々巧妙化しており、「東京都水道局」を名乗るフィッシング詐欺も確認されています。水道料金未納の名目で偽メールを送信し、個人情報とお金を騙し取るようです。

日常的にメールを利用するため、セキュリティ上のリスクに対処する重要性を改めて感じたニュースでした。仕事でもプライベートでも、怪しいメッセージが送られてきたら、メールから直接サイトにアクセスしないように気をつけたいと思います。

名言やことわざネタ

偉人や著名人が残した名言、ことわざなども、朝礼ネタとしておすすめです。聞き手の印象に残りやすく、仕事にも結びつけやすいため、始業前にぴったりのスピーチにできるでしょう。

【名言やことわざネタでスピーチするときの例文】

「健康は第一の富である」という言葉をご存知でしょうか。1830年代〜1840年代に活躍したアメリカの哲学者ラルフ・ワルド・エマーソンが残した名言です。

仕事の成功も、プライベートの充実も、健康があってこそ実現できることです。私は先日、久しぶりに風邪で体調を崩してしまいました。病気や怪我をすると、改めて健康の有り難さに気づきます。

忙しく過ごしていると、つい体調への意識も薄れがちですが、健康は財産です。仕事でよいパフォーマンスを発揮するためにも、自分の心身に向き合い、健康を維持する習慣を続けたいと思います。

今日は何の日ネタ

インターネットで「今日は何の日」と検索すると、面白い雑学ネタや季節ネタに出会える場合もあります。スピーチネタが尽きたときにも使える、テーマ探しの方法です。

【今日は何の日ネタでスピーチするときの例文】

今日は、二十四節気の1つである「大寒」について紹介します。
大寒は、1年で寒さが最も厳しくなる時期です。2024年は、1月20日から2月3日が大寒にあたります。

寒さがピークを迎える時期は、感染症も流行しやすく、健康管理が難しいタイミングです。手洗いうがいをしたり、十分な休息をとったりして、健康に気を配りましょう。また、寒さに加えて日光を浴びる時間も減ってしまう冬は、心が晴れない日もあるかもしれません。

好きなことをしたり、同僚と少しコミュニケーションをとったりする時間も、リフレッシュには重要な時間です。心身の状態にも目を向けながら、今日も一日、元気に仕事に取り組みましょう。

仕事やスキル

他社の事例や書籍などから得た気づき、職場で役立つスキルを紹介すると、仕事に対するモチベーションアップが期待できます。一方的な説教にならないよう、伝え方を工夫しましょう。

【仕事やスキルネタでスピーチするときの例文】

本日は、「〇〇」という本を読んで学んだ、「読書のメリット」を2つ紹介します。

1つ目は、語彙力や表現力が豊かになることです。
多くの本を読み、言葉を知ることで、職場でも相手に合わせた適切な表現ができます。自分の考えをうまく伝えられるため、誤解を与えるような失敗が防げるのもメリットです。

2つ目は、視野が広がる点です。
読書では、筆者や登場人物の考え方に触れられます。知識だけではなく、さまざまな考え方や教訓に出会えるのも読書の魅力です。自分の考えに縛られず、幅広い視野で物事をとらえるスキルは、仕事上の分析力や発想力にもつながります。

仕事にも役立つ読書を今後も継続したいと考えています。最近活字に触れていないという方も、この機会に読みたい1冊を手に取ってみてはいかがでしょうか。

自分の体験

育った地域の話題や子どもの成長、趣味など、自身の体験から得られた気づきも朝礼で取り上げてみましょう。ただし、単に自分に起きたことを伝えるだけでは、どうしても飽きられやすくなりがちです。珍しい話題を選んだり、内容がマニアックになりすぎないように気をつけたり、聞き手を意識してスピーチを準備するのがポイントです。

スピーチの際には、起こったことを伝えて終わるのではなく、自分の体験を解釈して、仕事に関連する意見につなげるとより説得力ある内容になるでしょう。

【自分の体験ネタでスピーチするときの例文】

先日、小学1年生の姪っ子の学芸会を見に行きました。家では元気いっぱいに劇の練習を披露してくれた姪っ子ですが、本番では緊張からか、いつものパワーが感じられません。姉と「緊張しているかな」と話していました。

しかし、姉は後日、担任の先生から「〇〇ちゃん、緊張の中みんなと楽しく発表できていましたね!」と声をかけてもらったそうです。何気なく過ごしていると、できなかったことに目を奪われがちですが、たとえ些細な変化でも「できたこと」や「よい部分」に目を向ける大切さを改めて感じました。

仕事でも相手のよい部分にいち早く気づき、言葉で伝えられる人間でありたいです。また、自分に対しても、できている部分を大切にしながら、今後の成長や自信につなげていきたいと思います。

朝礼でスピーチを行うときの話の組み立て方

決められた時間で、伝えたい内容を分かりやすく話すコツとして、イントロ・ボディ・エンディングの3つの構成でスピーチを組み立てるのがおすすめです。

※出典:厚生労働省「令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」

以下では、カスハラが増加傾向にある理由について紹介します。

【自分の体験ネタでスピーチするときの例文】

・イントロ
導入部分にあたるイントロでは、朝礼テーマや結論を端的に紹介します。自分が伝えたい内容を明確に示し、聞き手に興味関心を持ってもらいましょう。

・ボディ
イントロ部分で紹介したテーマや結論に関する理由を述べて、スピーチに説得力を持たせます。具体例や体験談を交えて説明すると、よりスピーチ内容に関心を持ってもらえるため、おすすめです。

・エンディング
再度テーマや結論を述べて伝えたい内容を協調すると、全体的にまとまりのあるスピーチになります。仕事と結びつけた一言を添えると、より朝礼に相応しい内容になるでしょう。

また、与えられた時間で話せる文字数がどれくらいなのかを知っておくのも重要です。1分間で話せる文字量である、約300文字を目安として、設定された時間に必要な文字数でシナリオを作成しましょう。

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まとめ

受けがよいスピーチのテーマ例としては時事ネタ・ことわざネタ・今日は何の日ネタ・仕事やスキルの話題・自分の体験談などが挙げられます。聞き手が興味関心を持ちやすい話題から自分がどのように感じたかを伝え、仕事に関連付けることで、朝礼で失敗しない面白いスピーチができるでしょう。

朝礼では短時間で聞き手に自分の考えを伝える必要があります。イントロ・ボディ・エンディングの3つの構成を考え、300字程度に伝えたい内容をまとめれば、1分でしっかりと思いや意見が伝わる朝礼スピーチが可能です。

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