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【事例付き】朝礼で失敗しないネタ8選と話の組み立て方の秘訣とは

この記事は2024.3.25に公開した記事を再編集しています
2025年6月23日更新
朝礼は部署やチーム内で情報共有を行ったり、組織として行うべき目標を周知したりする以外にも、エンゲージメント向上の場として活用できます。経営者が自社の現状や将来のビジョンについて端的に伝えれば、従業員の士気も向上するでしょう。
ただし、朝の時間は貴重です。だらだらとスピーチを続けたり、魅力的でない内容を話したりすると、かえって士気が下がる恐れもあります。そのため、この記事ではビジネスにおける朝礼の目的や、アイスブレイクにも使える朝礼スピーチのネタ、話をうまく組み立てる方法について、スピーチの事例を交えて解説します。
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ビジネスにおける朝礼の目的とは

会社で朝礼を行う目的としては、以下の3つが挙げられます。
・情報共有やコミュニケーション ・社員の教育や育成 ・エンゲージメント向上 |
朝礼を行う最大の目的は、部署やチーム内で情報共有を行ったり、コミュニケーションをとったりすることです。始業前に重要事項や仕事の進捗状況を伝達し合い、1日の業務を円滑に進める効果も期待できます。
社員や従業員の育成も、朝礼の重要な目的の1つです。朝礼では伝えたい内容をお互いの目を見て共有できるため、チームの一員としての責任感や士気を高めやすい傾向にあります。組織目標の達成に向けて何をするべきなのか、自発的に行動できる人材を育成する機会として、朝礼を活用するのも1つの方法です。
また、社員のエンゲージメントを高めることも、朝礼を行う目的として挙げられます。自社人材の流出や社員の士気低下などを防ぐためには、エンゲージメントの向上が欠かせません。朝礼で経営者の思いや企業ビジョンなどを共有し、社員が働く環境にポジティブな印象を持てるように努めましょう。
受けがよい朝礼スピーチのネタ事例|アイスブレイクにも使える

朝礼の中で、メンバーが持ち回りでスピーチをする場合に困りやすいのが、テーマ選びです。どのような内容を選べばよいのか困っている方のために、おすすめのテーマを5つピックアップして、例文付きで解説します。
各テーマについては商談のアイスブレイクなどにも使えるため、朝礼を行わない方にとっても便利です。
タイムリーな話題や時事ネタ
テレビやスマホなどを通じて情報が得られる、最新の話題や時事ネタは、興味関心を持ってもらいやすい点がメリットです。自分の考えを述べやすいものや、仕事に役立つテーマを選びましょう。
【タイムリーな話題や時事ネタでスピーチするときの例文】
昨今、個人情報やお金を騙し取る悪質なフィッシング詐欺への対策が求められています。「フィッシング対策協議会」によると、2023年はフィッシング詐欺の数が報告ベースで、初めて100万件を超えたそうです。 フィッシング詐欺の手口は年々巧妙化しており、「東京都水道局」を名乗るフィッシング詐欺も確認されています。水道料金未納の名目で偽メールを送信し、個人情報とお金を騙し取るようです。 日常的にメールを利用するため、セキュリティ上のリスクに対処する重要性を改めて感じたニュースでした。仕事でもプライベートでも、怪しいメッセージが送られてきたら、メールから直接サイトにアクセスしないように気をつけたいと思います。 |
名言やことわざネタ
偉人や著名人が残した名言、ことわざなども、朝礼ネタとしておすすめです。聞き手の印象に残りやすく、仕事にも結びつけやすいため、始業前にぴったりのスピーチにできるでしょう。
【名言やことわざネタでスピーチするときの例文】
「健康は第一の富である」という言葉をご存知でしょうか。1830年代〜1840年代に活躍したアメリカの哲学者ラルフ・ワルド・エマーソンが残した名言です。 仕事の成功も、プライベートの充実も、健康があってこそ実現できることです。私は先日、久しぶりに風邪で体調を崩してしまいました。病気や怪我をすると、改めて健康の有り難さに気づきます。 忙しく過ごしていると、つい体調への意識も薄れがちですが、健康は財産です。仕事でよいパフォーマンスを発揮するためにも、自分の心身に向き合い、健康を維持する習慣を続けたいと思います。 |
今日は何の日ネタ
インターネットで「今日は何の日」と検索すると、面白い雑学ネタや季節ネタに出会える場合もあります。スピーチネタが尽きたときにも使える、テーマ探しの方法です。
【今日は何の日ネタでスピーチするときの例文】
今日は、二十四節気の1つである「大寒」について紹介します。 大寒は、1年で寒さが最も厳しくなる時期です。2024年は、1月20日から2月3日が大寒にあたります。 寒さがピークを迎える時期は、感染症も流行しやすく、健康管理が難しいタイミングです。手洗いうがいをしたり、十分な休息をとったりして、健康に気を配りましょう。また、寒さに加えて日光を浴びる時間も減ってしまう冬は、心が晴れない日もあるかもしれません。 好きなことをしたり、同僚と少しコミュニケーションをとったりする時間も、リフレッシュには重要な時間です。心身の状態にも目を向けながら、今日も一日、元気に仕事に取り組みましょう。 |
仕事やスキル
他社の事例や書籍などから得た気づき、職場で役立つスキルを紹介すると、仕事に対するモチベーションアップが期待できます。一方的な説教にならないよう、伝え方を工夫しましょう。
【仕事やスキルネタでスピーチするときの例文】
本日は、「〇〇」という本を読んで学んだ、「読書のメリット」を2つ紹介します。 1つ目は、語彙力や表現力が豊かになることです。 多くの本を読み、言葉を知ることで、職場でも相手に合わせた適切な表現ができます。自分の考えをうまく伝えられるため、誤解を与えるような失敗が防げるのもメリットです。 2つ目は、視野が広がる点です。 読書では、筆者や登場人物の考え方に触れられます。知識だけではなく、さまざまな考え方や教訓に出会えるのも読書の魅力です。自分の考えに縛られず、幅広い視野で物事をとらえるスキルは、仕事上の分析力や発想力にもつながります。 仕事にも役立つ読書を今後も継続したいと考えています。最近活字に触れていないという方も、この機会に読みたい1冊を手に取ってみてはいかがでしょうか。 |
自分の体験
育った地域の話題や子どもの成長、趣味など、自身の体験から得られた気づきも朝礼で取り上げてみましょう。ただし、単に自分に起きたことを伝えるだけでは、どうしても飽きられやすくなりがちです。珍しい話題を選んだり、内容がマニアックになりすぎないように気をつけたり、聞き手を意識してスピーチを準備するのがポイントです。
スピーチの際には、起こったことを伝えて終わるのではなく、自分の体験を解釈して、仕事に関連する意見につなげるとより説得力ある内容になるでしょう。
【自分の体験ネタでスピーチするときの例文】
先日、小学1年生の姪っ子の学芸会を見に行きました。家では元気いっぱいに劇の練習を披露してくれた姪っ子ですが、本番では緊張からか、いつものパワーが感じられません。姉と「緊張しているかな」と話していました。 しかし、姉は後日、担任の先生から「〇〇ちゃん、緊張の中みんなと楽しく発表できていましたね!」と声をかけてもらったそうです。何気なく過ごしていると、できなかったことに目を奪われがちですが、たとえ些細な変化でも「できたこと」や「よい部分」に目を向ける大切さを改めて感じました。 仕事でも相手のよい部分にいち早く気づき、言葉で伝えられる人間でありたいです。また、自分に対しても、できている部分を大切にしながら、今後の成長や自信につなげていきたいと思います。 |
健康ネタ
朝礼スピーチで取り上げやすく、誰もが関心を持ちやすいのが「健康」に関する話題です。生活習慣やちょっとした工夫で変わる体調管理の話は共感を得やすく、実生活でも役立ちます。
【健康ネタでスピーチするときの例文】
今日は「1日5分のストレッチ」についてお話しします。 忙しい毎日の中で、つい体を動かすことを後回しにしてしまうことはありませんか?私も以前はそうでした。でも、朝起きてからたった5分、肩や腰をゆっくり伸ばすだけで、体のだるさがぐっと減り、仕事中の集中力も上がったように感じています。 特に座りっぱなしの仕事が多い私たちにとって、筋肉をこわばらせないことはとても大切です。オフィスでもできる簡単なストレッチを取り入れて、1日を気持ちよくスタートさせてみませんか? 健康な体は、仕事の質を高める第一歩です。今日も一日、元気に頑張りましょう! |
季節に関する話題
季節の変わり目は誰もが感じやすい身近なテーマです。気温や自然の変化、行事にまつわる話題を取り入れることで共感を得やすく、朝のスピーチとしても聞きやすい雰囲気をつくれます。
【季節に関する話題でスピーチするときの例文】
今朝は少し空気がひんやりして、季節の移り変わりを肌で感じるようになりました。街路樹の葉も色づき始めて、秋が本格的にやってきたなと感じています。 私の家の近くでは金木犀の香りが漂い始め、朝の散歩がちょっとした楽しみになりました。季節が変わることで、日々の何気ない景色にも新しい発見がありますよね。 ただ、こうした季節の変わり目は体調も崩しやすい時期です。私も少し喉に違和感があったので、昨晩はあったかいお茶と加湿器を準備しました。皆さんも忙しい毎日だと思いますが、体調第一で過ごしていきましょう。それでは、今日も一日よろしくお願いします。 |
趣味
趣味に関する話題は、自分の人柄が伝わりやすく、聞き手との距離を縮めるのにも効果的です。日常の中で楽しんでいることを共有することで、親しみのあるスピーチになります。
【趣味に関する話題でスピーチするときの例文】
今日は私の趣味についてお話ししたいと思います。最近、休日にパン作りを始めました。きっかけは近所のパン屋さんの食パンがとても美味しくて、「自分でも作れたら楽しいだろうな」と思ったからです。 最初は材料の計量でさえ失敗ばかりでしたが、焼き上がりの香りや、うまく膨らんだときの達成感が何よりのご褒美です。最近は全粒粉を混ぜたり、ナッツを入れてみたりと、ちょっとずつアレンジにも挑戦しています。 趣味に没頭する時間があると、平日の仕事にも良いリフレッシュになります。皆さんのおすすめのリフレッシュ方法も、ぜひ今度教えてください。それでは今日も一日よろしくお願いします。 |
朝礼でスピーチを行うときの話の組み立て方

朝礼でスピーチを行うときは、基本的な構成を意識すると伝えたい内容がまとまりやすくなります。テーマが決まっても話の流れが整理されていないと、聞き手にとって分かりづらくなってしまうため、スピーチの骨組みを整えることが大切です。
以下では、話を組み立てる際のステップを紹介します。
イントロ・ボディ・エンディングを考える
スピーチを分かりやすく伝えるには、「イントロ(導入)」「ボディ(本論)」「エンディング(結論)」の3部構成で考えると、誰でも伝わりやすく話をまとめられます。
イントロ(導入) | まずテーマや結論を端的に示しましょう。たとえば「最近、毎朝15分間散歩をしています」と伝えれば、聞き手は話の方向性を理解しやすくなります。 |
ボディ(本論) | 「運動不足解消として始めたものの、最初は面倒に感じていました。しかし、毎日同じ時間に歩くと気分がスッキリし、仕事への集中力も高まった気がします」など、テーマに対する理由や背景を、具体例や体験談を交えて説明します。 |
エンディング(結論) | 「一日を気持ちよく始められる習慣が、仕事のパフォーマンスにもつながると感じました。皆さんもぜひ、朝の過ごし方を工夫してみてください」といったように、もう一度結論を示し、朝礼らしく仕事への気づきや前向きな言葉で締めくくりましょう。 |
また、与えられた時間で話せる文字数がどれくらいなのかを知っておくのも重要です。1分間で話せる文字量である、約300文字を目安として、設定された時間に必要な文字数でシナリオを作成しましょう。
事実とメッセージを組み合わせる
朝礼スピーチでは、単なる情報の提示だけでなく、「だから何が言いたいのか」というメッセージを添えることが重要です。
たとえば「今週末から全国的に気温が下がる見込みです」と伝えるだけでは、天気予報のような話に留まってしまいます。しかし、「体調管理が仕事の質にもつながります。私たちも温かい服装や早めの体調チェックを意識していきましょう」といった一言を加えると、聞き手にとって行動につながる内容になります。事実に自分の考えや行動の提案を加えることで、聞く人の心に残るスピーチになります。
「私たち」を主語にする
スピーチの締めくくりでは、主語を「私たち」にすることで、内容を自分ごととして捉えてもらいやすくなります。たとえば、「挨拶のひと言が職場の空気を明るくする」といった話題なら、「私たちみんなで気持ちのよい挨拶を心がけましょう」と結ぶことで、一体感を生み出せます。最後のひと言で「ともに行動する姿勢」を示すことが、伝わるスピーチのコツです。
スピーチのネタに困らないための習慣

朝礼でのスピーチは日常のちょっとした気づきが元になることも多く、日頃からネタのアンテナを張っておくことが大切です。スピーチのネタに困らないためにも、以下のような習慣を意識しておくと話題選びが楽になります。
面白いと感じた情報があればメモを取る
日々の生活の中で「ちょっと面白い」「誰かに話したい」と思った出来事やニュースに出会ったら、メモを取る習慣をつけておくと、スピーチのネタに困らなくなります。記憶は時間とともに曖昧になるため、気づいた瞬間にメモしておくことが大切です。
通勤中に見た光景や読んだ本、同僚との雑談から得た気づきなど、スピーチに使えるネタは意外と身近にあります。スマホのメモアプリやノートを活用して、日常の“気づき”を蓄積していきましょう。
なんのためにスピーチをするかを意識する
スピーチのネタを考えるときは、「何を伝えたいか」より先に「なぜスピーチをするのか」という目的を明確にすることが大切です。
朝礼であれば、ただ話題を提供するだけでなく、聞き手に前向きな気持ちになってもらう、チームに一体感をもたせるなどの役割があります。目的を意識することで、話題の選び方や構成も自然と的を射たものになります。ネタ探しに迷ったら、「この話で誰の役に立てるか」を考える習慣をつけましょう。
自分の体験とネタを関連付ける
スピーチの内容に説得力を持たせるには、自分自身の体験と結び付けて話すことが効果的です。ニュースや書籍で得た情報に自分の感じたことや経験を加えると、話にオリジナリティとリアリティが生まれます。
たとえば「整理整頓の大切さ」をテーマにする場合でも、「デスクの片づけをしたことで作業効率が上がった」「探し物の時間が減ってストレスも軽減された」など自宅や職場での実体験を交えて語れば聞き手にも親近感が生まれ、内容が心に残りやすくなります。
まとめ
受けがよいスピーチのテーマ例としては時事ネタ・ことわざネタ・今日は何の日ネタ・仕事やスキルの話題・自分の体験談などが挙げられます。聞き手が興味関心を持ちやすい話題から自分がどのように感じたかを伝え、仕事に関連付けることで、朝礼で失敗しない面白いスピーチができるでしょう。
朝礼では短時間で聞き手に自分の考えを伝える必要があります。イントロ・ボディ・エンディングの3つの構成を考え、300字程度に伝えたい内容をまとめれば、1分でしっかりと思いや意見が伝わる朝礼スピーチが可能です。
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