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Z世代若手社員の育成方法|おすすめの若手社員研修も紹介
Z世代の若手社員をどのように育成すればよいのか、悩んでいる人事部や経営者の方も多いでしょう。現代の若手社員は働く環境を重要視する傾向にあり、育成をすると同時にキャリアプランを示し将来について具体的に想像できるよう促す必要があります。
当記事では、Z世代の若手社員の特徴や育成方法、おすすめの研修について詳しく解説します。若手社員がイキイキと活躍できる会社にするためにも、当記事をぜひ参考にしてください。
近年の若手社員の特徴
若手社員の育成を効果的に行うには、若手社員の特徴を把握しておくことが大切です。
以下ではZ世代と呼ばれる近年の若手社員の特徴を3つ挙げて、若手社員が何を考え、どのように働きたいと思っているかを解説します。
経験から学びたいが失敗はしたくない
多くの若手社員は、自分で試行錯誤をした経験から学ぶ重要性を知っています。
しかし、実際には「失敗して責任を取ることが怖い」「うまくできるか分からないことはなるべく避けたい」と考える若手社員が多い傾向にあります。
近年の若手社員が失敗を避けるようになった理由の1つが、情報検索に便利なインターネットの普及です。
インターネットが利用できる環境で育った若手社員は、新しいことに挑戦するときに「成功する方法をインターネットで調べる」という行動が習慣化しています。結果として、成功する方法が分かれば高い行動力を発揮できるものの、失敗する可能性がある挑戦には苦手意識を持つ方が多くなっています。
働く環境を重要視する
近年の若手社員は働く環境、特に仕事環境の心地よさを重要視する傾向があります。
心地よい仕事環境とは、福利厚生が充実していて休暇も取得しやすい職場のことです。座席間の距離が適度に空いていたり、休憩スペースが設けられていたりといったオフィスのレイアウトも仕事環境の心地よさにつながります。
若手社員が仕事環境の心地よさを重要視する理由は、無理なく仕事をして、プライベートを大切にしたいと考えているためです。仕事環境の心地よさがある職場はワーク・ライフ・バランスが取りやすく、仕事とプライベートを両立したい若手社員の希望を満たせます。
チームワークを大切にしたい
チームワークを大切にしたいと考える人材が多い点も、近年の若手社員に見られる特徴です。
若手社員がチームワークを重要視する背景には、テクノロジーの進歩があります。
テクノロジーの進歩によってテクノロジーを使用した製品・サービスが多く登場するとともに、テクノロジーを扱う技術の細分化も発生しています。個人が保有するスキルについても細分化が進んでおり、特定のスキルを保有する個人のみではできることが限られている状況です。
しかし、スキルを保有する人材がチームとなって働けば、個々の能力を発揮して大きい仕事も成し遂げられます。
近年の若手社員は、学生時代の課外活動や資格勉強を通して個人でできることの限界を理解しており、チームワークを大切にしたい気持ちが強くなっています。
若手社員育成が必要な理由
新卒に代表される若手社員は毎年企業へと入社し、入社後はOJT制度や研修制度などの方法で育成されます。
入社した若手社員に対して手厚い育成が必要とされるのは、以下で紹介する2つの理由があるためです。
早く戦力になってもらうため
入社して間もない若手社員は仕事のやり方をよく分かっておらず、入社3~5年目の中堅社員や、勤続10年以上のベテラン社員のように効率よく仕事ができません。若手社員育成は、会社の利益を上げることを目的として、若手社員の早期戦力化を促すために行います。
若手社員育成で若手社員の成長を促すには、そもそもの成長の定義づけをすることが大切です。たとえば、中堅社員・ベテラン社員が身につけている仕事のスキルをいくつか挙げて、すべてのスキルを習得した段階を成長のゴールと設定します。
若手社員にどのような人材に育ってほしいかを明確に定義すると、効果的な育成方法を選択できるでしょう。若手社員自身も目指すべき成長の方向性を自覚し、組織貢献のための自発的な行動を取れるようになります。
社員の離職率を下げるため
採用した人材の離職は、採用コストや育成コストをかけた企業にとって損失となります。若手社員育成は、社員の離職率を下げるためにも重要な取り組みです。
近年は人材の早期離職が社会問題化しています。厚生労働省によると、新卒就職者の就職後3年以内の離職率は高卒が35.9%、大卒が31.5%です。約3人に1人が就職後3年以内に離職しています。
※出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」
若手社員の離職を防ぐためには、若手社員が企業の文化・社風に愛着を持てる環境にすることが大切です。若手社員育成をすると、企業と人材との価値観のすり合わせができるため、若手社員に働く意欲を持たせやすくなります。
また、若手社員がキャリアを思い描けるようにサポートする必要もあります。若手社員がキャリアを明確化できると、自信を持って仕事に打ち込めるようになり、これにより入社後の定着率を向上できるでしょう。
若手社員育成の主な手段
若手社員を育成するためには、若手社員研修やOJT制度などのシステム化された育成制度を導入することがおすすめです。
以下では、若手社員育成の主な手段を4つ紹介します。
OJT制度
OJT(On the Job Training)制度とは、職場で実際に働きながら業務知識やスキルを身につける育成方法です。経験豊富な中堅社員・ベテラン社員が育成担当者となり、計画したプログラムに沿って教育します。
OJT制度は実際の業務を通じて育成するため、業務に必要な知識やスキルを分かりやすく伝えられる点がメリットです。育成者となる先輩社員との人間関係を築くこともでき、若手社員が企業の文化や社風に親しむきっかけを作れます。
ただし、OJT制度の育成効果は、OJT担当者の能力に左右されやすい点に注意してください。OJT担当者の社員自身に十分な業務知識・スキルが備わっていなかったり、指導能力・リーダーシップに問題があったりすると、若手社員の成長を促す効果が低下します。
1on1
1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的なミーティングのことで、1on1ミーティングとも呼ばれます。
1on1は週1回や月1回のペースで実施し、上司は部下の近況や仕事にかかわる悩みなどがないかを尋ねます。部下の悩みや課題を上司が共有し、ともに解決を図ることが1on1の目的です。若手社員育成として1on1を取り入れると、上司は若手社員が仕事で問題を抱えていないかを定期的に確認できます。
1on1の注意点は、直接的に若手を育成する方法ではないことです。若手社員が仕事に課題を感じている場合は、課題を解決できる育成手法を用意する必要があります。また若手社員の中には、上司との定期的なミーティングを負担に感じる方もいます。上司と部下のかかわり方は、1on1以外にもいくつかの選択肢を作ることがおすすめです。
メンター制度
メンター制度とは、先輩社員がメンター(指導者)となって、若手社員の成長をサポートする制度です。OJT制度と似ているものの、メンター制度では一般的に他部署で年が近い先輩社員が指導を担当する点に違いがあります。
メンター制度のメリットは、さまざまなことを相談できる先輩社員の存在によって、若手社員が安心して働きやすくなる点です。メンターは他部署の先輩社員であるため、直属の上司・部下というしがらみがなく、若手社員は自分の悩みや不満を隠すことなく打ち明けられます。
ただし、メンター制度にはメンターとなる先輩社員の業務負荷が高くなる問題点があります。先輩社員が指導に不慣れだと、メンター自身の業務効率が悪化し、指導を受ける若手社員も十分なサポートを受けられない可能性があります。
若手社員研修
若手社員研修とは、若手社員の育成や能力開発を目的として実施する研修です。企業向けの教育サービスを事業としている研修会社・団体が提供しており、システム化されたプログラムに沿って若手社員を育成します。
若手社員研修のメリットは、キャリアデザイン研修やジョブクラフティング研修など、複数の研修から自社に必要なプログラムを選択できることです。研修は専門の講師が担当するため、育成したいポイントを押さえた指導によって高い教育効果を期待できます。
若手社員研修の内容は、研修を実施する団体によって大きく異なります。若手社員研修を活用する際は、具体的な研修内容や実施団体の実績をチェックして、依頼する団体を選びましょう。
若手社員育成を円滑に行うためのポイント
若手社員を育成する際は、若手社員の特徴を理解した上で適切なかかわり方をしていくことが大切です。
若手社員育成を円滑に行うポイントを5つ挙げ、それぞれの実施方法も解説します。
経営理念や行動方針を伝える
若手社員育成では、企業の経営理念や行動方針を伝えることが不可欠です。
企業の経営理念には、企業活動の在り方や経営の目的が示されています。もう1つの行動方針は、経営理念で定めた目的を達成するために、企業が取るべき行動を明文化したものです。
若手社員に経営理念や行動方針を理解してもらうことで、社員一人ひとりが経営理念・行動方針を意識した働き方ができるようになります。社内業務や顧客対応のときに企業の一員としてふさわしい振る舞いができ、組織全体のコンプライアンス向上も期待できるでしょう。
経営理念や行動方針はただ伝えるだけではなく、若手社員が内容を理解して実践できるよう、浸透させることが重要です。行動方針を箇条書きした張り紙をオフィスに掲示したり、経営理念を分かりやすく書いたクレドカードを携帯させたりすれば、経営理念・行動方針の浸透が図れます。
若手社員個人の特性を把握する
若手社員全体の特徴だけではなく、若手社員個人の強みとなる資質や苦手分野などの特性も把握する必要があります。強みを伸ばして弱い部分をサポートすることが、効果的な育成につながります。
若手社員個人の特性を把握するには、日常業務や研修での活動を通して、本人が気づいていない強み・弱みを発見しましょう。発見した強み・弱みは若手社員本人にも伝えて、どのように伸ばしていくかを一緒に考えると、双方が納得できる育成方針を設定できます。
ポジティブなフィードバックをする
若手社員育成の方法として、若手社員が特定の業務を担当したり研修を受けたりした場合、育成を担当する上司や先輩社員は若手社員の行動に対するフィードバックをします。フィードバックの内容はなるべくポジティブなものにしましょう。
そもそも育成におけるフィードバックとは、相手の行動を評価し、改善を促すことです。しかしながら、改善を促すために問題点や改善点だけを指摘すると、若手社員は「失敗を責められている」と感じる可能性があります。
ポジティブなフィードバックをするには、フィードバックの中に褒める内容を入れることがポイントです。正しい行動や判断を褒めることで、若手社員は褒められた内容を成功体験として記憶しつつ、改善点は素直に受け止めてくれます。
具体的な指示を行う
若手育成を担当する上司や先輩社員は、業務内容や研修の活動について、若手社員に具体的な指示をしなければなりません。
曖昧な指示では、若手社員が「何の作業をいつまでにすればよいかが分からない」と迷ってしまいます。フィードバックをするときにも、指示が曖昧では明確な評価を下せません。
具体的な指示をするためには、指示内容についてゴールを明確に提示することが大切です。業務の例であれば「3ページ分の書類を表にまとめて来週の月曜までに提出する」といったように、業務量や日時を設定した指示を出しましょう。
具体的な指示を出せれば、若手社員がゴールに向けて努力できるだけでなく、結果を明確な評価基準で判定できます。
キャリアプランを示す
キャリアプランとは、将来の理想像を実現するための中長期的な計画です。若手社員にキャリアプランを示すことで、若手社員自身が「キャリアプランを実現したい」と考えるようになる効果があります。
キャリアプランを示す際は、キャリアプランの実例となる「ロールモデル」を設定しましょう。ロールモデルは「手本になる人」という意味で、目標のキャリアプランを実現している先輩社員が該当します。
ロールモデルの社員が経験した業務や取得資格、職位の経歴などを説明すると、若手社員がキャリアプランを実現可能な計画と捉え、実現に向けた努力ができます。
若手社員育成におすすめの研修内容
若手社員育成の中でも若手社員研修は、若手社員自身に考える機会や主体的に活動する場を与えることができ、効果的な育成ができる方法です。
若手社員育成におすすめの研修を4つ挙げて、それぞれの研修内容や特徴を紹介します。
キャリアデザイン研修
ジョブクラフティング研修
コミュニケーション研修
タイムマネジメント研修
まとめ
若手社員に早くから戦力となり、長く自社で働いてもらうためには、若手社員の育成に力を入れることが大切です。失敗を恐れ、チームワークを大切にする若手社員の特徴を押さえながら、ポジティブなフィードバックをして成長を促しましょう。
また、若手社員の成長をしっかりと把握するためにも、業務や研修時は具体的な指示を出す他、若手社員が将来についてイメージできるようキャリアプランを示すことも有効です。
若手社員育成には、若手社員研修を取り入れるのも効果的です。若手社員に必要な能力や今後生かせる力を研修で身につけましょう。
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