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創考喜楽

第8回 <秀抜ビジネスマンは知っている片づけノウハウ>
いますぐ紙モノ対策!減量化とファイリングの基本

COLUMN

溜まりやすい紙モノは、いますぐ捨てる

 

 会社の整理で誰もがもっとも手こずる対象、それは書類です。ペーパーレス化が提唱されて久しいですが、職場からはなかなか紙がなくなりません。会議の資料や製品のパンフレットなど、ちょっと油断しているとまたたく間に紙類は溜まっていきます。今回はそんな“紙地獄”から少しでも抜け出すための工夫とアイデアを紹介します。

 

 すぐ溜まってしまう紙類は、とにかく全体の量をなるべく増やさないよう意識することが重要です。増やさないために要・不要の判断を「いま・ここで」行うことを心掛けます。ついつい面倒で「後でいいや!」と先延ばしにしたくなるものですが、後まわしにしたせいで「何の書類なのか」「なぜここにあるのか」など状況を思い出すところからまた始めなくてはならず、実は倍以上の時間が必要になります。

 

 書類の減量化対策として、スキャニングという良案もあります。特に日本製のスキャナーの優秀さには目を見張るものがあります。両面の書類でも、大きさが異なっても、素晴らしいスピードで一気にスキャンしてくれます。いますぐ捨ててしまうのが不安な資料やパンフレット類、会議や講演で自分がメモを書き込んだレジュメなどは、データ化してとっておけばよいのです。

 

 また、整理関連の書籍の先駆けとして一世を風靡した、野口悠紀雄さんの「『超』整理法」でおなじみの「押し出しファイリング」もよい方法です。

 

 ルールはとてもシンプル。ファイルボックスなどに書類を戻すとき、使った書類を必ず右側から
入れていくというルールにすると、古いもの・使用しないものが左側に溜まっていきます。破棄してよいか否かの取捨選択するときに、左側から順に見ていけば判断がとても楽になります。時間軸と使用頻度に基づいて要・不要を判断するという方法です。

 

 余談ですが、これはクローゼットの衣類にも応用できます(=着ていない服は自然に左側に溜まります)。趣味の本やCDにも使えます。

 

 

ファイリングは本来、全社的に行うことに意味がある

 

 ご存知のように「ファイリング」とはファイリングシステムの略であり、仕事に必要な書類や情報をすぐに取り出せるようにする仕組みのことです。ファイリングの目的は求める書類に誰もがすばやくたどり着けるようにすることであり、ひいては仕事の効率を上げるための取り組みです。

 

 ファイリングシステムの効果を最大限に享受するためには、本来は組織全体で仕組み作りに取り組む必要があります。それがトータル・ファイリングシステムの構築であり、その指揮をとるのはファイリング・デザイナーやファイリング・コンサルタントと呼ばれる専門知識と経験を持つ人です。

 ファイリングについて詳しく学びたい方は、(一社)日本経営協会主宰の「ファイリング・デザイナー検定」にトライされることをおすすめします。

 

 

メリット・デメリットを知って、適切なファイリング方法を選ぶ

 

 ここでは個人でも取り入れられるファイリングの方法を紹介します。

 

○バーチカル・ファイリング

 

 バーチカルは「垂直式」という意味であり、書類をフォルダと呼ばれる紙ばさみに差し込んで立てて収納する方法です。バーチカルファイリングの利点は、書類をはさむフォルダが薄いのでスペースを取らない点にあります。前回のオフィスデスクの例でいうと、「③大引出し」で使うイメージです。

 ひとつのフォルダには約70枚の書類をはさみ込むことができます。はさんであるだけで綴じていないため、「捨てたい」と思う書類を見つけたら瞬時に行動に移せることが大きなメリットです。

 

○簿冊(ぼさつ)式ファイリング

 「簿冊式」とは、リングファイルのような留め具のあるファイルを使った、よく見られる収納方法です。持ち運んでも書類が落ちたりしない点はよいのですが、不必要な書類が溜まりやすいのが難点です。

 またファイル自体の厚みのせいで収納量が少なくなったり、少量の書類しか入れていなくても常に一冊分のスペースが必要になったりします。綴じ方や厚みは様々なので、用途に合ったファイルを選ぶことが大切です。

 

 書類整理やファイリングは奥が深いものです。書類の減量化をはかり、業務に合った方法を客観的な視点で見つけてみましょう。欲張らず、できるところから日々の仕事に取り入れ、書類を探す時間をゼロにすることを目指してみてください。

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