オフィスのデスクは職場でのあなたの大切な居場所。日々お世話になっているのに、とりあえず書類やモノをつっこんだりと、いい加減に使っていませんか? 最近はフリーアドレスの会社も増えてきましたが、絶対数はまだまだ少ないようです。オフィスのデスクが片づくと仕事の効率は必ず上がります。今回はオフィスデスクの片づけ方の基本を見ていきましょう。
前回も書きましたが、片づけを円滑に進めるためにはまず不必要なモノを取り除くことが大切です。あなたのデスクの引出しには、妙なモノが入っていたりしませんか? 多過ぎるダブルクリップ、書けない筆記具、鍵穴不明の鍵、閉店した店のポイントカード、食べかけの袋菓子、古そうな胃腸薬、食玩のプチフィギュア、もう会わない人の名刺などなど……。不必要なモノは、気づかぬうちに引出しのあちこちに吹き溜まってしまうのです。加えて、下段の引出しには昔の書類と現在進行中の大事な書類が無造作に投げ込まれ、いつも探すのにひと苦労。そんなイライラ・ライフにはもう終止符を打ちたいですね。
もっとも典型的な形状のオフィス机を例に、まずは基本となる使い方を見てみましょう。右利きの人はデスクの右側にサイドキャビネットを置くことが多いでしょう(机と一体型の場合もあり)。このキャビネットには、たいてい「小引出し」「中引出し」「大引出し」がついています。さて、これら3段には何を入れるとベストなのでしょうか。
①まず一番上の小引出しには使用頻度の高い道具類―――よく使う筆記具や文房具を入れます。高さがないので大きなモノは入りません。書類を書くのに必要なペンや定規、ハサミ・ホッチキス・電卓などを定位置を決めて収納しますが、このとき必ず引出し内を「仕切る」ことが重要です。仕切られていないと開け閉めのたびに中が動いてしまい、モノが定位置に留まってくれません。
ですので、お菓子の小箱や名刺の空き箱、使っていないトレーなどで、空間をぴっちり隙間なく埋めて使いましょう。入れたいモノの形状と使用頻度を考えておおまかに仕切ってから、指定席を決めていけばOKです。手前側に、より使用頻度の高いモノを入れます。
美観を求める方は収納用の大小プラケースをひとそろい購入してもよいのですが、まずは手近なもので“実験”してから買うことをおすすめします。なお、市販の折って使うタイプの「仕切り板」は使い勝手がよくないので推奨しません。
②次はまんなかの「中引出し」です。ここはある程度高さもあるので、もっとも私物を入れてしまいやすいスペースといえます。お菓子や化粧品、趣味のグッズなど、ほぼ私物で埋め尽くされている人も珍しくありません。本来は「小引出し」に入らない高さのある文房具や自分の名刺、資料用DVDなど、ここも仕事に関連するモノをメインに入れる場所です。
とはいえ職場は生活の場でもあるので、常備薬やマスクなど、どうしても置く必要のある私物のみ、スペースを明確に決めて入れてもよいと思います。小腹が空いたとき用のお菓子や乾燥対策ののど飴などは、バッグにしのばせておくのが大人としてスマートでしょう。
ここも「小引出し」同様、空間を仕切ってから使うことをお忘れなく。
③一番の下の「大引出し」は、言わずと知れた書類と資料のためのスペースです。オフィス収納の大原則のひとつ、それは「積まずに立てる」こと。引出しもキャビネットも机の上も、紙モノはすべて立てて置きます。「大引出し」もそのまま使うと書類が ファイルケースを入れて仕切り、立てる収納を心掛けてみましょう。【入れやすく・見つけやすく・取り出しやすいシステム】を作ることで収納が崩れにくくなり、片づけに費やす時間が減少します。
また、書類を入れる前に、「大引出し」に保管すべき書類か、会社のキャビネットなどで共有すべき書類かを検討してから収納することも大切です。
④最後はデスクのすぐ下にある「センター引出し」の使い方です。面積が大きくて薄いこの引出し、あなたは何を入れていますか? 実はここ、本来は何も入れずに空けておくのがよいのです。
「センター引出し」はいわば緊急の避難スペース。書きかけの書類とノートPCを置いて離席しなくてはならないとき、ノー残業デーで即刻退社しなくてはならないときなど、机の上にあるものを丸々入れるための引出しなのです。
「センター引出し」は、「退社時、机の上にあるのは有線電話とデスクトップPCとファイルボックス(=進行中の書類や資料を保管)だけ!」という、そんな理想的な状態を実現するための“秘密のポケット”のようなものだと覚えておいてください。
ここまでオフィスデスクの活用法を駆け足で見てきましたが、あなたは基本通りに使っていたでしょうか? 少々自己流に走っているかも……と自覚したときは、一度定石通りに使ってみてください。
使うモノだけが集約されたデスクが仕事の効率アップにどれほど寄与してくれるかを、すぐに実感できることでしょう。会社における限られた自分の占有スペースを最大限に活用するスキルも、秀抜でスマートなビジネスマンに求められる条件のひとつではないでしょうか。