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仕事がデキる人のビジネス文書術。AIも活用する効率的な書き方

メール文書を考える男性ビジネスマン

ビジネス文書は、企業活動に欠かせないコミュニケーション手段です。社内外で日々やり取りされる文書には、業務を円滑に進めるものから信頼関係を築くものまで多様な役割があります。

当記事では、代表的な3種類の文書の特徴や書き方の基本ルールを整理し、AIを活用した効率的な文書作成の方法についても解説します。文書の種類や基本ルールを理解せずに作成すると、誤解や信頼の損失につながる恐れがあるため注意が必要です。正確で分かりやすい文書作成力を養いたい方は、ぜひ参考にしてください。

ビジネス文書の3つの種類

ビジネス文書を作成するビジネスマン

ビジネス文書には大きく分けて「社内文書」「社外文書」「社交文書」の3種類があります。これらの違いを理解しておくことで、目的に合った書き方や形式を選択しやすくなります。それぞれの文書の特徴は下記です。

社内文書
社内の従業員に向けて作成する文書です。業務を円滑に進めるために必要な情報を共有する役割があり、簡潔さと正確さが求められます。一般的な例としては、報告書、議事録、稟議書、申請書、提案書、通達などがあります。挨拶文などの形式的な要素は省略されることが多く、必要な情報を的確に伝えることが重視されます。
社外文書
取引先や顧客など社外の相手に向けて作成する文書です。自社の信頼や評価に直結するため、丁寧で礼儀正しい表現が不可欠です。代表的なものには、請求書、注文書、依頼書、見積書、督促状、照会状、確認状などが挙げられます。文面の形式や敬語の正確さが重要となり、しっかりとビジネスマナーを守る必要があります。
社交文書
業務そのものに直接関係しないものの、社外との信頼関係を築く目的で用いられる文書です。感謝や祝意、見舞いなどを伝えるための文書であり、人間関係を円滑にする役割を担います。具体的には、あいさつ状、お礼状、招待状、見舞状、紹介状、年賀状などが代表的です。業務に直結しない分、相手に心情が伝わる丁寧な表現が大切です。

ビジネス文書は目的と相手によって種類が明確に分かれており、それぞれに適した形式と書き方が求められる点に注意しましょう。

ビジネス文書の基本ルール

「5W2H」と書かれた黒板

ビジネス文書は、限られた時間で相手に要点を理解してもらうことを目的としています。そのためには、誰に・何を・いつまでに・どうしてほしいのかを明確に示すことが大切です。結論を先に書き、簡潔な文章で整理すること、そして正しい敬語や箇条書きを適切に使うことが基本ルールです。

ここからは、読み手が迷わず理解できる文書を作るためのポイントを具体的に確認します。

5W2Hを意識する

文書に必要な情報を漏れなく伝えるために役立つのが「5W2H」です。When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくら)をそろえることで、読み手は内容を正確に把握できます。

たとえば会議案内の場合は下記のように記載すると、抜けがなく分かりやすい案内になります。

【例文】
開催日時は5月14日10時、場所は第三会議室、参加者は営業部全員です。

要素を1文ずつ整理して書くことで、長文にならず読みやすさも確保できます。

文章は簡潔にする

伝えたいことを正しく届けるには、無駄を省いた簡潔な文章が基本です。1文は60字程度を目安にすると、内容が埋もれず読みやすくなります。冗長な副詞や重複表現は避け、事実や数字を中心に構成しましょう。

たとえば依頼をする場合、下記のように明確・簡潔になるよう意識すると、期限と手段が明確に伝わります。

【例文】
見積書を5月20日までにメールで提出してください。

もし、「できるだけ早めに見積書を送っていただければ助かります」と書いてしまうと、曖昧で解釈の違いが生まれやすくなります。具体的な条件を盛り込むことが分かりやすさにつながります。

結論ファーストで書く

ビジネス文書では、最初に結論を示し、その後に理由や背景を添えるのが効果的です。冒頭で用件を示すことで、読み手は自分に関係があるかをすぐに判断できます。

【例文】
来週の販促会議は5月14日10時に実施します。議題は新企画の予算です。

上記のように、最初に重要事項を書き、その後に開催背景を説明すると流れが明確になります。メールであれば件名に「【要返信5月15日】見積書送付のお願い」と入れておくと、結論と期限が一目で分かり、見落としを防げます。

正しい敬語を使う

敬語は、相手に敬意を示すために欠かせない要素です。誤用は相手に不快感を与え、自社の評価を下げかねないため、尊敬語・謙譲語・丁寧語を正しく使い分けましょう。

たとえば取引先に資料を送る場合、「資料をご査収ください。ご不明点は担当の田中が承ります」と書くのが正しい表現です。これを「資料をご拝受ください」や「了解しました」といった誤った敬語で記載すると、失礼な印象になります。送信前に敬語表現を見直すことを習慣にしましょう。

箇条書きを活用する

複数の情報を伝える際は、文章で並べるよりも箇条書きを使ったほうが明確に伝わります。項目ごとに整理されることで、読み手は必要な情報を素早く確認できます。

たとえば納品条件を示す場合は、次のように箇条書きでまとめると分かりやすくなります。

【例文】
・納期:5月31日
・数量:200個
・納品方法:宅配便指定

箇条書きを使うと、文章で列挙するよりも誤解が生じにくく、読み手の負担も軽減されます。特に日程や金額などの重要情報は箇条書きで整理すると効果的です。

社内文書・社外文書・社交文書の例文・形式の違い

社外文書のフォーマット

ビジネス文書は、対象や目的によって形式や構成が異なります。社内文書は簡潔さと正確さが重視され、社外文書は礼儀正しい表現が求められます。社交文書は感謝や祝意を伝えるため、温かみのある文体が用いられます。

ここでは、それぞれの例文を挙げながら、形式の違いを分かりやすく解説します。

社外文書

社外文書は、取引先や顧客など社外の相手に送るもので、礼儀正しさと分かりやすさの両立が欠かせません。以下は、新規顧客へのアポイントを依頼するメールの例文です。

【例文:新規顧客へのアポ取りメール】
件名:弊社サービス〇〇ご紹介について商談のお願い/株式会社〇〇・営業部 〇〇

株式会社〇〇
営業部 部長 〇〇様

突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇・営業部の〇〇と申します。

弊社では〇〇業界向けに〇〇サービスを展開しております。貴社のホームページを拝見し、弊社のサービスがお役に立てるのではないかと考え、ご連絡申し上げました。

つきましては、ぜひ直接お会いしてご説明したく、下記日程でご都合のよろしいお時間をいただけないでしょうか。

<訪問候補日時>
・〇月〇日(〇) 〇:〇〇~〇:〇〇
・〇月〇日(〇) 〇:〇〇~〇:〇〇
・〇月〇日(〇) 〇:〇〇~〇:〇〇

上記以外でもご都合の良い日時をご提示いただければ幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

===署名=====

社外文書では「件名」「宛名」「自己紹介」「連絡の目的」「依頼内容」「候補日時」「結び」「署名」といった構成が基本です。特に注意すべきは、冒頭の自己紹介と依頼の理由を明確にする点です。相手にとって初めて受け取るメールの場合、送り手が誰で、なぜ連絡したのかを示さなければ、迷惑メールと区別がつきません。

また、本文では「突然のご連絡失礼いたします」「お忙しいところ恐れ入りますが」といった丁寧な表現を加えることで、礼儀正しい印象を与えられます。

社外文書は社内文書に比べて格式が重視され、誤字脱字や敬語の誤用は信頼性を損ねる大きな要因です。送付前には必ず確認を行い、必要に応じて上司や同僚にチェックを依頼しましょう。

社内文書

社内文書は、従業員同士で情報を共有するために用いられる文書であり、簡潔さと正確さが重視されます。社外文書のような頭語や時候の挨拶は不要で、要件を端的に伝えることが基本です。

【例文:議事録】
令和〇年5月21日
出席者各位
営業部 第一課 〇〇

新製品の販促計画について

下記の通りご報告します。



1.日時:5月20日 14時00分~15時30分
2.場所:第1会議室
3.出席者:マーケティング部全員
4.要旨:
・最近のユーザー動向の概要
・新製品および開始するキャンペーンの説明
・マーケティング部長からの要望
5.決定事項:
・部長からの要望をもとにキャンペーン計画を再作成する。
・キャンペーン計画は5月30日を最終案としてまとめる。
6.次回会議日程:6月10日 10時~11時/第1会議室(出席者は今回と同じ)
(文責:〇〇)

以上

社内文書では「件名」「日時」「場所」「出席者」「要旨」「決定事項」「次回予定」といった情報を明確に整理して記載します。特に議事録は、一読しただけで会議の概要や決定事項が分かることが大切です。そのため、要点は番号や箇条書きを使って視覚的に整理します。

形式面では、社外文書と異なり「拝啓」「敬具」といった頭語・結語や時候の挨拶は不要です。敬語も「報告いたします」ではなく「報告します」といった簡潔な表現が適しています。内容をすぐに把握できることが優先されるため、読みやすさと実用性を重視する点が社内文書の大きな特徴です。

社交文書

社交文書は、取引そのものに直結しないものの、信頼関係を深めるために送られる挨拶状や礼状などです。時候の挨拶や感謝の言葉を丁寧に盛り込み、形式を整えることが求められます。

【例文:新年の挨拶状】
件名:新年のご挨拶【株式会社〇〇 営業部 ××】

株式会社△△
総務部 部長 □□様

謹啓 新春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。旧年中は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

本年も一層のサービス向上に努め、皆様のお役に立てるよう社員一同精進いたす所存です。何とぞ変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

なお、新年は1月4日より通常営業を開始いたします。ご用命がございましたらお気軽にご連絡ください。

敬具

令和〇年1月吉日
株式会社〇〇
営業部 課長 ××

社交文書では「頭語(拝啓・謹啓)」「時候の挨拶」「日頃の感謝」「本題」「末文」「結語(敬具)」という流れが基本です。特に時候の挨拶は季節感を表す決まり文句を用いるのが特徴であり、「新春の候」「盛夏の候」など、時期に応じた適切な表現を選びます。

また、社外文書と同様に宛名や敬称を正確に記載することも重要ですが、社交文書では「業務連絡」よりも「礼儀や人間関係」を重んじる点に違いがあります。仕事の成果や取引内容を盛り込むのではなく、挨拶や感謝を丁寧に伝えることが優先される点に注意しましょう。形式を整えることで、相手に誠意を示し、信頼関係をより強固に築けます。

AIを使ったビジネス文書作成の方法

AIと書かれた紙と虫眼鏡、ノートパソコン

AIを使えば下書き作成や表現の言い換えが短時間で行えます。ただし、仕上がりは指示文(プロンプト)の質に左右されます。ここでは、文書作成でうまくAIを活用するための手順と、書き方のコツを解説します。

誰に・何のために・どの立場から書くのか伝える

最初に「書き手の役割」「読者」「目的」を明示すると、AIは文体や情報量を適切に調整します。肩書や状況、連絡手段まで指定すると精度が上がります。想定読者の知識レベルや禁則事項も添えると、言い回しの過不足を防げます。

【プロンプト例】
あなたはベテランのセールスパーソンです。新規顧客に送る新年の挨拶文を作成します。読者は部長職、形式はビジネスメール、敬語は丁寧語、300字前後、社名・氏名は空欄のままにしてください。
避ける表現:カジュアルな口語。

はじめに立場と目的を固定することで、以降の条件指定や修正依頼が通りやすくなります。

具体的な条件を記載する

抽象的な依頼は汎用的な出力につながります。期限、分量、口調、必須項目、禁止語、差し替え用のダミー表記など、評価軸になる条件を事前に列挙します。数値や固有名詞、期日などの確定情報は半角数字で明示し、優先順位が高い順に並べます。

【プロンプト例】
目的:取引後のお礼メール
文字数:250~300字
口調:丁寧で簡潔
必須:案件名、次回提案日、担当連絡先
禁止:二重敬語
期日:5月20日
出力形式:件名/本文/署名。

評価基準を先に示すと、修正時も差分指示が容易になり、再生成の効率が向上します。

マークダウン記法で指示をまとめる

条件が多い場合はMarkdownで構造化すると読み違いが減ります。見出しで目的を示し、箇条書きで制約を整理し、表で可変項目を管理します。コードブロックでテンプレートを囲むと、体裁の崩れも防げます。

【プロンプト例】
# 目的
新規顧客向け挨拶メール(下書き)

## 条件
– 文字数:250~300字
– 口調:丁寧・簡潔
– 必須:案件名/期日/担当
– 禁止:二重敬語

## 可変項目(表)
|項目|値|
|案件名|〇〇|
|期日|5月20日|
|担当|営業部 山田|

## 出力形式
件名/本文/署名

構造を固定すると、差し替えや流用が簡単に行え、チーム内の再現性も高まります。

出力された文章を調整する

AIが生成した文章は、そのまま利用できることもありますが、多くの場合は手直しが必要です。まず確認すべきは、事実関係の正確さです。日付や金額、固有名詞などに誤りがないか、必ず確認しましょう。次に文体や語尾の統一を行い、社内規定や社外文書のマナーに合わせて整えます。

また、AIは冗長な表現や曖昧な言い回しを含むことがあります。そのため、重要な情報を前に出し、不要な修飾語は削除して簡潔にまとめると、読みやすさが向上します。最後に全体を読み返し、「読み手が短時間で要点を理解できるか」という視点で見直しましょう。AIの出力をたたき台として、自分の目で校正を行うことで、完成度の高いビジネス文書を仕上げられます。

アイ・イーシーの研修でビジネス文書の書き方を学ぼう

ビジネス文書は独学だけでは習得が難しく、実践的なトレーニングが欠かせません。

アイ・イーシーが提供する「わかりやすく書く力研修」は、若手から中堅社員を対象に、文章力と文書力の両方を鍛える研修です。顛末書や議事録、報告書といった実務に直結する演習を多く取り入れているため、学んだ知識をすぐに業務へ生かせます。3時間から1日で体系的に学べる内容で、基礎から応用まで段階的に身につけられるのも特徴です。

正しいビジネス文書を書く力を身につけたい方は、ぜひ研修の受講を検討しましょう。

『トレーニングを重ねて習得する わかりやすく書く力研修』について詳しくはこちら

まとめ

ビジネス文書は、社内文書・社外文書・社交文書の3種類に大別され、それぞれに応じた形式と表現が求められます。共通する基本は、要点を簡潔に伝え、正しい敬語や箇条書きを活用して相手が理解しやすい形に整えることです。

また、ビジネス文書はAIを活用することで下書きや表現の調整を効率化でき、品質とスピードを両立できます。ただし、最終的な事実確認や文体の統一はAIに頼るのではなく、自ら行う姿勢が不可欠です。

ビジネス文書を作成するための適切なルールを身につければ、社内外の信頼を高める効果的なコミュニケーションが可能となります。研修や実践を通じて継続的にスキルを磨くことで、ビジネスパーソンとしてさらなる活躍を目指せるでしょう。

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