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学生が参加したいと思うインターンシップの内容は?開催メリットも解説

インターンシップは、学生が社会で求められるスキルや働き方を体験できる貴重な機会です。活動内容は1日完結型のプログラムから数か月にわたる実務体験まで幅広く、参加する学生や企業の目的によって異なります。
企業にとっても、インターンシップは早期の人材発見や離職率の低下、企業ブランディングなど、多くのメリットをもたらします。ただし、効果的なインターンシップを実施するためには、学生のニーズを踏まえた内容設計や適切な目的の明確化が欠かせません。当記事では、インターンシップの基本的な特徴から具体的な事例、新制度の変化までを詳しく解説します。
インターンシップとは?

インターンシップとは、学生が企業で実際に働きながら職業体験を行う制度です。この制度はもともとアメリカで始まりましたが、現在では日本でも近年多くの企業が採用しています。学生が将来のキャリアを具体的に考える機会を提供し、企業の実際の業務や働く環境を理解するための貴重な体験です。
インターンシップはアルバイトとは異なります。アルバイトは基本的に労働の対価として金銭を得ることを目的としていますが、インターンシップは職業体験を通じて仕事や社会について学ぶことが目的です。そのため、インターンシップでは報酬が発生しないケースもあります。活動内容は短期的なグループワークや社員同行、長期的に実際の業務を行うものなど幅広く、学生の学びや企業がインターンを実施する目的によって異なります。
学生のインターンシップへの参加率
2024年度の調査によると、学生の76.1%がインターンシップに参加しています。さらに、複数回参加している学生は67.0%に達しており、インターンシップは多くの学生にとって一般的な活動になりました。また、インターンシップの期間については、34.6%の学生が5日以上のインターンシップを経験していました。うち、日数の割合で最も多い25.5%を占めるのが5~10日のインターンシップであり、学生のインターンは2022年以降長期化する傾向があると言えます。学生の5割以上は、大学3年生の7月からインターンシップへの参加を始めています。
※出典:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査報告書」
マイナビの調査では、インターンシップに参加する学生の割合は、2025年卒の大学生の場合91.4%に達しています。さらに、2026年卒の学生は2024年4月時点で25年学生の前年同月時点のインターンシップ参加割合を上回っていることから、就活準備期間の活動が活発化している状況です。加えて、大学の1~2年時にキャリア形成活動に参加したことのある学生は47.2%と、前年より4.5ポイント増加しています。したがって、学生が早期からインターンシップを希望する傾向はより高まっていると言えるでしょう。
※出典:株式会社マイナビ「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(4月)」
学生のインターンシップ参加目的はさまざまですが、基本は職業理解や自己適性の確認です。大学の長期休暇に合わせての参加が多いものの、学年や参加するプログラムによっては平日の授業が少ない時期に参加する学生も少なくありません。
企業がインターンシップを開催するメリット
インターンシップの開催によって、企業の得られる主なメリットは以下の4つです。
・早期離職を防げる インターンシップを通じて学生が企業の業務内容や職場環境を理解すれば、就職後のミスマッチを減らせます。離職率の低下が期待できるのは、大きなメリットです。 ・企業の魅力を伝えられる 説明会や採用サイトでは伝えきれない企業の実際の魅力を、職業体験を通じて学生に伝えられるので、志望度の向上や応募者数の増加が期待できます。 ・優秀な学生と出会える 新卒採用活動の解禁日よりも早く、意欲的で能力の高い学生を早期に発見できる点もメリットです。通常の採用試験だけでは見抜けない、学生の実務能力や人間性を直接確認する機会となり、採用の質を向上させられます。 ・若手社員を育成できる 学生に業務内容を指導する若手社員にとっても、インターンシップは自己啓発やリーダーシップの向上の機会です。指導を通じて自らの業務内容を再確認し、スキルアップを図れます。 |
インターンシップは、企業のブランディングや採用活動の一環として重要な役割を果たします。実施に当たっては、参加する学生にとっても意義ある内容となるよう、目的やターゲットを明確にすることが大切です。
さまざまなインターンシップの内容

インターンシップにはさまざまな種類があり、目的や形式によって特徴が異なります。自社に合ったインターンシップを選ぶためにも、それぞれの違いを把握しておきましょう。
以下では、開催日数・時期・形式に分けて特徴を解説します。
開催日数による違い
インターンシップは、開催日数によって主に1dayインターン、短期インターン、長期インターンの3つに分けられます。
1dayインターン |
1dayインターンシップは、1日限りで実施されるプログラムです。主に座談会や職場見学、ワークショップ形式で行われ、学生が企業の雰囲気や業務内容を手軽に体験できる機会となります。企業側は広く多くの学生と接点を持つことができ、参加者にとっても多くの企業を短期間で比較できる点がメリットです。ただし、実務的な体験はほとんど含まれないため、企業や業務の深い理解には向いていません。 |
短期インターン |
短期インターンシップは、1日から2週間程度の期間で実施されます。内容はグループワークや企業説明会、簡単な業務体験などが一般的で、学生にとっては学業やほかの活動と両立しやすい点が魅力です。企業側には、限られた時間内で自社の魅力を伝える工夫が求められますが、参加者が企業理解を深める貴重な機会を提供できます。 |
長期インターン |
長期インターンシップは、数か月以上の期間をかけて実施されるプログラムです。学生は実際の業務に深く関わりながら企業文化や職場環境を体験できます。企業側にとっては、学生のスキルや適性を見極める機会となり、採用活動にも直結しやすいのがメリットです。ただし、現場の社員の負担も大きく、学生は学業との両立やスケジュール管理が大変になってしまいます。 |
開催時期による違い
インターンシップ開催時期は主に夏(サマーインターン)と冬(ウィンターインターン)に分けられ、それぞれ目的や内容が異なります。
サマーインターン |
夏のインターンシップは、学生の夏休み期間に合わせて実施されるため、1週間以上の中長期プログラムが多い傾向にあります。主な目的は業界や企業の理解を深めることと、学生の長期的なキャリア形成を支援することです。ある程度志望する業界や企業が絞れている学生も多いため、実務的な体験を提供し、参加学生との関係構築を目指す企業が少なくありません。 |
ウィンターインターン |
冬のインターンシップは、学生の冬休み期間を利用した実施が一般的です。夏に比べて短期間のプログラムが中心で、1dayや数日間のインターンも多く見られます。冬は新卒採用選考活動と直結する場合が多く、学生が本格的に就職活動を意識する時期と重なるため、企業側も採用目的を強く意識した内容を提供する点が特徴です。 |
開催形式による違い
インターンシップはその形式によっても特徴が異なります。主な形式は、セミナー形式・課題形式・就業形式の3つです。
セミナー形式 |
セミナー形式のインターンシップは、主に企業説明や業界研究を目的として実施されます。短期間で多くの学生に企業の魅力を伝えられ、母集団形成に効果的です。ただし、内容が限定的となり、学生が具体的な業務内容を深く理解するには不十分な場合もあります。 |
課題形式 |
課題形式のインターンシップは、新規事業や商品開発などのテーマが設定され、学生がグループで議論しながら解決策を提案し合う形式です。短期から中期のプログラムが一般的で、学生には実践的なスキルを学ぶ機会となり、モチベーションや実力の向上も図れます。企業側にとっては、学生のスキルや適性を見極める場として有用です。 |
就業形式 |
就業形式のインターンシップは、実際の業務に従事する長期プログラムが中心です。学生は企業の一員として実務を経験し、企業側も将来の採用を見据えた人材育成を行えます。就業形式では、学生と企業の双方にとってミスマッチのリスクを減らす効果がありますが、準備やサポートに多くのリソースが必要です。 |
2025年卒以降のインターンシップの変化

2025年卒業予定者から適用される新たなインターンシップ制度では、学生のキャリア形成支援を目的として、インターンシップが4つのタイプに分類されます。
タイプ1:オープン・カンパニー |
企業や業界に関する情報提供やPRを目的としたプログラムです。1日で完結し、就業体験を含みません。学年に制限がなく、オンライン開催も可能なため、多くの学生が気軽に参加できます。 |
タイプ2:キャリア教育 |
就労への理解を深めるための教育プログラムで、大学が主導する授業や産学協働の取り組みが含まれます。年次不問で、就業体験の有無は任意です。 |
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ |
就業体験を必須とするプログラムです。汎用的能力は5日以上、専門活用型は2週間以上の実施期間が必須で、参加日数の半分以上を就業体験に充てなければなりません。大学3年生~修士2年生が主な対象です。 |
タイプ4:高度専門型インターンシップ |
博士課程など高度な専門性を持つ学生向けのインターンシップです。現在は試行段階にあり、厳格な要件のもとジョブ型研究インターンシップなどが実施されています。 |
新制度の目的は、学生のキャリア形成支援の質を向上させ、企業と学生のマッチングを促進することです。そのため、タイプ1と2は採用には活用できず、インターンシップとも称せなくなりました。一方、就業体験が必須となる、タイプ3と4は採用への活用が可能です。
2025年卒以降のインターンシップ制度は、学生と企業の双方にとって明確で透明性の高い仕組みとなることが期待されています。
学生に人気のインターンシップ事例4つ

インターンシップ企画の際は、学生側のニーズの理解が重要です。効果的なインターンシッププログラム内容を用意するのであれば、就活生に支持された成功例を参考にするとよいでしょう。
以下では、2024年に開催された中でも人気の高い企業事例を4つ紹介します。
株式会社アイシン
自動車部品の開発を行う株式会社アイシンは、理系学生に人気の高いインターンシップを実施しました。募集対象は主にソフトウェア技術者を目指す学生です。
対面形式で5日間行われ、実際の職場でのソフトウェア開発業務を体験できる点が特徴です。分野ごとにコースが用意されており、自動運転のAI技術や車載サイバーセキュリティなど、先端技術を学べる内容がそろっています。参加者は開発者と直接交流しながら業務を進めることで、ソフトウェア技術者としてのリアルな仕事を体感できました。
早期選考に参加できたり、実務経験を基にした志望理由を作成できたりするため、本選考にも有利になると考える学生が多く、評価の高いインターンの1つです。
キリンホールディングス株式会社
キリンホールディングスは、事務職コースとデジタルICT戦略コースの2つのインターンシッププログラム企画を実施し、多様な分野の学生を受け入れました。
事務職コースは、ビジネスモデルや人事業務に関する講義を受けた後、グループディスカッションや現場見学を通じて、実践的な課題に取り組む内容です。一方、デジタルICT戦略コースでは、クラフトビールの認知度向上に関する課題をテーマに、プレゼンテーションを行うなど、実際のビジネス課題に挑む内容でした。
いずれも、懇親会や現場でのディスカッションを通じて企業のリアルな姿を知ることができたとして、参加者に好評です。
パナソニックホールディングス株式会社
パナソニックホールディングスのインターンシップは、日本最大規模のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)プログラムを提供しました。理系・文系を問わず幅広い学生を対象に550以上のテーマが用意されており、興味や専攻に合わせた選択が可能です。
OJTインターンシップでは、実際の職場で社員とともに働きながら、電子材料の製品開発や営業、工場などでリアルな業務体験を行いました。クリエイティブOJTで提供されたのは、プロのデザイナーから直接指導を受け、専門スキルを向上させられる内容です。
早期選考に案内される参加者も多い上に実績が評価対象になる点も、学生からの支持につながりました。
KPMG税理士法人
KPMG税理士法人では、TAXコンサルタントを目指す学生が対象のインターンシップを開催しました。税務コンサルティングを通じて、企業経営の本質を体感できるプログラムです。参加者は、社員との交流やフィードバックを通じて、論理的思考力やプレゼンテーションスキルを高められます。
プログラムは2日間または1週間の形式です。2日間のコースでは、税務戦略やタックスプランニングの基本を学び、グループワークで実践的な議論に取り組みました。1週間のコースは、移転価格サービス部門でのケーススタディを体験し、実際の業務に近い内容を経験できる内容です。
インターンシップ参加者は、早期選考の案内を受けられた点や、キャリアの方向性を具体化しやすくなった点を高く評価しています。
インターンシップの内容の決め方

インターンシップの成功には、内容の設計が重要です。学生にとって有益でありつつ、企業が目的を達成できるプログラムを設計すれば、双方が価値のある時間を共有できるでしょう。以下では、インターンシップ内容を決める際に考慮すべき4つのポイントを解説します。
何を伝えたいかを明確にする
まず、インターンシップで学生にどのような情報を伝えたいかを明確にすることが重要です。たとえば、業界全体の理解を深めてもらうのか、自社の企業文化や特定の仕事内容について知ってもらいたいのかで、プログラムの設計が異なります。
業界理解を目的とする場合、業界のトレンドや特徴を説明するセミナー形式が適しています。一方、企業文化や仕事の具体的な内容を伝えたい場合は、実務体験や社員との座談会を取り入れると効果的です。明確な目標設定がなければ、学生の関心を引きつけにくくなるため、初めに何を伝えるべきかをしっかり検討しましょう。
ターゲットを明確にする
インターンシップの設計において、どのような学生を対象にするかを明確にするのも欠かせません。対象とする学生の学年・専攻・興味関心によってプログラム内容を調整する必要があります。
一般的に、低学年の学生には業界や企業について広く知ってもらえる短期的なプログラムが効果的です。たとえば、1日完結型の企業説明や簡単なワークショップが挙げられます。一方、高学年や専門性の高い分野を学ぶ学生には、より実務に近い仕事体験を提供する長期インターンシップが有効です。対象学生の特徴に応じた内容を設計すれば、プログラムの魅力を高められます。
採用の課題を洗い出す
インターンシップを実施する目的を明確にし、採用課題を反映した内容を設計することが大切です。たとえば、知名度の向上が目的であれば、多くの学生が参加しやすい短期のインターンシップが適しています。一方で、入社後のミスマッチを防ぐためには、仕事内容や職場環境をリアルに体験できる長期プログラムが有効です。
企業の採用ブランドを強化する目的なら、ユニークな企画を取り入れてみてもよいでしょう。新規事業の立案や課題解決型のワークショップなど、話題性のあるコンテンツで学生の関心を引くのも大切です。採用課題に基づいた設計は、効果的なインターンシップを実現するための基盤となります。
企業の魅力を考える
インターンシップを通じて、企業の魅力をしっかりと伝えるのも重要です。学生に企業の強みや独自性を理解してもらえれば、採用活動への橋渡しがスムーズになります。
たとえば、企業の事業内容や社会的意義を伝える場合は、講義形式やプロジェクト型ワークを取り入れると効果的です。また、企業文化や働きやすさをアピールしたい場合は、先輩社員との座談会や職場見学を企画するのもおすすめです。これにより、学生は企業での働き方や雰囲気をリアルに感じ取れます。
インターンシップの満足度が向上すれば、企業への印象も上がります。企業の魅力を伝える際は、ターゲット学生が興味を持ちそうな情報を選び出し、分かりやすく伝える工夫をしましょう。
まとめ
インターンシップは、学生と企業双方にとって、キャリア形成や採用活動を促進する重要な制度です。2025年卒業予定者から新制度が導入されることで、インターンシップの形式や目的がより明確化され、学生と企業のマッチングの精度が高まることが期待されています。
インターンシップを効果的に活用するためには、学生は自身のキャリア目標を明確にし、企業はプログラムの内容や目的を適切に設計することが大切です。インターンシップを最大限に活用し、優秀な人材を採用しましょう。
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