現在の自分を意識するマインドフルネスとは?メリットや身に付け方を紹介

マインドフルネス

ストレス軽減や集中力の向上につながる手法に「マインドフルネス」があります。マインドフルネスを企業として導入しているケースも見られており、実際に良い効果があったという結果も出ています。

当記事では、マインドフルネスとは何か、メリットややり方、導入事例について詳しく解説します。メリットが複数ある手法ではありますが、場合によっては体調不良を起こす可能性もあるので、自分の心の状態を確認しながらマインドフルネスを実践しましょう。

マインドフルネスとは?

過去・現在・未来

マインドフルネスとは、意識的に現在の瞬間に注意を向け、ネガティブな感情から心を離すことを指します。心理学的治療の一種であり、「マインドフルネスストレス低減法」とも言います。

マインドフルネスでは、評価や判断を手放してただ「観る」ことが大きな特徴です。「観る」とは、見る・聞くといった五感から得られる情報と、それに伴う心の動きを指します。日々の心配事や不安、他人からの評価など、つい脳裏に浮かんでストレスを生む情報は少なくありません。マインドフルネスの実践によって雑念を消し、「今」だけに集中できる精神状態を作れれば、さまざまなメリットが期待できます。

マインドフルネスはうつや不安症といった医学的な治療効果だけではなく、健康な人の日常生活の質を向上させるのにも役立つものです。ストレスや情報が多い今の社会においては、心の健康を高めるための手法の1つとして注目されています。

マインドフルネスを実践するメリット

マインドフルネスを身に付けることによって期待できるメリットは主に以下の通りです。

・ストレスを軽減できる
多くの心理的ストレスは、過去や未来の出来事に対して発生します。マインドフルネスによって現在に集中し、過去や未来に意識を向ける時間が減れば、ストレス軽減が期待できるでしょう。

・集中力や記憶力が向上する
マインドフルネスの最中は、集中力を発揮している状態と似ています。雑念を払い、今に集中するスキルを身に付けることで、集中力アップや記憶力の向上が期待できます。

・プレッシャーに強くなる
マインドフルネスは、過去の失敗や未来への不安に気を取られなくなるのが大きなメリットです。挑戦や本番に対するネガティブな気持ちが軽減するため、プレッシャーに強くなるでしょう。

・睡眠の質が上がる
マインドフルネスによってストレスが減少すれば心身ともにリラックスできるようになり、睡眠の質の向上が期待できます。

マインドフルネスのやり方

公園でヨガをする模様

マインドフルネスのやり方としておすすめなのは、呼吸に意識を向ける方法です。マインドフルネス呼吸法について、ステップやポイントを詳しく解説します。

(1)姿勢を整える背筋を伸ばし、楽な姿勢で座ります。座る場所は床でも椅子でも構いません。左右の坐骨に体重を均等に乗せ、骨盤を安定させるのがポイントです。手は楽な位置に乗せ、目は閉じるか、薄く開いて斜め下を見ましょう。
(2)呼吸を意識する自分の呼吸を観察します。呼吸は無理にコントロールする必要はありません。お腹や胸が膨らんだり縮んだりする感覚を意識しながら、身体の欲求に従って自然に呼吸を行い、吐く息と吸う息を丁寧に感じましょう。
(3)雑念が浮かんだら意識を呼吸に戻すしばらく呼吸を続けると、思考や感情といった雑念がわいてくるのが一般的です。マインドフルネスの最中に雑念が浮かんでも問題ありません。「○○のことを考えている」のように、浮かんだ雑念を素直に受け入れましょう。その後、そっと意識を呼吸に戻してください。

マインドフルネスの呼吸法は、数分から10分程度続けるのがおすすめです。マインドフルネスの呼吸法はどこでも実践できますが、慣れないうちは自分だけの落ち着ける空間で行うとよいでしょう。

マインドフルネスを実践する際の注意点

注意事項

マインドフルネスにはさまざまなよい効果が期待できるものの、なかなかうまくできないケースも少なくありません。また、そもそもマインドフルネスを避けたほうがよい人もいます。

マインドフルネスをするときの注意点について解説するので、マインドフルネスを習慣にする前にチェックしておきましょう。

短い時間でも続ける

マインドフルネスを身に付けるためには、短い時間でも毎日続けることが大切です。マインドフルネスは必ずしも長時間取り組む必要はなく、最初は数十秒から1分程度でも問題ありません。毎日コツコツ続けて習慣化することが、マインドフルネスの効果の獲得につながります。

慣れないうちは、シャワーの最中など、毎日決まった場所や時間にマインドフルネスを行うのがおすすめです。また、マインドフルネスを身につける目的を明確にするのも継続のコツと言えます。マインドフルネスをうまく習慣にできれば、自分の好きなタイミングで頭をスッキリさせたり、感情をコントロールしやすくなったりするでしょう。

不安や気持ち悪さを感じたらすぐにやめる

マインドフルネスに慣れていない人は、不安感や体調不良を感じる場合もあるため注意しましょう。マインドフルネスでは、ネガティブな感情もありのまま受け入れます。しかし、心に余裕がないとネガティブな心理状態を受け止め切れず、かえって不安感を悪化させる可能性があります。

今まで意識の底に沈めていた負の感情が、マインドフルネスをきっかけに浮き上がってくるケースもゼロではありません。マインドフルネスに取り組む中で不安や気持ち悪さを感じた場合、無理をせずにやめることが大切です。

精神疾患を抱えている人は医師の指示を受ける

マインドフルネスは多くの人にとって危険のないものですが、精神疾患やトラウマを抱えている人は、マインドフルネスによって症状の悪化やフラッシュバックを引き起こす可能性があります。

精神疾患を抱えている人は必ず医師に相談し、許可を得た上でマインドフルネスに取り組みましょう。精神疾患の疑いがある人も、自己判断でマインドフルネスに取り組む前に、まずは医療機関を受診してください。

マインドフルネスを企業が実践した事例

キャンドルで瞑想

マインドフルネスによって得られるさまざまなメリットは、仕事における生産性の向上にもつながります。GoogleやYahoo!をはじめ、研修プログラムにマインドフルネスを取り入れる企業も増加傾向です。Sansan株式会社でも生産性アップのためにマインドフルネス研修を導入しており、参加者の多くがよい効果を実感したと言われています。

マインドフルネスへの取り組み方や実践者は、企業によってさまざまです。例えばGoogleでは、あくまで自主的に参加するプログラムとされており、業務時間内に1日30分〜1時間を瞑想にあてることが許可されています。また、Sansan株式会社ではマネージャーを対象に、座学でマインドフルネスの基礎からしっかりと学んで実践する研修を行っています。

マインドフルネスを導入するには?

マインドフルネスについて学ぶマインドフルネス研修では、以下のようなカリキュラムを行うとよいでしょう。

座学マインドフルネスの概要や理論、エビデンスを説明し、インプットさせます。マインドフルネスの根拠があいまいな場合、社員に不信感を持たれる可能性があるため、講師自身がしっかりと理解した上で行いましょう。
実践・習慣化マインドフルネスについて理解したら、体験によるアウトプットを行います。マインドフルネスのための場所や時間を確保し、社員が実践しやすい環境づくりをしてください。
ワークショップ個人・チームそれぞれでワークショップを行います。チームのワークショップでは、社員たちが意見を交換することでより理解が深まり、効果を得やすくなるでしょう。

マインドフルネスは継続することが大切です。一度研修を行って終わりではなく、定期的にアナウンスする仕組みを導入するなど、社員が継続しやすいよう工夫しましょう。

「ストレス耐性、モチベーションUP に マインドフルネス研修」はこちら

まとめ

マインドフルネスとは、「現在の瞬間」に意識を向けることで、心の健康を高めるための手段です。ストレス軽減や集中力の向上などの効果が期待でき、GoogleやYahoo!などの大企業でも取り入れられています。

マインドフルネスの実践方法として、呼吸を意識する「マインドフルネス呼吸法」があります。毎日継続し、マインドフルネスを習慣づけましょう。ただし、不安感を覚えたときや精神疾患を抱えている方は具合が悪くなる可能性があるので、注意が必要です。

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