お客様からのクレームに上手に対処して、できればクレームをチャンスに変えていっそうの顧客になってもらうことはできないものでしょうか。せめてトラブルを拡大しないで穏便に対処するマナーを知っておきましょう。
いきなり電話で怒鳴られたとき
「はい」と電話に出たら「バカヤロー」に始まって、訳も分からないままに怒鳴り声を浴びせられるということがあります。相手が話し終えた段階で、「ご迷惑をおかけしております。少々お待ちくださいませ」としっかり答えます。これで安心、保留ボタンを押して上司に相談します。
※クレームの内容が分からない段階では弁明を始めたり「申し訳ございません」と謝罪の言葉は出さないこと。「ご迷惑を」の言葉が適当です。
逃げずにお客様の言い分をよく聞く
ひと言文句を言われた途端に逃げ腰になったのでは、クレームが燃え盛りかねません。相手の言い分をよく聞いて対処の仕方を考えましょう。「ご迷惑をお掛けいたしまして」と切り出して「どのようなことでしょうか。私が承りますが」と冷静に受け取る姿勢を示します。
単純ミスにはその場で誠実に
ごく単純なミスやサービス不足の指摘を受けたとき、明らかに指摘の通りならその場で誠実に謝罪します。
例)「ご親切にご指摘いただきましてありがとうございました。おっしゃるとおりですので、今後十分に注意いたします」
「正直におっしゃっていただきまして、私どもが助かりました。この度はご不便をお掛けして申し訳ございません。ご指摘のことは私どもの手落ちですから、さっそく改めさせていただきますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします」
善後策を示して謝罪する
誠実な対処のひとつは、具体的な善後策を示すことです。
「お客様のおっしゃることはよく承りました。もちろん費用は私どもの負担で、さっそく手配させていただきますので、この度ばかりはお許しくださいますように。なお、原因をよく調べまして二度とミスの無いようにいたします」と対策の内容を説明し、納得してもらいましょう。
また、即答が難しい問題があります。そうした場合には、「お気持ちはごもっともです。しかし、担当者が席を外しておりますので私では何ともお答えいたしかねます。上司ともよく相談いたしまして、大至急ご返事を差し上げますので、恐れ入りますが、しばらくお待ちいただけますでしょうか」と丁寧に状況を説明し、理解してもらいましょう。
あまりに理不尽な言い分には厳しい態度で
理不尽なクレームは、丁寧な言葉で断固としてはねつけます。
例)「そのようなご無理なお申し出には応じかねますので、申し訳ございませんが、お引き取りいただくよりほかございません」
「せっかくですが、それはお客様の思い過ごしでございます」