お客様を迎えて面談・商談をする際、話し合いをスムーズに展開するためのステージづくりや潤滑油としての気の利いたあいさつが必要です。できれば来客に気分良く過ごしてもらい、少なくとも失礼の無いように接客しましょう。少し大袈裟に言うと「一期一会」のつもりで面談することが大切です。大切な人との一度限りの出会いだと思い、気分をリフレッシュさせて会いましょう。
Self-awareness: 面談の前に身支度を整えて
自身が訪問する場合はいろいろと準備をして臨むものですが、自社で来客を迎えるときはついつい油断しがちです。普段から以下のことに気を配っているかどうかチェックしてみてください。
①名刺、筆記用具など必需品がそろっているか。
②身だしなみを整え、表情と気分を改めているか。
③面談相手の名前、所属、用件を確認しているか。
④時間管理ができているか。
⑤あいさつの第一声は決まっているか。
来客への第一声
お店ならお客様を「いらっしゃいませ。毎度ありがとうございます」と迎えるでしょう。オフィスでも同じように切り出しは歓迎のあいさつで迎えたいものです。迎える喜びと来社への感謝を込めて明るく切り出しましょう。
例)「〇〇さん、いらっしゃい。お待ちしておりました」
「〇〇さんでいらっしゃいますね。お待ち申し上げておりました」
「本日はお忙しいところお越しくださいましてありがとうございます」
来客を待たせたときのひと言
むやみに来客を待たせることはマナー違反ですが、さまざまな事情があって時間通りに迎えることができない場合もあるでしょう。そうしたときは、初めのあいさつより先にお詫びのひと言を置きましょう。
例)「申し訳ございません。会議が長引きまして、大変お待たせいたしました」
「大変失礼いたしました。少々手の離せない用件がありまして、遅くなりました」
来社を求めた人へのひと言
こちらから来社を求めた人にも、「わざわざ足をお運びいただきまして恐れ入ります」「お忙しいところをお呼び立てしまして申し訳ございません」などその断りを初めに置きます。
季節のあいさつや雑談を交わして
商談に入る前にお互いに打ち解けたり、人柄を探り合うためのあいさつ交換があります。季節のあいさつや雑談を交わして緊張をほどいていく、アプローチです。
「本日はまた一段と暑い中お越しいただきありがとうございます。ことしの夏の景気はいかがですか」「〇〇さんは何かスポーツをおやりになるのですか」などその日の天気や日頃の相手の様子などをうかがう質問をするのも良いでしょう。
来客の長話を止めたいとき
雑談がスムーズに行えたのは良いものの、中にはお喋り好きな方もいるでしょう。こちらの都合を考えずに腰を落ち着けて動かない…。だからといって、冷たくあしらうことはできません。そうしたときは、
「楽しいお話のところを恐れ入りますが、この後予定がございますので、せっかくのお話の続きはまたの機会ということでいかがでしょうか」などと穏やかに切り出して、それとなく察していただくのが上策です。
また、こちらが腰を浮かせたり書類を片付け始めたりしても察してくれない人には変化球を投げましょう。はっきりと時計を見るポーズをして「もうこんな時間ですね。あまりお引止めしては、お忙しい〇〇さんにご迷惑でしょうから、お話はまた今度に致しましょう」と相手の立場を思いやる台詞でその場をおさめましょう。
来客を送る言葉
用談が済んだときも、丁寧なあいさつで送り出しましょう。「ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」「また近いうちのお越しをお待ち申し上げております」「お構いもできず、失礼いたしました」など、別れのあいさつをしましょう。
応接室、デスク、エレベーター前などで見送る場合は「こちらで失礼いたします」と断りを入れましょう。