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vol.4 外国人に人気の「ゲストハウス」に泊まってみた!

COLUMN

外国人観光客が急増するなか、各地でホテル不足が顕著になっています。しかし、大型ホテルをオープンするには、時間も資金も人手も必要なので、そう簡単にコトは運びません。そんな切迫した事情もあって「民泊」が注目されているわけですが、日本の文化にはいまひとつ馴染まないせいか、現状は十分に機能しているとは言い難いようです。東京オリンピックに向け、どのような対策が講じられるのか興味がありますが、個人的に「民泊」以上に期待しているのが「ゲストハウス」です。

 

海外では非常にメジャーな「ゲストハウス」。名前は知っていても、実際に宿泊した経験はない、という人が多いのではないでしょうか。どんな施設か簡単に説明すると、シングルやツインを備えたところもありますが、基本は4人以上の大部屋で、室内には2段ベッドが並ぶだけ。トイレ、シャワーは共同、キッチンを完備した共有スペースがあり、そこで食事をしたり、仲間と歓談したりして過ごします。
Wifi環境が整っているのは当たり前。しっかり清掃が行き届き清潔なので、女性の宿泊者も少なくありません。

また、フロントにはたいてい英語が上手な若いスタッフがおり、メッセージボードに貼られたコアな観光スポットやツアー情報などの相談に乗ってくれます。レンタルバイクや自転車もあり、「寝る場所さえあればいい」という個人旅行者にとっては、至れり尽くせりの施設といえるでしょう。

部屋はいたってシンプル

そして、何より魅力なのがリーズナブルな料金です。物価が高い日本でも1泊3000円程度。あまり話題に上ることがないものの、最近は日本国内でもユニークな「ゲストハウス」が続々と誕生しています。畳などの「和」テイストを盛り込むと、特に受けがいいのだとか。このほか、最近は古風な純和風旅館も大変な人気を集めているそうで、畳、布団、浴衣、障子といった日本人には珍しくもないものが、彼らの目には「クール」と映っているのでしょう。

 

ところで、先日、京都へ行った際に初めて国内の「ゲストハウス」に泊まってみました。京都駅から徒歩5分以内の好立地ながら、料金はカプセルホテルなみの2800円。この日は満室でしたが、京都という土地柄、長期滞在者も多いようで、目にするのはアジア系や欧米系の外国人ばかり。日本人にはひとりも会いませんでした。

 

館内の造りは、外国の「ゲストハウス」とほぼ同じ。しかも、外国語ばかりが耳に入ってくるので、ここが日本であることを忘れてしまいそうでした。筆者の4人部屋にいた先客の3人はいずれも欧米人で、「ハロー」と挨拶したあとは沈黙に。元来、人見知りが強いタイプで、こうしたシチュエーションでのコミュニケーションが苦手なうえ、英語はからきしダメとあって、会話が続かないのです。ベッドにもぐりこみ、しばらく彼らの雑談を聞いているうち、部屋の灯りが消え(消灯のタイミングはおそらく部屋のリーダー的存在が決めているはず)、ほどなく寝息が漏れ始めました。なにせ部屋が狭いので、就寝後は物音を立てぬよう、気を使わなければなりません。トイレへ行くときの階段の昇り降り、ドアの開閉――あいにく風邪気味だったので、咳をこらえるのも大変でした。

 

実際、同室者はそれほど気にしていないとは思うのですが、繊細な日本人には不向きな形態かもしれません。「同じ狭いならプライベートが保たれるカプセルのほうがまし」と考える人が多いゆえ、コスパ的には優れた「ゲストハウス」に日本人が少ないような気もします。今回利用した「ゲストハウス」も、クォリティ的には素晴らしいのですが……。

 

ただ、ゲストを迎えるホスト側ならば、気配りに長けた日本人は向いているはず。英語に加え、中国語やタイ語もOKというサービスを打ち出せば、がっちりリピーターをつかめるのではないかと思います。

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