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vol.6 独身男女の異性交際と結婚意思

Vol6. 統計データから読み解く 働く人と企業の未来像 COLUMN

政府の社会保障・人口問題研究所では、毎5年に実施している「出生動向基本調査」(2005年は国勢調査に合わせて繰り上げ実施)、別名「結婚と出産に関する全国調査」の中で独身者(18~34歳)を対象とした調査を1982年から行っています。この調査の結果から、独身男女の異性交際と結婚意思についての動きを見てみましょう。

独身男女の異性交際と結婚意思

 

 

 
(注)対象者は未婚者(18~34歳) (資料)社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査(独身者調査)」

 

まず、異性との交際状況ですが、「異性の交際相手なし」と回答した者が、1987年から、男女とも増加傾向にあり、未婚率の上昇の背景となっています。調査報告書(概要)は、「異性との交際の状況は低調のまま推移」と表現しています。

男女の独身者を比較すると、2010年に、婚約者・交際相手がいると回答した者の合計は、男は34.0%、女は45.9%と男の方が少なくなっており、また「異性の交際相手なし」の比率も、男は61.4%と6割を越えているのに対して、女は49.5%と5割を下回っています。男性があぶれているとも見えます。対象となった18~34歳では、男性の結婚年齢の方が遅いのですから母数となっている実際上の独身者人数も男性の方が多くなっている筈です。比率以上に男性があぶれているといえるでしょう。

 

なお、異性との交際の中味ですが、友人としての交際が減り、恋人としての交際が増える傾向にあります。友人と恋人の境は主観的なものですが、曖昧でアバウトな男女の付き合いはダメで、恋人同士と決まったステディな関係でなければならない状況になっているといえるでしょう。こうした傾向がかえって交際の範囲を狭めているのかも知れませんね。

 

つぎに、独身者の結婚の意思については、男女ともに「いずれ結婚するつもり」が9割前後と多くなっています。男では1997年まで、女では2002年まで、この値は低下傾向にありましたが、それ以降、ほぼ横ばいに転じており、いまでも、結婚する意思のある者が大半を占めています。婚活がクローズアップされているのは、「いずれ結婚するつもり」がなお多数派であるのに、「交際相手がいない」男女が増えているからだということが分かります。

 

一方、「一生結婚するつもりはない」と回答した人は、男女とも上昇傾向にあり、2010年には、男で9.4%、女で6.8%に達しています。1982年からの男女別の動きを見ると、男の上昇の方が特に目立っています。国例調査によれば、実際の生涯未婚率は、2010年に男が19%台、女が9%台となっており、男の場合は、「一生結婚するつもりはない」訳ではないのに結婚にいたら

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