無意識のスメハラが職場を壊す?適切な伝え方のポイント・対策を解説

スメハラ対策と相手を傷つけない伝え方

この記事は2024.11.5に公開した記事を再編集しています
2025年12月1日更新

スメハラ(スメルハラスメント)は、職場や公共の場で無意識に他人に不快感を与えるニオイに関連する問題として注目されています。体臭や口臭、タバコ、香水、柔軟剤など、日常的に発生しうるニオイがスメハラの原因となり、コミュニケーションの障害や職場環境の悪化を引き起こしかねません。

特に職場では、スメハラが人間関係や業務パフォーマンスに深刻な影響を与えることがあり、対策が求められます。当記事では、スメハラの具体例や職場での問題、適切な伝え方、日頃からできる予防方法について詳しく解説します。

目次

『ハラスメントの種類を徹底解説!3大ハラスメントや企業側の対処法も』について詳しくはこちら



スメハラ(スメルハラスメント)とは?

スメハラとは?

スメハラとは、スメルハラスメントの略称です。明確な定義はありませんが「ニオイによる嫌がらせ」を意味しており、体臭やタバコのほか、香水などの香りも周囲の人に不快感を与えるニオイとして含まれています。一般的にいい香りに分類されるものでも、強すぎるニオイになると、周囲の人にとっては不快に感じるケースがあるのが理由です。

スメハラは、人間関係の悪化を招く恐れがある行為です。公共の場だけではなく、職場においても起こりうるハラスメントで、場合によっては業務の遂行に支障をきたす可能性がゼロではありません。

厚生労働省が2023年度に実施した職場のハラスメントに関する調査では、ハラスメント行為の1つとして、実際にスメハラが挙げられています。また、スメハラを含むハラスメント行為を自覚している、または指摘された経験があると回答した人は、20.1%との結果も出ているのが実状です。

※出典:厚生労働省「令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」

スメハラになりうるニオイの具体例

スメハラになりうるニオイの具体例

下記は、不快だと感じる他人のニオイについて行ったアンケート結果を、男女別に分けた表です。

【不快だと感じる他人のニオイはなんですか?(複数回答)】

男性女性
体臭53.8%69.6%
口臭55.1%56.5%
汗臭19.0%26.7%
ワキガ臭22.8%24.6%
タバコ33.5%45.0%
香水22.2%26.2%
柔軟剤4.4%10.5%
生乾きの洋服のニオイ10.1%13.1%
靴を脱いだときの足のニオイ7.6%26.2%
頭や頭皮の皮脂のニオイ4.4%22.0%
飲食店に行った後のニオイ2.5%12.0%
その他1.9%0.5%

※出典:リサーチプラス「スメルハラスメントに関する調査」

スメハラになりうるニオイは、体から直接発するような体臭や汗臭などに限りません。生乾きの洋服や飲食店に行った後のニオイなど、日常生活を送る中で無意識についてしまったニオイも含まれることが分かります。

以下では、特にスメハラ行為として挙げられやすいニオイについて、3つのタイプに分けて解説します。

体臭・口臭

体臭は、スメハラになりうる代表的なニオイの1つです。体臭がきつくなる原因は、単純に風呂に入らないような生活を繰り返している場合のほか、本人の体質による場合も珍しくありません。例えば、本人の体質によるワキガや緊張による汗のニオイなどが挙げられます。加齢臭やストレスが原因のストレス臭のほか、疲労臭と呼ばれるニオイもあり、いずれも本人がニオイを発していることを自覚していない場合も多いと言われています。

口臭も体臭と同じく、スメハラに発展しやすいニオイです。口臭の原因は、喫煙後に口の中に残ったタバコのニオイや、飲酒後のアルコール臭などが挙げられます。アルコール臭は体臭としても現れやすく、全身からニオイを発してしまう場合もあるニオイです。

タバコ

タバコは、そのニオイが体や衣類に付着しやすい特徴をもっています。喫煙室などの分煙の環境で吸うように心がけていても、本人に染みついたタバコのニオイで、他者を不快にさせる可能性があるため注意が必要です。

近年は分煙の取り組みが進んでおり、タバコのニオイに敏感になっている人が増えています。喫煙者の中でも特にヘビースモーカーの人は、スメハラ行為に発展しないようにニオイの染みつきに気をつけなければなりません。

香水・柔軟剤

香水や柔軟剤は一般的に良い香りとされ、リラックス効果を得られることもありますが、使用量を誤ると香りが強すぎて周囲に不快感を与える可能性があります。香水や柔軟剤などの合成香料によって不快感が生じる状況は「香害」と言われており、スメハラ行為にあたる可能性がゼロではありません。

また、自分では好きな香水や柔軟剤の香りでも、単純にその香りを好ましく思わない人がいる場合も考えられます。香りは人によって好みが分かれるのを理解しておき、強烈なニオイとならないように適切な量を使用するのが大切です。

香水や柔軟剤以外に香りを身に纏う形となる製品として、化粧品やヘアオイルなども挙げられます。いずれも使用する際は、適切な量を使う心がけが必要です。

食事

食事によるニオイは、職場で思わぬスメハラにつながることがあります。カレーなどのスパイス類や揚げ物、ニンニク・ネギを使った料理、さらにはスナック菓子の一部も強いニオイを発します。特に換気が不十分な執務室ではニオイが充満しやすく、苦手な人にとって大きな不快感となります。昼食や間食は休憩スペースや通気の良い場所で取るのが望ましく、デスクでの飲食は避けるのが無難です。

中でもニンニクによる口臭は食後2~3時間ほど残るため、来客や会議の予定がある日は控えるなどの工夫が求められます。社員一人ひとりの小さな配慮が、快適な職場環境づくりにつながります。

ペット

ペットを飼っている人の衣服や持ち物には、犬や猫など特有のニオイが残ることがあります。飼い主にとっては気にならない場合でも、動物を飼わない人にとっては不快に感じるケースも少なくありません。特にアレルギーを持つ社員にとっては、ニオイだけでなく健康上のリスクにも直結する可能性があります。

職場では柔軟剤や消臭スプレーを活用したり、衣服を清潔に保ったりするなどの工夫が必要です。ペット由来のニオイもまた、周囲への思いやりを欠かさないことが快適な職場環境につながります。

スメハラによって職場で起こりうる問題

スメハラによって起こりうる問題

スメハラはほかのハラスメントと同様に、一度発生すると職場に悪影響を及ぼしかねない行為です。業務の遂行に支障をきたすことも考えられるため、スメハラが起こるとどのような事態を招く可能性があるのか把握しておきましょう。

スメハラによって職場で起こりうる問題として、以下の3つが挙げられます。

人間関係の悪化につながる

ニオイによる不快感は、人間関係に悪影響を及ぼす恐れのある存在です。良好な関係だったとしても次第に亀裂が生じ、職場においては業務遂行に欠かせないチームワークが崩れる可能性があるのも否定できません。

例えば、不快感を避けるために、ニオイを発している本人から周囲の従業員が距離を取り始めることが考えられます。業務上必要なコミュニケーションが取りづらくなるほか、ニオイを発している本人が孤立感を感じ始める状況も招く事態です。

スメハラの改善に向けた取り組みや対策が行われず、ニオイによる不快感が職場内で続くと、陰口が広まったりいじめなどに発展したりする可能性もあります。良好で快適な職場環境を作るためにも、会社としてスメハラを予防する何らかの対策を講じるのが大切です。

周囲の従業員の体調に影響をおよぼす

不快感を伴うニオイは、体調不良を引き起こすケースもあります。ニオイを原因とする体調不良とは、気持ち悪さや吐き気、頭痛などの症状です。特に長時間不快なニオイが漂う作業スペースで業務を遂行しなければならない職場では、体の不調だけではなく精神的にも大きな負荷がかかります。症状が悪化すると、うつ病などの心理的な疾患を招く可能性もあるため注意が必要です。

スメハラを原因とするストレスが強い職場では、出社することに抵抗を感じて従業員が休みがちになり、人手不足に陥る恐れも考えられます。スメハラが原因で退職に至るケースもあるため、ニオイによる職場環境への悪影響は軽視できません。

パフォーマンスが低下する

不快なニオイは、周辺にいる人の集中力の低下を招きます。気になるニオイが漂う状態での業務は、従業員のパフォーマンスの低下につながり、職場全体の生産性に影響を及ぼすため注意してください。

人によっては不快なニオイから逃れようとして、離席しがちになることも考えられます。仕事へのやる気を持続させるのが難しく、ミスを誘引する可能性が高まる状況です。サービスの質の低下につながり、結果的に製品の精度を保証したり顧客からの信頼性を確保したりするのも難しくなりかねません。

パフォーマンス改善のために人材を増やすと、人件費の負担が増える可能性があります。コスト面が圧迫される悪循環に陥らないように注意しましょう。スメハラは、会社の成長に悪影響を及ぼす可能性があると把握するのが重要です。

スメハラは指摘が難しいと言われる理由

スメハラは指摘が難しい理由とは

スメハラはニオイを発している本人が自覚していなかったり、体質などにより意図せずにスメハラ行為に発展していたりするケースが多いのが実状です。指摘の仕方を誤ると、スメハラを起因とした異なるトラブルにつながる可能性も考えられるため、慎重に対応しなければなりません。

実際にスメハラは指摘が難しいと言われており、その主な理由として以下の3つが挙げられます。

ニオイの感じ方は人によって異なるため

人によって香りの好みに違いがあるように、不快に感じるニオイの度合いも異なります。中には気に入らないほかの従業員に嫌がらせするつもりで、スメハラ被害を受けていると過度に主張する悪質なケースもゼロではありません。スメハラの加害者として名指しされた従業員が、ハラスメントの被害者になる可能性も考えられる状況です。そのため、スメハラに関しては1人の言い分だけを鵜呑みにせず、ほかの従業員にも話を聞き、実態を把握することが求められます。

しかし、大々的に実態を把握しようとすると、加害者とされた本人を傷つけたり、本当は責任がないのに悪い噂が広まったりしかねません。このように、ニオイの感じ方には個人差があり、実態の把握に困難な面があるのも、スメハラは指摘が難しいと言われる理由です。

本人に自覚や悪意がない場合が多いため

周囲の従業員が不快に感じるニオイでも、ニオイを発している本人にとっては日常的なもののため、自覚していないというケースが珍しくありません。自分が発するニオイに長時間接していることで、そのニオイに慣れてしまうのが理由です。

周囲の従業員がニオイに対するケアを求めていても、本人に自覚や悪意がないため、簡単に指摘やケアを促せず、不快なニオイが漂う職場環境の改善が難しくなります。

対応によってはハラスメントや名誉棄損のリスクがあるため

スメハラは個人が発するニオイを原因とする、プライバシー性の高い問題です。明確な悪意があるセクハラやパワハラなどのハラスメントと異なり、本人が不快なニオイを発している自覚がなく、もともとの体質によるケースもあります。伝え方によってはこちらがハラスメントの加害者になったり、本人の尊厳を傷つけたりして名誉毀損で訴えられる状況を招く恐れもある難しい問題です。

また、本人を傷つける状況や名誉棄損につながる可能性を避けるため、スメハラ被害を受けている側がニオイを我慢し続けて、辛い思いをするケースもあります。不快なニオイを我慢し続ける状況を改善するには、スメハラに対応するリスクを把握して、適切な伝え方を学ぶことが必要です。

職場でできるスメハラ対策・適切な伝え方

スメハラを指摘する際の適切な伝え方

快適な職場環境を確保するには、スメハラへの適切な対応が必要です。誤った伝え方や方法でニオイを指摘すると、本人との新たなトラブルに発展する可能性が考えられるため注意しましょう。

スメハラを指摘する際に意識するべき適切な伝え方や方法は、以下の通りです。

スメハラに関するガイドラインを作成する

ガイドラインを作成すれば、従業員に自分もスメハラ行為の加害者になりうることを意識させられます。

例としてガイドラインに記載する項目としては、下記が挙げられます。

・ニオイの強い飲食物を職場内に持ち込まない
・香水や柔軟剤の過度な使用を禁止する
・タバコの分煙と、喫煙後の消臭対策

個別ではなく全体に向けてガイドラインとして発表すると、直接本人に伝えなければならない状況を避けられます。間接的にニオイへの注意や対策・意識向上を促せるため、本人を傷つけたり名誉棄損につながったりするリスクの回避が可能です。

社員研修や周知を行う

ガイドラインの作成にくわえて社員研修なども行うと、スメハラによって発生する悪影響をより周知できます。スメハラに対する従業員間の意識向上につながり、不快なニオイを発する本人の自覚を促せる機会にもなりうる方法です。

社内にスメハラに関する知識を保有する人材がいない場合は、ハラスメント研修を専門とする外部サービスに頼る方法があります。専門のサービスを利用することで、社内だけでは気づけないようなポイントや、新たな知識が学べるためおすすめです。

慎重な言葉選びをした上で本人に伝える

スメハラは、プライバシー性が高く繊細な問題です。本人に直接伝える際は、言葉選びのほか伝える状況を慎重に決めた上での対応を心がけましょう。

下記の点に配慮して、伝えるのがおすすめです。

・同性から伝える
・周囲に人がいない状況で伝える
・強い注意や指摘とならないよう、柔らかい表現で伝える

指摘する際は、伝える人とニオイを発している本人の関係性によって、伝え方や場面を工夫してください。例えば、ビジネスマナーとしてスメハラの話を持ち出したり、ランチなどの際にさりげなく伝えたりしましょう。より慎重に伝える場合は、職場全体の取り組みとして話題にするのも一案です。

小まめな換気や空気清浄機など物理的な対処をする

スメハラへの初期的な対応としては、まず職場環境そのものを整える物理的な方法が効果的です。例えば、定期的に窓を開けて換気を行えば、ニオイのこもりを防げます。空気清浄機や脱臭機の導入、共用スペースやデスク周辺への消臭剤の設置も有効です。喫煙スペースを分ける、場合によっては席替えを行うといった工夫も、軽度の不快感を和らげる手段になります。

これらの取り組みは大きなコストをかけずに実施でき、社員への配慮を示す効果もあります。まずはこうしたシンプルな環境改善から取り入れることが、スメハラ防止の第一歩となります。

スメハラに関する相談窓口を設置する

スメハラをはじめとする職場のハラスメント対策では、従業員が安心して相談できる窓口を設けることが重要です。多くの企業ではパワハラやセクハラを対象とした窓口が設置されていますが、ニオイによる不快感も無視できない課題であり、相談対象に含めるべきです。

窓口担当者は、スメハラの特性を理解し、本人への伝え方や判断基準の曖昧さに配慮する必要があります。そのため、対応マニュアルの整備や定期的な研修を実施し、適切な応対スキルを養うことが求められます。相談は面談だけでなく、電話やメールなど複数の手段を用意すると利用しやすくなり、早期発見・対応につながります。

日頃からできるスメハラ対策・ニオイの予防方法

スメハラ対策とニオイの予防方法

自身がスメハラの加害者とならないためには、ビジネスマナーの1つとして日常的にニオイに関する対策や予防を意識することが大切です。

ニオイ対策や予防として日頃から効果的に取り組める方法は、下記が挙げられます。

制汗・デオドラント剤を使う

お出かけ前に制汗・デオドラント剤でケアしておくと、ニオイ予防が期待できるためおすすめです。汗によるベタつきなども抑えて、ニオイ対策を行えます。制汗・デオドラント剤は、汗をかいた状態で使用すると十分な効果を発揮できません。汗をかく前に使用する、もしくはすでに汗をかいている場合は、汗を拭ってから使用しましょう。

勤務時間中の喫煙を控える

タバコのニオイは、体や衣類に付着してしまいます。喫煙後も継続してタバコのニオイを漂わせてしまい、周囲の人に不快な思いをさせる場合があるため注意が必要です。勤務時間中は喫煙を控えると、職場内でスメハラとなるのを避けられます。

また、喫煙はワキガのニオイのもととなる、アポクリン汗腺の働きを促す作用がある行為です。ニコチンの摂取によりニオイが強くなり、周囲に不快感を与えてしまう可能性が高まるため、ワキガ体質の人は特に喫煙を控えるのをおすすめします。

使用している香水や柔軟剤を見直す

香水や柔軟剤の香りは、自分では心地よく感じても周囲の人にとっては強すぎたり不快に感じられたりすることがあります。特に本人は香りに慣れているため、知らず知らずのうちに使用量や頻度が増えてしまいがちです。

柔軟剤や香水だけでなく、化粧品や整髪料の香りにも注意が必要です。使用量を控えることに加えて、香りの種類や強さを見直し、無香料や微香タイプを選ぶなど周囲への配慮を意識することが大切です。

洗濯物は放置せずしっかり乾かす

どれだけ丁寧に洗濯をしても、乾かし方が不十分だと雑菌が繁殖し、生乾き特有の嫌なニオイを発してしまいます。特に夏場は汗をかいた衣類を放置するとニオイの原因となりやすいため、洗濯後はできるだけ早く干し、風通しの良い場所で乾かすことが大切です。室内干しの場合は、部屋干し用洗剤や除湿機を併用すると雑菌の繁殖を抑えられます。

また、洗濯槽に衣類を溜めたまま放置すると黒カビの温床になり、ニオイ戻りの原因となるため避けましょう。日々のちょっとした工夫で衣類の清潔さを保ち、スメハラ防止にもつなげられます。

体や頭を丁寧に洗う

体臭や頭皮のニオイは、正しく洗えていないことが原因で発生するケースもあります。気になるからといって洗いすぎると、肌や頭皮に必要な皮脂まで落として逆効果になるため注意が必要です。特にシャンプーやボディーソープは、しっかり泡立てて泡で包み込むように洗うことがポイントです。

また、流し残しや髪の乾かし残しもニオイの原因になるため、丁寧にすすぎ、入浴後はドライヤーでしっかり乾かす習慣をつけましょう。こうした基本的なケアを徹底するだけで、日常のニオイトラブルを大きく防ぐことができます。

汗をかいたら小まめに拭く

汗をそのまま放置すると、皮脂や雑菌と混ざり合って独特のニオイが発生します。特に夏場や通勤時などは、汗をかいたらできるだけ早く拭き取ることが重要です。汗拭きシートやハンカチ、濡らしたタオルを常に携帯しておくと便利で、乾いたタオルよりもニオイ成分を効果的に除去できます。

さらに、汗を拭いた後にはデオドラントスプレーなどを併用することで清潔感を長く保てます。こまめなケアを習慣づけることが、スメハラ防止につながります。

治療や手術を検討する

ニオイの症状が重度で日常生活に大きな支障をきたす場合には、市販の対策やセルフケアだけでは十分に改善できないことがあります。そのような場合、医療機関での治療や手術を検討するのも有効な選択肢の1つです。

例えば、注射によってエクリン汗腺の活動を抑制する治療や、保険適用の外科的手術による根本的な改善が挙げられます。ただし、治療は本人の意思に基づいて行われるべきであり、周囲が手術や治療を強要することはパワハラにつながる恐れがあります。本人の希望を尊重した上で適切な医療相談を受けることが大切です。

スメハラへの理解を深められる研修とは?

「研修」と書かれたスケッチブック

スメハラは無自覚に起こりやすく、職場環境を悪化させる要因となります。そこで重要になるのが、社員一人ひとりが正しい知識を学ぶ機会です。研修を通じて、スメハラの定義や具体例、対処方法を理解し、互いに配慮し合える職場づくりを進めることができます。ここでは、スメハラについて学べる研修について紹介します。

スメハラ研修の目的

企業がスメハラ研修を行う目的は、大きく分けて次の3つです。

■ 行為者への伝え方を学ぶ
ニオイに関する指摘は、相手の自尊心を傷つけたり、侮辱と受け取られたりするリスクがあります。研修では、相手の立場に配慮しつつ、状況に応じた適切な伝え方を学ぶことができます。

■ 職場の人間関係の悪化を防ぐ
例えば「香水が強い」と注意した結果、行為者と同僚との関係がこじれることもあります。研修では、このような場面での対処法やコミュニケーションの工夫を学び、人間関係の悪化を防ぐことを目的とします。

■ 職場でのスメハラ対策を理解する
スメハラの原因は病気や体質などさまざまで、誤った指摘は新たなトラブルを生みやすいものです。研修を通じて正しい知識を身につけ、状況に応じた対応を理解することで、職場全体の予防につながります。

スメハラ研修の内容

スメハラ研修では、職場におけるニオイの問題を正しく理解し、実務で役立つ知識と対応力を身につけます。一般的な内容は以下の通りです。

■ スメハラの定義を学ぶ
「ニオイによる迷惑行為」が職場にどのような影響を与えるかを理解し、研修の土台となる基本知識を身につけます。

■ スメハラの分類を理解する
体臭(ワキガ・加齢臭)、口臭(生理的・ストレス由来)、飲食や喫煙によるニオイ、衛生的な問題などを体系的に整理して学びます。

■ トラブル事例を知る
実際に起きた事例を取り上げ、自社に置き換えて考えることで、職場で発生し得るリスクを実感できます。

■ 対策と注意点を学ぶ
ニオイを指摘する際の言い方や配慮の仕方、誤解やトラブルを避けるためのポイントを具体的に確認します。

■ 実践ワークで対応力を鍛える
参加者が当事者となり、ケーススタディ形式で指摘方法や対応策を体験します。これにより知識を実践に結びつけ、再現性のある解決力を養います。

スメハラ研修はどんな課題を抱える人におすすめ?

スメハラ研修は、職場でニオイに関するトラブルを防ぎたいと考える幅広い層に役立ちます。例えば、自分では気づきにくい体臭や香りの問題について意識を高めたい一般社員にとって有効です。また、社員の身だしなみ改善やモチベーション向上を目指す人材開発担当者にも活用できます。

行為者と被害者の対応に悩む管理者にとっても、事例をもとに適切な判断基準を学べる場となり、実践的な対策づくりに結びつきます。

スメハラを含むハラスメント研修なら「アイ・イーシー」の通信教育講座がおすすめ!

アイ・イーシーでは、スメハラを含むさまざまなハラスメントについて正しい知識と対応方法を学べる通信教育講座を提供しています。ハラスメントはデリケートな問題であり「どこまでが不快か」の線引きが難しく、無自覚のうちに加害者や被害者となるリスクがあります。

本講座では、意図しないトラブルを避けるための理解を深められるほか、部下の健康管理や労務リスク対応など、現代のマネジャーに必要な知識も習得できます。職場環境改善の一歩として、以下の講座から確認してみてください。

『意図しないハラスメントをしない・させないために』について詳しくはこちら

『部下の心身の健康を保つための適切な管理の仕方』について詳しくはこちら

まとめ

スメハラ(スメルハラスメント)は、体臭や口臭、タバコ、香水・柔軟剤、食事やペットなど、日常生活で発生するさまざまなニオイが原因となり、職場の人間関係や業務の効率に悪影響を与えるリスクがあります。特に、集中力の低下や体調不良、孤立感の増加などを通じて、組織全体の生産性に影響を及ぼしかねません。

またスメハラは本人が無自覚なことが多く、指摘の仕方を誤ると新たなトラブルやハラスメントに発展する難しさがあります。そのため、ガイドライン策定や物理的な対策、相談窓口の設置など、組織全体での取り組みが求められます。

こうしたデリケートな問題に対処するためには、正しい知識と対応力を学ぶことが大切です。アイ・イーシーの通信教育講座では、スメハラを含むハラスメント全般について体系的に学べ、職場環境改善や人材育成にも役立ちます。気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。

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