職場の沈黙を破る!アサーティブコミュニケーションとDESC法の活用例

相手を尊重しつつ、自分の意見を話す若手男性社員

自分の意見をうまく伝えられない、相手に配慮するあまり言いたいことを我慢してしまう、そのような悩みを抱えたことはないでしょうか。アサーティブコミュニケーションは、自分も相手も尊重しながら率直に意見を伝えるためのコミュニケーション手法です。職場での人間関係や業務上のやり取りを円滑にする上でも役立ちます。

当記事では、アサーティブコミュニケーションの意味や職場でのメリット、4つの柱、実践的な技法であるDESC法などを順に解説します。

Q.アサーティブコミュニケーションとは?
A. アサーティブコミュニケーションとは、自分の意見や気持ちを伝えながら、相手への配慮も忘れない対話の方法です。強く押し通したり、反対に我慢して言えなくなったりするのではなく、自分も相手も尊重しながら意思疎通を図る点に特徴があります。
職場では、依頼や相談、意見共有、認識合わせなどを落ち着いて行いやすくし、行き違いや感情的な衝突を防ぎながら、円滑な人間関係づくりや建設的な話し合いにも役立ちます。上下関係がある場面でも活用しやすい考え方です。

互いを尊重する会話法「アサーティブコミュニケーション」とは

チームミーティングで自分の意見もしつつ、相手の意見も傾聴している模様

アサーティブコミュニケーションとは、自分の意見や感情を率直に伝えながら、相手の立場や気持ちにも配慮して対話する考え方です。自分だけを優先して押し通す方法でも、相手に合わせて言いたいことをのみ込む方法でもありません。自己表現と他者尊重を両立させ、互いに納得しやすい関係を築く点に特徴があります。

主張と共感のバランスを保ちながら、対立を避けるのではなく、必要なことを落ち着いて伝え合える点に意味があります。上下関係や立場の違いがある場面でも、一方的にならず対等に話し合いやすくなる点も重要です。職場では、報連相や提案、上司や部下との意見調整などで役立ち、感情的な衝突を抑えながら建設的に話し合いやすくなるコミュニケーション方法として注目されています。

職場におけるアサーティブコミュニケーションのメリット

「メリット」と書かれた木製ブロック

アサーティブコミュニケーションを職場で実践すると、やり取りの質が高まり、組織運営にもよい影響が出やすくなります。主なメリットは次の3つです。

■ Sで使える質問例
■ 職場のコミュニケーションが活性化する
遠慮や一方通行の指示が減り、報連相や意見交換がしやすくなります。相談や確認が早い段階で行われるため、認識のずれや伝達漏れも起こりにくくなり、日常的な会話の量と質の両方が高まりやすくなります。

■ 異なる立場の従業員の関係が良好になる
上司と部下、先輩と後輩など立場が違っても、相手を尊重しながら率直に伝え合えるため、一方的な指示や過度な我慢が減ります。不満をため込みにくくなり、信頼関係を築きやすくなる点がメリットです。

■生産性向上につながる
業務量の偏りや無理な依頼を早めに調整しやすくなり、役割分担も適切になりやすくなります。結果として手戻りや認識違いによるロスを減らし、提案や改善の声も出やすくなるため、チーム全体の業務効率向上につながります。

※出典:科学技術情報発信・流通総合システム「アサーティブ・コミュニケーションが従業員エンゲージメントを高める効果」

『コミュニケーションエラーが起きる原因とは?防止対策や事例を解説』について詳しくはこちら

アサーティブコミュニケーションの4つの柱

「誠実」「率直」「対等」「自己責任」を表したコラージュ画像

アサーティブコミュニケーションは、相手を尊重しながら自分の考えを伝えるための考え方です。実践する上では、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」の4つの柱を押さえることが重要になります。

誠実

誠実とは、相手にも自分にも正直に向き合う姿勢を指します。相手の意見を頭ごなしに否定せず受け止めた上で、自分の考えも隠さず伝え、互いに納得できる着地点を探るふるまいです。たとえば「ご提案の意図は理解しました。一方で、私は納期の面に不安があります。進め方を少し調整できませんか」と伝えれば、相手を尊重しながら自分の意見も示せます。

我慢して合わせることでも、一方的に押し通すことでもなく、対話を通じてよりよい結論を目指す姿勢が誠実さです。信頼関係を保ちながら話し合う土台になる点も重要です。

率直

率直とは、自分の考えや感情を曖昧にぼかさず、相手に伝わる言葉で明確に示す姿勢を指します。ただし、思ったことをそのままぶつけることではありません。相手が受け止めやすい表現を選び、「私はこう感じています」と主語を自分にして伝えることが大切です。

たとえば「その進め方は駄目です」ではなく、「私はこの進め方だと確認漏れが起きないか心配です」と伝えれば、感情的な衝突を抑えながら意見を示せます。遠回しに濁さず、必要なことを分かりやすく言葉にするふるまいが、率直さのポイントです。誤解を減らし、話し合いを前に進めやすくする土台にもなります。

対等

対等とは、相手と自分のどちらかを上や下と見ず、同じ立場の人として向き合う姿勢を指します。上司や先輩に対して必要以上に萎縮したり、部下や後輩に高圧的に接したりしないことが大切です。

たとえば、依頼を受けたときに「今日はできません」と突き放すのではなく、「本日は難しいのですが、明日であれば対応できます」と伝えれば、自分の事情を示しながら相手にも配慮できます。立場の違いがあっても、一方的に従う、押しつけるのではなく、互いを尊重して話し合うふるまいが対等さのポイントです。建設的な対話につながる土台にもなります。

自己責任

自己責任とは、自分の考えを自分の言葉で伝え、その結果も自分の課題として受け止める姿勢を指します。相手に伝わらなかった場合も、一方的に相手のせいにするのではなく、伝え方や確認の仕方を振り返ることが重要になります。

たとえば「あなたの説明は分かりにくいです」ではなく、「私が理解しきれていないため、もう一度確認させてください」と伝えると、相手を責めずに意思を示せます。「私」を主語にして伝え、自分の発言に責任を持つ姿勢が、自己責任の柱です。言わなかった場合も、結果を踏まえて次の行動を考える視点が求められます。

アサーティブコミュニケーションの技法「DESC法」

「DESC法」を分かりやすく表した用紙とデスク

アサーティブコミュニケーションの技法として知られるDESC法は、相手を責めずに自分の考えを整理して伝えるための手順です。事実、気持ち、提案、選択肢の順に話すため、感情的な衝突を避けながら要点を伝えやすくなります。たとえば、忙しいときに追加の仕事を依頼された場面では、次の4段階で伝えると話し合いを進めやすくなります。

D:Describe(描写する)
まず、感情や決めつけを交えず、事実だけを伝えます。たとえば「今日は16時まで別件の対応が入っています」のように、現状を客観的に示します。
E:Express(表現する)
次に、その状況に対する自分の考えや気持ちを伝えます。「お力になりたいのですが、本日中の対応は難しいと感じています」のように、「私」を主語にして説明します。
S:Specify(提案する)
続いて、どうしてほしいか、どう対応できるかを具体的に示します。「明日の午前であれば対応できます」のように、実行しやすい提案を出します。
C:Choose(選択する)
最後に、相手の反応を踏まえた選択肢を示します。「急ぎであれば、ほかの担当者への依頼もご検討ください」のように代替案まで伝えると、対立を避けながら建設的に話し合いやすくなります。

アサーティブコミュニケーションを身につけたいならアイ・イーシーの研修がおすすめ

アサーティブコミュニケーションを実践的に身につけたいなら、アイ・イーシーの「アサーティブスキルを活用する 多様化時代の対話力研修」が適しています。アンコンシャスバイアスへの気づきから始まり、傾聴、質問、「私」を主語にした伝え方、DESC法までを1日で学べる点が特徴です。

演習や事例トレーニング、アクションプラン作成もあり、理解にとどまらず職場での実践につなげやすい研修です。定着や離職防止、次世代リーダー育成に向けて、対話力を高めたい企業にも取り入れやすい内容と言えるでしょう。

『アサーティブスキルを活用する 多様化時代の対話力研修』について詳しくはこちら

まとめ

アサーティブコミュニケーションは、自分の意見を伝えながら相手も尊重する対話の方法です。職場で実践すると、コミュニケーションの活性化や信頼関係の向上、生産性向上につながります。誠実・率直・対等・自己責任の4つの柱を意識し、DESC法を活用すれば、伝えにくい内容も整理して伝えやすくなります。

上司と部下、同僚同士のやり取りをより建設的にしたい場合にも役立ちます。職場での対話力を高めたい場合は、研修を通じて実践的に学ぶ方法も有効です。

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