同時進行で進む複数のプロジェクトをコントロールするのは簡単ではありません。プロジェクトにはそれぞれ進行上の波があり、忙しさも一定ではないからです。忙しさのピークが重なってしまうと、時にどうにも身動きが取れなくなってしまいます。下手をすれば共倒れです。
しかし、どのような立場でプロジェクトに参加しているかによっても対応のしかたは変わってきます。プロジェクトの規模や種類にも関わりますが、プロジェクト・マネージャーとしてプロジェクトそのものをコントロールする立場なら、一般に高度なプロジェクト・マネジメントの技法が求められます。
それは、時には社外も含めて多くの人が関わり、それぞれのタスクの受け渡しなど、複雑な工程が組み合わされることによってプロジェクトが進行していくからです。そうしたプランニングプロセスを管理するためには、さまざまなフェーズをカバーして関連づけられるツールが必要になってきます。
しかし、その基本は、タスク管理を中心としてスケジュール管理を行うところにあるといってもいいでしょう。プロジェクトの一メンバーとしてなら、特別なプロジェクト・マネジメントのツールを使わなくても、基本的な手帳の機能で十分に対応が可能です。
考え方としては、プロジェクトの過程で必要なタスクを細かく設定して、時間軸のスケジュールの中に配置していくということです。その際に、複数プロジェクト間で忙しい時期が重ならないよう、仕事量が平準化するように調整しながら配置していくことがポイントとなります。
プロジェクトの期間にもよりますが、まずはプロジェクト全体をカバーできる予定表が必要です。多くの場合、年間予定表もしくは月間予定表を使うことになります。そこにそれぞれのプロジェクトの大まかな段階を記入します。
開始時期が大きくずれていたりすると、Aプロジェクトのどの段階でBプロジェクトのどの段階が重なってくるのか、すぐには把握できません。そこでまず、それぞれの行程をガントチャートのような形(両端矢印の太線など)で一目でわかるように並べることからはじめます。大きなイベントも記入しておきます。
全体像が把握できたら、個々のタスクをスケジュールの中に配置します。その場合、ルーティーンワークとの関わりもありますから、基本のスケジュール欄に落とし込むようにします。タスクが複雑な場合は、プロジェクト専用のスケジュールページをつくるのもいいでしょう。タスクが配置されることで、やるべきことのやるべき時期が見えてきます。