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仕事ができる人になるための手帳術~後編

KNOW-HOW

前回から引き続き、「自分のタイプから手帳の方向性を決める」という軸で、手帳の活用法を紹介していきます。後編となる今回は「コミュニケーション不足型」と「成長が実感できない型」です。

 

コミュニケーション不足型

 

●人とのやりとりを記録して検証してみる

 

「どうも人間関係がうまくいかない」

「顧客との関係がギクシャクしている」

「もっと人と楽しく会話できるようになりたい」

「もっと人脈を増やしたい」

 

そんなあなたは「コミュニケーション不足型」です。コミュニケーションが足りないというより、円滑なコミュニケーションができていないということでしょうか。このタイプの人は、人との関係を軸にして手帳を活用してみましょう。やはり、基本となるのは日々の記録です。たとえば上司とのやりとり、顧客とのやりとりを振り返ってメモしてみましょう。

 

ポイントは「わかってくれない」とか「冷たい目で見られる。やはり評価されないのか」といった主観的な論評は書かないようにすることです。とりあえずやりとりの良し悪しについて評価はしません。そもそもコミュニケーションがうまくいっていないところがあるのですから、マイナスのところをクローズアップしてもダメです。やるのなら、プラスの部分だけにスポットをあてましょう。

 

メモする目的は、まず話の内容の記録、そして会話の流れの確認です。書き込む時・読み返す時に、何がテーマの話だったのか、また受け答えに問題なかったかを確認することができます。もし「こんな質問をすればよかった」というような気づきがあれば、それも忘れないようにメモします。

 

●人に関わる情報をまとめて管理する

 

また、上司への報告、顧客との商談などの前には、あらかじめ話のポイントとなる内容を整理してメモしておきましょう。結論から先に話す、5W1Hを踏まえて話をする、ということも考慮してメモします。

 

人についての情報をまとめて管理しておくのもいいでしょう。名刺管理、連絡先管理などはパソコンで行うことも多いですが、最近出会った人の名刺は手帳にはさんでおく、というのもひとつの手です。また、あなたにとって重要な人の連絡先は、バックアップの意味も含めて手書きの住所録に記入しておき、出先で礼状や近況報告のハガキを書いて出したりする時に使うのも、相手に喜ばれるのではないでしょうか。

 

システム手帳用のリフィルには、顧客管理用のものもあります。もし、あなたがシステム手帳派でなければ、とりあえずリフィルだけ手に入れて、それを参考に自分の手帳のノートページにつくってしまうという手もあります。また、雑談に使えるようなネタを手帳に書き写しておくのも、会話を楽しくするひとつの手段です(ただ、あからさまにいつでもそれをやると鼻につくので注意しましょう)。

 

 

成長が実感できない型

●必要な行動をどんどん細分化していく

 

「なんとなく停滞しているような気がする」

「将来の夢から遠いように思える」

「毎日に手応えがない」

「社内の個人目標が達成できない」
「自分が成長している気がしない」

 

そんなあなたは「成長が実感できない型」です。目標管理を目的にした手帳の使い方をしましょう。手っ取り早いのは「夢手帳」のように、目標管理を中心にした手帳を使うことですが、一般の手帳でも十分に対応することができます。

 

まず、最初にしなければならないことは、夢や目標を具体化して手帳に書き記すことです。まずは目標の明確化です(いつ、何を、どうする)。実現した状態をイラストで描くのもいいでしょう。ビジュアル化されることによって、イメージが強く意識されることになります。

 

次いで、その目標を実現するために必要な行動を、スケジュールに落とし込んでいきます。年→月→週→日とどんどん細分化していくのです。毎日、その行動を実行することにより、着実に実現に近づいていくことになります。日々、成長していくことになります。実行できたかどうかは毎日チェックします。○×をつけるだけでもいいでしょう。その○の数が成長の証です。

 

●目標実現のための戦略を計画する

 

たとえば「半年間で5kg減量する」あるいは「1年後にフルマラソンを完走する」というような目標であれば、そのために必要な行動は簡単に導き出すことができます。あるいは、「10年間で500万円貯金して留学する」という目標も、基本的には「貯金」と「勉強」をすればいいことがわかります。
 
しかし「今期、A社から1000万円の仕事を受注する」という目標を実現するためには、より細かな戦略を練る必要があります。達成までにはいくつか越えなければならないステップがあり、そのステップごとに協力してもらう人も必要です。ステップを越えていくためには何をするべきか、そこには課題があり解決方法が必要です。
 
 
こうしたことも手帳の上で、たとえばマッピング図を描くなどして、考えを練っていくのです。こうしたプランニングが楽しめるようになると、手帳での目標管理も軌道に乗っているといえるのではないでしょうか。
 
また、ここまでの夢とはちょっと違いますが、寝ている時に見る「夢」を記録して、いわゆる「夢日記」をつけていくのもおもしろいかもしれません。夢には潜在願望がこめられているといわれますし、記録を蓄積していく中で自分でもわからない自分が発見できるかもしれません。ただし、あまりのめりこみすぎて自己流の夢分析に凝ったりしない方がいいでしょう。あくまで楽しみのひとつとしての提案です。
 
 
 
 
いかがでしたでしょうか? 単に手帳と言っても、さまざまな使い方があることがわかっていただけたかと思います。手帳はその人を映す鏡ともいえます。あなたの手帳をもう一度振り返ってみて、今までとは違う新しい使い方を試してみてください。そうすれば、きっとあなた自身も少しずつ変わっていくはずです。
 

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