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創考喜楽

2018.11.20
REPORT

NHK大河ドラマの時代考証でおなじみ
「小和田哲男先生と巡る江戸城」レポート


 

温故知新

古きをたずねて新しきを知る意。昔のことをよく調べ、新しい物事に適応すべき知識・方法を得ること。

 

 

アイ・イーシーの通信教育には、「歴史シリーズ」と称される人気講座があります。

 

  • 秀吉と七人の部下
  • 歴史に諍った七人の戦国リーダー
  • 真田三代 逆境を生き抜く知恵と戦略
  • 戦国軍師に学ぶ「勝てる」戦略&戦術立案の極意
  • 戦国武将の兵法 乱世を生き抜く勝利の定石(2019春開講予定)

 

舞台は群雄割拠の戦国時代。この時代の武将たちは、いかにしてこの混沌の時代を生き抜いていったのか――

そこには、大きな変化を迎えようとしている私たちの時代にも通じる“何か”があるような気がしてなりません。模索しても“正解”がわからない今だからこそ、過去に目を向けることで新しい光を見出せることもあるのではないでしょうか。

 


 

のっけから話が逸れましたので本題へ。今回は、11月10日に行われた「小和田哲男先生と巡る江戸城」ツアーの模様をレポートしたいと思います。

 

小和田哲男先生は、特に戦国時代に関する研究で知られる歴史学者。数々の著書の他、NHK大河ドラマでは、『秀吉』(1996)、『功名が辻』(2006)、『天地人』(2009)、『江~姫たちの戦国』(2011)、『軍師官兵衛』(2014)、『おんな城主 直虎』(2017)の時代考証を担当される戦国史研究の第一人者です。また、日本城郭協会理事長も務められています。

 

実は、前述の『秀吉と七人の部下』『歴史に諍った七人の戦国リーダー』『真田三代 逆境を生き抜く知恵と戦略』『戦国軍師に学ぶ「勝てる」戦略&戦術立案の極意』はすべて小和田先生が執筆を担当された講座です。(ちなみに、『戦国武将の兵法 乱世を生き抜く勝利の定石』は哲男先生が監修を務め、著者は歴史学者の小和田泰経先生が担当)

 

こうしたつながりもあり、小和田先生執筆の講座を受講された方を対象に、江戸城(皇居東御苑)を一緒に巡るツアーを実施しました。この日は特別ゲストとして小和田泰経先生にもご同行いただきました。心配された天候も、11月だというのに汗ばむほどの陽気。精を出す皇居ランナーを尻目に江戸城散策のスタートです。

 

 

 

散策コースは外桜田門から。安政7年(1860)3月3日、井伊直弼が水戸浪士らに暗殺された「桜田門外の変」でもおなじみの場所です。一般的には「桜田門」と呼ばれていますが、本丸に近いところにある桔梗門が「内桜田門」で、こちらは「外桜田門」が正式名だそうです。「外桜田門は、外側の高麗門と内側の渡櫓門の二重構造で、外桝形といわれる城門。外側の門を開き、内門を閉じておき、敵が侵入してきたら外門を閉じて囲い込むことで、櫓などから弓を射掛けて一網打尽にできる仕組みです」と小和田先生。

 

 

 

 

続いて、正門鉄橋(二重橋)と伏見櫓、桔梗門(内桜田門、以下写真)、桜田巽櫓と、各所で解説をいただきながら散策していきました。

 

 

 

 

 

大手門から東御苑に入り、同心番所や百人番所を見学。中之門跡では柱が建てられていた跡を見て、当時の様子に想いを馳せたり……。

 

 

 

 

 

こちらは富士見櫓。明暦3年(1657)の大火で天守閣が焼失したあとには、天守の代用とされたといわれています。万治2年(1659)の再建で、江戸城本丸の遺構として貴重な存在とのこと。小和田先生は、金などの煌びやかな建造を好んだ秀吉とは対照的に、家康は質素な白漆喰塗りを選んだことなどにも触れてくださいました。

 

 

 

 

続いては松の大廊下跡。現存していませんが、本丸大広間から白書院に続いていたL字型の廊下があった場所です。ここは『忠臣蔵』で描かれる有名なシーン、元禄14年(1701)に浅野内匠頭長矩が吉良上野介義央に対して切りかかった場所。小和田先生によると、忠臣蔵関連の時代劇作品では、この松の大廊下に沿った襖戸には大きな松が描かれているものがあるそうですが、現在では松並木が描かれていたのではないかと考えられているそうです。

 

 

 

天守台では、慶長(家康)、元和(秀忠)、寛永(家光)の各世代の天守について解説。明暦の大火で寛永の天守が消失したあと、再建が予定されていましたが、家綱の叔父である保科正之が財政難などを理由に反対したことで再建されることはありませんでした。この江戸城天守再建中止は全国各地で「天下の将軍様が天守の再建を中止したのだから、我々もすべきではない」との流れにつながったんだとか。「城好きにとっては残念な出来事」と小和田先生。

 

 

最後に、北桔橋門、平川門、高石垣を見学して散策は終了。昼食・懇親会も含め、約3時間のツアーは幕を閉じました。

 

参加された方の中には、城にまったく詳しくないという方もいらっしゃいましたが、熱心に耳を傾けたり、メモを取ったりと、貴重な体験を存分に楽しまれていたご様子。小和田先生の解説を聞きながら巡った今回のツアーでは、改めて歴史を学ぶ楽しさを知るとともに、こうした体験を交えた学びの有意義さも感じることができました。

 

▼小和田哲男先生のインタビューはこちらから

 

 

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