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音楽を聴いて花粉症を治そう

KNOW-HOW

花粉症が流行る季節になってきました。くしゃみや鼻水、ひどい場合には吐き気や頭痛を引き起こす花粉症ですが、モーツァルトの音楽を聴くことで、病状を軽減することができます。今回はなぜモーツァルト療法が花粉症の治療に有効なのかについて学んでいきましょう。

 

花粉症はなぜ起こる?

 

花粉症は、花粉という植物由来の成分によって引き起こされる、過敏症の一種として知られています。花粉症が生じるメカニズムを医学的に説明すると、次のようになります。

 

 

 

 

目や鼻の粘膜面に付着した花粉の成分が、粘膜面を介して体内に侵入すると、人間の免疫細胞がその侵入した花粉成分を排除しようとして、マクロファージが活躍します。やがて、Tリンパ球の反応を経て、花粉に特異的に反応するIgEという抗体がBリンパ球によってつくられます。

 

そして、この抗体は鼻や目の組織の中に存在する肥満細胞と呼ばれる白血球の一種に結合するようになります。したがって、このIgEが結合した肥満細胞が、鼻の粘膜の裏にある組織や目の組織に存在しているので、再び侵入する花粉の成分とそのIgEとの抗原抗体反応が、肥満細胞膜の上で生じます。

 

この結果、肥満細胞は細胞質にあるヒスタミンを放出したり、ロイコトリエンという物質を新たにつくるようになります。これらヒスタミンやロイコトリエンという物質の薬理作用によって、たとえば、鼻の血管が拡張して鼻腔が狭くなって鼻づまりが生じたり、粘液腺が刺激されて鼻水や涙が出たり、あるいはまたクシャミ中枢が刺激されてクシャミが連発して生じるようになります。これらの花粉症の症状はたいへん不快な現象であり、人によっては仕事に専念できなくなったり集中力が失われたりするのです。

 

現代社会での生活が花粉症を悪化させる

 

 

 

 

現代社会と花粉症の関係を考えてみると、精神的なストレスや働き過ぎ、あるいは睡眠不足などの生活習慣、また不安や悲しみ、恐れといった精神状態の増大が、自律神経のひとつである交感神経を過敏にしています。この結果、リンパ球の機能が低下する一方、顆粒球という白血球の一種が増えるのと平行して、活性酸素も増加してきます。この増加した活性酸素は、粘膜面の炎症をさらに悪化させます。

 

活性酸素は、詳しく述べると、スーパーオキシドラジカル、過酸化水素、一重項酸素、そしてハイドロオキシラジカルの4つの分子に大別されます。これらが生活習慣の悪化によって増加すると、増えた分の活性酸素を解毒する力が人間にはないので、放出された活性酸素によって生体の粘膜面や血管壁が傷つけられ破壊されるのです。このために、花粉症の症状はさらに悪化してきます。増加した活性酸素の酸化毒は、顔にでる吹き出物や皮膚の赤い腫れなども引き起こすので、現代人にとって、本当にやっかいな分子なのです。

 

 

花粉症を治すために

 

花粉症を軽減するためには、交感神経優位な環境を改善し、副交感神経を活発にさせることによって、活性酸素が増加しないようにすることがきわめて重要です。交感神経と副交感神経のバランスが正常になれば、顆粒球のレベルも正常になり、顆粒球に由来する活性酸素も減少するのです。この延長線には、目や鼻の粘膜面での炎症や組織破壊も低下することに通じてくるのです。

 

現在、花粉症の鼻づまりのを抑える療法に、ある薬で交感神経刺激を行う方法がありますが、これは鼻づまりが生じた部位の血管をいっとき収縮させて鼻の腫れを抑えるための対症療法にすぎません。加えて、アレルギー抗体であるIgEというタンパク質も、精神的なストレスが増大すると増加してきます。特に、ストレスによって副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンが多量に分泌されると、IgEの産生を促進するリンパ球の機能が優勢になります。その結果、IgEが増加して花粉症の発症率が高くなってしまうのです。したがって、コルチゾ-ルの増加を食い止めることが非常に重要になってきます。

 

 

モーツァルト療法で花粉症を軽減

 

しかし、コルチゾールも、モーツァルトの音楽を聴くことで減少することがわかってきました。この現象は、アレルギー体質に関係するIgEという抗体の量を、音楽によって制御できることを示しています。例年、2月から3月にかけて、スギの花粉がたくさん飛散しますが、その時期よりも数週間前から前もってモーツァルトの音楽療法を日常生活に取り入れておくと、体質が改善され、花粉症の症状の軽減にも効果的です。モーツァルト療法を実践すると、次第に自律神経のバランスが整い、血管全体が拡張して血行が良くなってきます。また同時に、ストレスホルモンも減少してくるので、だんだんとアレルギー抗体も少なくなり、花粉症の体質改善にもつながります。加えて、活性酸素が減ってくるので、この活性酸素毒による鼻粘膜の充血や荒れも改善されていくのです。

 

 

 

 

さらに、モーツァルトの音楽療法を行うことにより、鼻水や涙の中にIgEとは異なるIgAという免疫抗体がより分泌されるようになります。この抗体が多くなると、花粉という異物を、体内に侵入する前にいち早く捕まえることができるようになり、花粉症の発症を妨害することにつながります。
また、花粉症の症状は、身近な食材やお茶類によっても改善されます。特に、野菜類ではニンニク、ニラ、タマネギ、青ジソ、レンコン、トマトなどが抗アレルギー性を発揮します。甜茶や紅茶、羅漢茶などのお茶類、ネトルやユーカリなどのハーブ類にも抗アレルギー性がありますし、乳酸菌製品も効果があります。これらの食材を音楽療法とあわせて摂取しながら、花粉症を撃退する体質をつくりあげていきましょう。

 

 

まとめ

 

花粉症を軽減するために、

 

  • モーツァルトの音楽を聴く

 

  • 生活習慣の見直し

 

  • 食べるものや飲むものの工夫

 

などのことをはじめてみましょう。

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