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創考喜楽

2019.10.02
KNOW-HOW

003『知らないと損するフィンテック100』


 

「フィンテック」ってなに?

 

「フィンテック」という単語を目にしたり、耳にしたりする機会が増えたという人も多いのではないだろうか。

 

「フィンテック(FinTech)」というのは、「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を組み合わせた造語だ。ここでいう技術というのは、IT(Information Technology:情報技術)やICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)のこと。つまり、金融サービスと情報技術を組み合わせたものを指す言葉として使われている。「金融技術」「金融テクノロジー」なんて表され方をすることもある。

 

もともとは米国で1972年に誕生したという説もあるが、少なくとも2000年代前半から用いられるようになっていて、日本において使われるようになったのは、ここ数年のことだ。

 

このフィンテックは、これからのビジネスパーソンにとって押さえておきたい教養の一部といえる。なぜなら、フィンテックの発展によって「お金の流れ」が大きく変わりつつあるからだ。

 

通信教育講座『知らないと損するフィンテック100』では、フィンテックに関する、世界あるいは国内の動向や、各種サービスの仕組みなどを押さえた内容になっている。どんな技術革新があって、どんなビジネスが登場したのか、ぜひこの講座で学んでみて欲しい。

 

今回はこの「フィンテック」について簡単に紹介していこうと思う。

 

フィンテックはすでに身近なものになっている

 

フィンテックという言葉自体が最近耳にするようになったので、フィンテックは新しいサービスを指すものだと思っている人もいるのではないだろうか。しかし「金融×テクノロジー」としてとらえ直してみると、すでに身近になっているものも多くあるのだ。

 

国内においてはNTTドコモの「おサイフケータイ」が先駆け的な存在といえる。いまでこそ、AppleやGoogleがスマートフォンに決済機能を搭載させているが、「おサイフケータイ」がスタートしたのは世界的企業よりも10年以上前の2004年のことだ。

 

すでに普及しているといえば、「電子マネー」もそうだ。たとえば、「Suica」や「PASMO」などの鉄道系電子マネーは、通勤通学だけでなく、コンビニエンスストアなどでの支払いにも利用でき、すでに我々の生活に密着したものになっているといえるだろう。

 

ネット上で現金を用いず商品が買えるネットショッピングサイトでは、決済にクレジットカードを登録することがあるが、この仕組みや、クレジットカードそのものも、決済を情報として扱うという観点からフィンテックに含まれる。

 

そして、テクノロジーの進展によって新しいサービスも続々と登場している。その代表格ともいえるのはモバイル決済サービスだ。国内でも「LINE Pay」「PayPay」といったサービスが各社から登場している。スマートフォンのアプリを使って店頭レジなどで支払いができたり、サービスによってはQRコードを使って友人間でお金をやり取りしたりといったことができる便利なサービスだ。

 

他にも、AI(人工知能)が資産運用をアドバイスする「ロボットアドバイザー」、ネット上で資金調達をする「クラウドファンディング」、家計や口座情報を一元管理できる「家計簿アプリ」なども登場している。社会に大きなインパクトをもたらした「仮想通貨」も記憶に新しいところだ。代表的なビットコインでは「ブロックチェーン」という技術が用いられていて、これは社会の仕組みを大きく変える可能性を持った技術ともいわれ、世界中で注目を集めている。

 

これらのサービス、あるいは仕組みを総称して「フィンテック」と呼んでいるのである。

 

お金の流れを知り、チャンスをつかむ

 

このように、預金や貸金、為替(振込・送金)、支払管理、会計仕訳、運用支援などの分野でフィンテックが登場しているが、これらはもともと銀行の業務とされてきたものだ。

 

しかし、技術の発達によって金融がデジタル化され、お金はネットワークを介してやり取りされる情報となった。すると、この扱いを得意とするIT企業が金融分野に新たなプレーヤーとして続々と進出。利便性を重視したフィンテックのサービスを次々に生み出し、ビジネスチャンスを掴んでいるというわけだ。

 

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が「銀行は将来必要なくなる」と発言したのは1994年のこと。これまで銀行が担ってきた金融のあり方が「フィンテック」によって大きく変わりつつある。今後もフィンテックはますます発展していくことは間違いないだろう。フィンテックについて理解を深めることは、これからの「お金・経済の流れ」を知ることにもつながる。そこに新たなビジネスチャンスがあるかもしれないのだ。

 

 

 

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