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創考喜楽

2019.07.05
KNOW-HOW

001 『細谷式・地頭力トレーニング』


 

地頭力——そもそも、なんて読む?

 

「地頭力」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

「じとうりょく」ではない。そんな、鎌倉幕府チックな話ではない。「じあたまりょく」と読む。

 

地頭力とは仕事に必要な「考える力」のことで、東洋経済新報社の『Think!』2007年春号に取り上げられたのがきっかけとなり、世に知られるようになった。

 

当時、この『Think!』に記事を寄せた地頭力の大家・細谷功氏が、自身の思考を余すところなく詰め込んだのが、今回紹介する通信教育講座『細谷式・地頭力トレーニング』だ。

 

 

 

なぜいまも、地頭力が注目を集め続けているのか?

 

いまもなお「地頭力」が注目を集め続けている大きな理由として、近年目覚ましい進化を遂げている「ロボット」や「AI」が挙げられる。

 

近い将来、私達の仕事の多くは、ロボットやAIに取って代わられると言われている。莫大な知識を記憶でき、与えた作業を素早く正確にこなすことができるこれら最新テクノロジーの産物に淘汰されないために、ビジネスパーソンに必要な力は何か?

 

その答えが、考える力、地頭力なのだ。

 

なぜなら、ロボットやAIは考えることが苦手だから。だからこそ、知識や情報の「量」に頼るのではなく、いま自分の持っている知識や情報を最大限に活かして、仮説をたてたり、根本から考えたり、未知の世界に思考を広げたり。これからの時代、このような「考える力」が本当に必要になってくる。

 

 

「考える」とは何か?

 

ところで、「考える」について考えたことはあるだろうか?

つまり、考えるにはどうしたらいいか、考えるとはどういうことなのか、ということだ。

 

逆説的かもしれないが、この講座はまず、自分がいかに「思考停止」の状態にあるかを自覚するところから始まる。そこから、思考回路を起動する(考えはじめる)第一歩として、「なぜ?」という疑問視の活用方法を学んでいく。考えることの基本中の基本といえるものだが、誰もが実践しきれていないテクニックだ。

 

次に、「知識力重視」の傾向を「思考力重視」へ、「完璧主義」の傾向を「仮説思考」へと、思考回路の転換を促す。その過程で、「フェルミ推定」というテクニックを学ぶ。さらに、自らの思考のクセを認識・矯正し、思考の盲点を探し出すために「フレームワーク」を用いる。

 

「なぜ?」という問いと「仮説思考」、「フレームワーク思考」が地頭力=考える力の根幹というわけだ。

 

考える力について学ぶため、テキストはただ解説するだけでなく、実際に考えさせるためのワークを多く設けている。また、最初に考えさせてから、解説を展開していくパートもある。添削課題にも、ただの知識確認にとどまらない、頭を使って考える必要のある問題が多い。

 

そういった意味で、受講は大変かもしれない。ただ、得られるものも大きいはずだ。

 

 

考えられるようになると、何ができるようになるか

 

細谷氏はテキストでこう言っている。

 

 

「考える」ことで、仕事上でも日常生活でも、他の人と違う個性が出せるようになっていきます。

このように書くと、「他の人と同じで何が悪い?」という声が聞こえてきそうです。

例えば、みなさんがお客の立場でお店に行った時に、良い印象を受けた店員さんのことを思い出してみてください。その人たちに共通していることは、「他の人が当たり前のようにやっている以上のことをやってくれた」人たちではないでしょうか?

 

 

つまり「考える力」を身につけると、相手の「期待を超える」価値を生み出すことができるということだ。

ビジネスパーソンとして、進化できるということだ。

 

 

あなたは普段、本当に考えているか?

 

最後に、「自ら考えている度チェック」にぜひ取り組んでほしい。

 

 

当てはまる数が多いほど、「思考停止状態」の度合いが高いということになる。

 

若手から管理職まで、あらゆる人に受講してほしい講座だが、特に、3つ以上当てはまった人には、ぜひ、受講してほしい。

 

 

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