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【空調制御】快適空間は 空気の流れが肝心!

KNOW-HOW

空調とは何か?

 

空調とは、建物内の空気を、中にいる人間や物のために最適の状態に保つことです。空調の状態を表す要素には、温度・湿度・気流・清浄度の4つがあります。これらをさまざまな環境に応じて、調節していくことが大切です。

 

昔、夏の暑いときには、窓を開けて風を通したり、すだれで日の光をさえぎったり、打ち水などをしていました。また、冬には、火鉢やこたつを利用したり、寝る際には湯たんぽを使ったりしていました。現在ではこれらの代わりに、エアコンなどの機械を使って、快適な環境を作り出しています。

 

また、空調は対象ごとの大きな分類として、保健空調と産業空調の2つに区別されています。保健空調とは建物の中にいる人を対象とした空調です。一定規模以上のオフィスビルなどでは、ビル管理法により、空調の基準が定められています。一方の産業空調はコンピュータなどの機械や工場での作業環境を対象とした空調のことです。保健空調よりもきびしい環境が必要となります。

 

※気流
空気の流れのこと。人間の温感や冷感に密接に関係する。気流がないと空気の流れが滞り、温度や湿度などに、不均一な状態が生じてしまう。

 

※清浄度
ほこり・一酸化炭素・炭酸ガスなどが空気中に含まれている度合いをいう。

 

快適な環境はどうやって決まる?

 

私たちが感じる快適さというものは、気温だけに左右されるものではなく、湿度、風速、太陽放射量などに影響されています。その中でも、際立って影響を受けるのが湿度です。むし暑さを感じたり、乾燥していると感じるのは、湿度に左右されることが多いのです。湿度が高いと、一般に不快を感じます。梅雨のジメジメとしたうっとうしさを想像するとわかりやすいでしょう。

 

夏になると、テレビや新聞の天気予報などでよく報道されている「不快指数」という言葉があります。不快指数とは、単に暑さだけではなく、湿度を加えてむし暑さを表すために考案された指数で、1959年の夏より、アメリカの天気予報で採用されたものです。わかりやすくいうなら、私たちが感じる「むし暑さ」を数値に表したものです。一般に、その数値が70以下であれば快く、不快指数が70以上になるとやや不快を感じはじめ、75以上になると半数以上の人が不快感を訴え、80以上では大抵の人が不快を感じるだろうと考えられています。

 

 

オフィスでデスクワークをしている場合、一般的には、夏は室温26℃・湿度50%、冬は室温22℃・湿度40%程度が快適とされています。しかし、空調機を利用して無理やり快適な温度を作ろうとすると、エネルギー量が過剰に増加するなど地球環境問題へと影響を与えるため、クールビズやウォームビズを利用することで、夏では室温28℃、冬では20℃に空調機を設定するよう推進されています。

 

熱はどこから発生する?

 

室内に発生する熱には、さまざまなものがあります。たとえば、太陽光が窓から直接入り込むことで生まれる熱、太陽によって屋根や壁が温められるために生まれる熱などはマンションなどの最上階が特に熱いといわれています。他にも、照明やテレビ、冷蔵庫などの電気製品から生まれる熱、人体から生まれる熱、夏など室内よりも熱い空気が窓などから入ってきて生まれる熱など、その種類はさまざまです。こうした熱は、そのままにしておくと、室内温度が上がりっぱなしになります。

 

現在では、この熱を下げるために冷房を使うことが多くなっています。しかし、こうした冷房の使い過ぎが、外気の気温を上げる原因のひとつになっているのです。都市部では、ヒートアイランド現象などといわれるように、大量のエネルギー消費などにより、屋内は冷房で涼しくはなりますが、一方の屋外にはかえって熱がたまってしまうのです。昔は、今のように外の気温が40℃近くまで上がることはなかったかと思います。それは、エアコンが普及していない中、風通しを工夫したり、打ち水などをしたりして、人間の手で空調活動をおこなっていたためです。また、道路もアスファルトばかりではなく、街中に土や緑が多かったことも、ひとつの理由となります。

 

近年、特に都市部では、夏が来るたびに「暑い、暑い」といって、冷房の設定が「強」の状態で利用されています。確かに、40℃に近づく夏の気温は暑いものですが、ただ不満を漏らしてエアコンのスイッチを入れるのではなく、その暑さや熱はどこから生まれてくるのかをしっかりと考え、一時的に暑さをしのぐのではなく、長期的な観点から、空調の設定をおこなっていく必要があります。

 

※ヒートアイランド現象
都市部の気温が、周辺部地域の気温よりも高くなる現象。その原因には、アスファルト舗装、ビルからの輻射熱、冷房の排気熱、車の排気熱などが考えられている。

 

空調が人体へ及ぼす影響

 

空調機器の利用は、環境に影響を与えるだけではありません。空調の設定や、空調設備自体を原因の一端として、人体へ悪い影響を与えることもあります。以下は、代表的な例です。

 

Ⅰ.ヒートショック
エアコンが普及した現在、室内温度が過度に上下するために、ヒートショックという症状が現れることがあります。これは冷暖房時に、室内と外気との温度差が激しい場合、室内と外を出入りすると、著しい不快を感じるというものです。食品が温度変化によって品質を変えるのと同じようなもので、度合いが大きくなると、血圧の急変動や脈拍が速くなるなどの影響がでます。

 

ヒートショックには、冷房時のコールドショック、暖房時のホットショックがあります。室内外の温度差が、冷房時に3~5℃の範囲内、暖房時に10~20℃の範囲内なら、一般にヒートショックは起こさないといわれています。

 

Ⅱ.レジオネラ感染症
レジオネラ属菌という細菌の一種がありますが、これがレジオネラ感染症の原因となっています。この細菌は、空気中の微小な水滴に混じって飛散し、感染すると発熱や肺炎などを発症してしまうのです。レジオネラ菌は、水のあるところを好み、空調設備の冷却塔や中央式の給湯設備などで繁殖しやすいとされています。

 

空調誘導をおこなって省エネする

 

空調の省エネルギー化をするには、建物の断熱・気密性の増加、電気製品などは省エネルギータイプのものを使うようにし、エアコンなどの空調機器は高効率のものを使います。しかし、こうした省エネ活動の実践には、建物の建て替えや新しい空調機器の購入など、大きなコストが必要となります。

 

そこで、あまりコストをかけず、いまある空調機器を使用したままエネルギー消費を改善する方法として、空調の誘導があげられます。エアコンから放出された空気のすべてが、部屋の空調に生かされているわけではありません。暖房の熱が天井にたまる、人がいないところを冷やし続けるなど、無駄に使用されている場合も多いのです。こうした空気をうまく誘導することで、空調効率を高めるのです。これによって、空調機器の設定温度をゆるめたり、利用時間を短くするなど、省エネ効果が期待できます。

 

空調を効率よく誘導する方法としては、ロスのない換気をしながら空調機器を使用したり、扇風機や天井扇(シーリングファン)を利用するといったことがあげられます。とくに、すき間風を防ぐことが大切です。窓のすき間に、すき間風防止テープを貼っておくだけでも効果があります。

 

 

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