地球環境問題に関する話題の中でも、筆頭にあげられるのが地球温暖化の問題です。
簡単にいえば、地球温暖化とは地球が暖まることです。それだけ聞くと、『地球宇が温暖化すれば寒い冬も温かくなり、南国のような素敵な生活ができる地域が広がるのでは?』なんて考えも浮かんできそうですが、実際はそうも言っていられない状況です。
温暖化が原因となって生まれる一番の問題は異常気象です。気候の変動によって、これまでその土地で育てていた作物が作れなくなったり、あるいは自然災害がたびたび起こるようになるなど、私たちの生活にも影響を及ぼしているのです。
地球環境や私たちの生活に大きな影響を及ぼす温暖化ですが、どのような仕組みで発生しているのでしょうか。これを知るためには、地球大気が暖かく保たれるために作用している「温室効果」について理解しなければなりません。まずは下の図を見てください。
図の左側フローの①~④により大気によって吸収され、大気中にとどまった赤外線(熱)によって、大気が保温されます。この保温効果によって地球は冷え切ってしまうことなく、生き物が生命活動するために適した気温に保たれるのです。このような地球大気作用のことを「温室効果」とよび、これが適切に作用することで地球の平均気温は保たれます。
しかし、大気中の二酸化炭素が増大すると、それに比例して温室効果も増大し、結果として大気の温度が上昇します。こうして必要以上に大気の温度が上昇した状態がいわゆる「地球温暖化」と呼ばれるものなのです。
地球温暖化が進むと、温度が上昇し、南極や北極の氷が溶け出し、海面の上昇が起きます。海面の水位が上昇すると、海抜0メートル地帯や現存するいくつかの大都市も海面下に沈んでしまうだろうと言われています。仮に1m以上海面が上昇すると、ニューヨークや上海、さらには東京に至るまで世界各国の沿岸主要都市が水没するでしょう。
温暖化の影響は、それだけではありません。大気温度の上昇によって気候の変動が起こり、大干ばつや大洪水が多くなるのではないかと予想されています。これによって農作物に大きな被害がもたらされ、食料事情がさらに悪化するとも予想されています。
地球環境に大きな影響を与える温暖化。私たちにできることは何でしょうか?
ひとつ例を挙げると熱帯で行われている森林伐採をやめることです。「熱帯雨林は地球の肺」と言われており、化石燃料を使用することで排出される二酸化炭素を吸収し、酸素を放出してくれます。また、エネルギーにおいても化石燃料の消費量を減らし、代替となる風力や太陽、海洋、地熱といった再生可能エネルギーを使うことも有効です。
もちろん国際レベルの取り組みや新しい技術に任せるだけでなく、私たちのライフスタイルを見直していくことも必要です。例えばマイカー移動を交通機関に変えたり、冷暖房の設定温度を少し緩くすることなども、温暖化防止には有効です。普段の生活の中も、物を大切にする精神を持ち、緑を大切にして、必要以上のエネルギー消費を抑えることが、将来の地球環境を守ることに繋がっていくのです。