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【成果事例付き】健康経営の第一歩!真似したくなるユニークな取り組み12選

健康経営は、従業員の健康を重要な経営資源として位置付け、戦略的に健康施策へ投資する考え方です。単なる安全衛生管理にとどまらず、生産性の向上や人材定着、さらには企業イメージの強化へとつながる点が注目されています。
当記事では、健康経営のための実際の事例を紹介します。従業員の健康維持と組織の成長の両方を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
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健康経営とは

健康経営とは、従業員の健康を経営資源と捉え、戦略的に健康管理へ投資する取り組みです。単なる労働安全衛生の確保にとどまらず、生産性の向上や組織活性化を目的とする点が特徴です。
経済産業省は2014年度から「健康経営銘柄」を選定し、2016年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設しました。優れた企業は社会的評価を受けやすくなり、従業員の活力向上と企業価値の向上が期待されています。
健康経営優良法人とは
健康経営優良法人とは、従業員の健康を重視し、経営的な視点から戦略的に健康施策を実践する企業を認定する制度です。経済産業省と日本健康会議が運営し、優れた取り組みを「見える化」することで、求職者や金融機関からの社会的評価を高めることを目的としています。
認定は「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」に分かれ、規模に応じた基準が定められています。認定企業はロゴマークを使用できるほか、自治体や金融機関からのインセンティブを受けることも可能です。
「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」は業種や従業員数によって下記の要件で分けられています。
| 業種 | 大規模法人部門 | 中小規模法人部門 |
| 卸売業 | 101人以上 | 1人以上100人以下 |
| 小売業 | 51人以上 | 1人以上50人以下 |
| サービス業 | 101人以上 | 1人以上100人以下 |
| 製造業その他 | 301人以上 | 1人以上300人以下 |
健康経営優良法人として認定されるには、定期健診受診率100%の目標や長時間労働対策、喫煙対策など、多角的な健康施策の実施が求められます。
健康経営に取り組むメリット
健康経営に取り組むことは、企業にとって下記のようなメリットがあります。
| 生産性向上につながる |
| 従業員の心身の健康状態が改善されれば、欠勤や遅刻が減少し、業務に集中できる環境が整います。経済産業省の調査によると、健康経営施策の実施企業は健康診断受診率や睡眠状況の改善とともに利益率が上昇する傾向が確認されており、健康と業績の間には正の相関があると示されています。 |
| 離職率を減らせる |
| 従業員が安心して働ける環境を整備することで、健康不良や過度なストレスによる退職を防げます。実際に、健康経営優良法人や健康経営銘柄の認定を受けた企業では、全国平均よりも離職率が低い傾向が報告されています。人材定着率が高まれば、採用コストの削減やノウハウの蓄積といった組織の安定性向上にもつながります。 |
| 企業イメージが向上する |
| 健康経営に取り組む姿勢は、顧客や取引先、金融機関から「従業員を大切にする企業」として評価されます。加えて、健康経営優良法人や健康経営銘柄に認定されれば、信頼性が客観的に担保されるため、採用活動において優秀な人材の獲得につながりやすくなります。求職者にとって企業選びの判断基準の1つになる点も見逃せません。 |
健康経営は企業の成長と社会的評価の双方に寄与する経営戦略だと言えるでしょう。
大企業による健康経営の取り組み事例4選

大企業は、多様な働き方や拠点を抱えるため、健康課題も複合的です。実績のある企業は、経営課題と健康指標を結び付け、データを基盤に施策を回し続けています。
ここでは、大企業による実際の取り組み事例を紹介します。
味の素株式会社
味の素株式会社は「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という目標を掲げ、従業員の健康維持を経営の基盤と位置付けています。しかし、コロナ禍でテレワークが増えたことにより、ストレス増大やメンタル休業後の就業継続率の低下が懸念されました。また、在宅勤務やデスクワークの影響で運動不足が進み、生活習慣病リスクの増加も課題となっていました。
これらの課題に対応するため、同社は健康診断後の全員面談やメンタルヘルス回復・再就業支援プログラムを導入し、従業員のセルフケアを支援しました。さらに、健診結果を可視化する「My Health」ポータルや健診成績の改善度を表彰する「健診戦」、食習慣改善を目的とした適正糖質セミナーや社員食堂での減塩ランチ提供など、多面的な施策を展開しました。
取り組み後、メンタル休業後の就業継続率は高水準を維持し、生活習慣リスクの抑制効果も確認されています。従業員エンゲージメント調査でも健康・Well-beingに関する評価が高く、パフォーマンス向上と働きがいの両立を実現する事例となっています。
オムロンヘルスケア株式会社
オムロンヘルスケア株式会社は「Going for ZERO 予防医療で世界を健康に」という長期ビジョンを掲げ、社員が心身ともに健康でいきいきと働くことを企業基盤と位置付けています。コロナ禍により在宅勤務が増え、通勤や外出機会の減少で運動不足が顕在化し、特に血圧や生活習慣病リスクの上昇が課題となりました。
これに対して、全員が血圧や歩数、体重を測定する「コーポレートウエルネスサービス」を展開し、家庭での血圧測定習慣を定着させました。また、ウォーキング施策「オムゼロウォーク」や特定保健指導を導入し、日常的に健康機器を活用してデータを可視化する仕組みを整備しました。
さらに喫煙率ゼロを目指し、卒煙セミナーやチーム制の卒煙チャレンジなど行動変容を促す施策を実施した結果、2017年度17.9%だった喫煙率は2023年度には5.1%にまで減少しました。継続的な取り組みにより、かくれ高血圧リスク者の早期発見や健康習慣の定着が進み、社員のエンゲージメントや心理的安全性の向上にもつながっています。
コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタ株式会社は「従業員の健康がすべての基盤である」という健康宣言を掲げ、持続的な成長のために健康経営を推進しています。同社が直面していた課題は、メンタル不調による休務日数の増加と生活習慣病リスクの上昇でした。
そこで、全従業員を対象とした年2回のストレスチェックを実施し、高ストレス者には産業医面談や外部EAPを用いたカウンセリングを行うとともに、集団分析を通じて職場単位で改善策を導入しました。また、運動不足や食習慣の乱れに対しては、外部サービス「ヘルスアップWEB」を活用し、ウォーキングイベントや健康情報の配信を行い、生活習慣改善を後押ししました。
結果、ストレスリスクの高い職場割合は2022年度13.3%から2023年度5.3%へ減少し、生活習慣面では身体活動の習慣化や喫煙率の低下、睡眠不足や不適切な食習慣の改善が見られました。休務日数の大幅減少には時間を要しているものの、新規休務者数は着実に減少しており、メンタル・フィジカル両面での改善が進んでいます。
健康経営が従業員のエンゲージメントとパフォーマンスを高め、企業価値向上につながった事例と言えます。
日本能率協会マネジメントセンター
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は「社員の価値を最大限に引き出す」という2030ビジョンを掲げ、健康を人的資本の基盤と位置付けて施策を展開しています。同社は健康診断の有所見率が60%台後半と全国平均を上回る状態が続いていたことから、生活習慣改善と健康意識の向上を課題としました。
対策として、全社員を対象にeラーニング「JMAM eラーニングライブラリ®」を活用し、健康関連の知識を体系的に学ぶ仕組みを整備しました。また、睡眠改善セミナーやストレスチェック分析を継続し、社員の心身両面を支援する取り組みを実施しています。
これらの施策によって「定期的に運動している」と回答した社員の割合が増加し、健康を自分ごととして捉える意識も高まりました。2024年には施策発表会を開催し、社員190名が参加するなど全社的な関心も広がり、健康経営の文化が浸透しつつあります。
中小企業による健康経営の取り組み事例4選

中小企業においても健康経営の実践は進んでおり、限られたリソースの中で独自の工夫を凝らす事例が増えています。従業員の健康課題を的確に把握し、インセンティブや社内イベントを組み合わせて改善を図る取り組みは、従業員満足度の向上や組織活性化にもつながっています。
ここでは、中小企業による実例を4つ紹介します。
株式会社ケィテック
愛知県に本社を置く株式会社ケィテックは、技術エンジニアリング業を展開し、従業員が客先常駐で長時間労働に従事することから、過重労働やメンタル不調が課題となっていました。この状況を改善するため、同社は「みんな元気2022活動」と題した健康施策を導入しました。
具体的には、食事・睡眠・運動・禁煙・有給休暇取得など10項目の健康指標を設定し、達成度に応じてポイントを付与し、QUOカードを進呈するインセンティブ制度を実施しました。健康意識調査を基に、従業員が取り組みやすい目標を設定した点も特徴です。さらに、禁煙推進では給与明細に会長からの手紙を同封するなど、意識を喚起する工夫を取り入れました。
結果として、食事摂取や有給休暇取得、禁煙の分野で80%以上の従業員が目標を達成し、健康習慣の定着とともに社内コミュニケーションの活性化が進みました。
株式会社岡崎土質試験所
株式会社岡崎土質試験所は、従業員の半数が女性であり、女性特有の健康課題を抱える世代が多いことから、健康面での不安を和らげる仕組みづくりが課題でした。そこで同社は、女性従業員や女性管理職が担当する健康相談窓口を設置し、気軽に相談できる環境を整備しました。
実施したのは、創業者自身が過去の悩みを発信することで相談のハードルを下げ、積極的に声をかける体制の導入や、健康に関するおたよりの配布やランチ会など、日常的に健康を意識できる取り組みです。その結果、2023年度には女性従業員からの相談が全体の88%に達し、早期の体調変化への対応が可能となりました。
また、健康経営を通じて従業員のモチベーションが向上し、職場が明るくなったとの評価を顧客からも得ています。離職率は0%となり、従業員からは「自社以外では働けない」といった声も出るほど定着率が高まりました。
株式会社石井工機
株式会社石井工機では、従業員の多くが慢性的な腰痛や肩こりに悩まされ、突発的な体調不良による欠勤が頻発していることが大きな課題でした。同社は月1回、作業療法士とキャリアコンサルタント両方の資格を持つ外部講師を招き、心身の不調の関係性を理解し、元気に働ける体作り・心作りを目的とした研修を実施しました。また、産業医や作業療法士、柔道整復師、総務部を含む健康管理チームを組織し、従業員の声を踏まえた対応方針を月1回協議する体制を整えています。
実施直後は突発的欠勤の平均回数が増加したものの、これはメンタル面や持病を抱える従業員の影響が大きく、健康意識の向上や相談体制の充実という効果は着実に表れました。特に2020年の代表交代以降、人を大切にする姿勢を重視し、働きやすい環境づくりを徹底したことで、それまで毎年出ていた離職者がゼロとなりました。
従業員が安心して働き続けられる職場環境を整備したことが、結果として定着率の改善と人材力の強化につながっています。
株式会社プロデュース
株式会社プロデュースは、介護事業を営む中で高齢の従業員が多く、仕事による足腰への負担から腰痛に悩む社員が増えていることが課題でした。取り組みの中心となったのは、介護施設利用者と一緒に行うラジオ体操やリハビリ体操で、社内の理学療法士の意見を取り入れて運動を習慣化しました。また、自宅でも実践できる運動メニューのチラシ配布や腰痛対策動画を従業員の家族にも共有することで、健康意識を家庭にも広げています。
こうした取り組みは社員のモチベーションを高め、利用者からの応援も励みとなって継続性を担保しています。結果として「6か月以上前から健康づくりを始めている」と回答する従業員が40%から44%に増加し、運動習慣の定着や健康意識の向上に成功しました。
高齢になっても強みを発揮しながら働き続けられる環境が整備され、従業員の活力と組織の安定性が向上しています。
ユニークな健康経営の施策事例4選

健康経営の取り組みは企業規模を問わず進んでいますが、特に中小企業では独自性を生かしたユニークな施策も注目されています。従業員の健康課題に合わせた工夫や専門家を招いた取り組みなど、柔軟で実効性の高い施策は職場の雰囲気を明るくし、自然に健康意識を高める効果を生み出しています。
ここでは、健康経営への取り組みの中でもユニークなものを紹介します。
東イン株式会社
大阪府に拠点を置く東イン株式会社では、従業員が健康課題を抱えやすい状況にあり、自らの健康意識を高める必要がありました。特に腰痛や肩こりに悩む社員が多く、体調不良による業務への影響が課題となっていました。そこで同社は、もともと導入していた「ノー残業デー」を発展させ、第1・第3水曜日を「健康推奨日」と設定しました。
さらに、プロの鍼灸師を招き、社内で施術を受けられる機会を設けることで、従業員が体のメンテナンスの大切さを実感できるようにしました。取り組み開始から3年で、腰痛や肩こりを抱える社員は19人から4人へと大幅に減少し、体調不良による休職者もゼロになりました。
現在では、日常的に運動や体のケアを意識する職場風土が形成され、従業員一人ひとりの健康意識が着実に高まっています。
静岡部品株式会社
静岡部品株式会社は、2015年に若手従業員が病気を理由に退職したことをきっかけに、健康経営へ本格的に取り組み始めました。当初は「治療・再発予防」が中心でしたが、次第に予防に重きを置いた施策にシフトしています。
具体的には、静岡県と連携して血圧測定習慣化促進事業を実施し、血圧リスクを可視化しました。また、毎月の「健康の日」を設け、ヘルシー弁当の提供や健康チェックコーナーの設置を継続しています。有給休暇を取得して通院しやすい環境づくりにも力を入れた結果、傷病日数は2018年の682日から2022年には129日まで減少し、休職者数もゼロになり、従業員自身も健康改善を実感する職場環境が整いました。
株式会社笠間製本印刷
株式会社笠間製本印刷は、金融機関の取引先からCSR活動への関心が高まっていたことを背景に、健康経営を自社のCSRの一環として導入しました。当時、石川県で健康経営優良法人の認定を受ける企業が少なかったことも後押しとなり、経営層が強いリーダーシップを発揮して取り組みを推進しました。
具体的な施策としては、部署ごとに残業時間を含めた業績目標を設定し、達成度を管理職の賞与に反映させる仕組みを導入。さらに、定時になると管理職のパソコンを自動的にシャットダウンするシステムを導入することで、上司が早く帰宅する文化をつくり、部下の残業削減にもつなげました。
経営層自らが健康経営セミナーへの参加や金沢マラソン完走、スポーツジム法人契約の推進など積極的に関与した結果、従業員の健康意識が高まり、採用面接では「福利厚生が充実している企業」との評価を得るまでに至りました。
LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社では、社員食堂の利用実態を調査した結果、揚げ物中心の食生活に偏り、脂質の過剰摂取による健康リスクが浮き彫りとなりました。そこで同社は「揚げ物税」として、揚げ物メニューを一律100円値上げし、その分焼き魚や煮魚などの健康的なメニューを150円値下げする価格設定を実施しました。
これにより社員が自然と魚料理などを選びやすくなり、食生活の改善を促しています。この取り組みは単なる健康支援にとどまらず、社外からも先進的な事例として注目され、企業イメージの向上にもつながっています。
健康経営に取り組むステップ

健康経営は場当たり的に行っても成果が定着しません。経営資源として計画的に扱い、全社で継続的に推進しましょう。取り組む際は、次のような手順で進めるのがおすすめです。
| 1. トップダウンで健康経営に取り組む宣言をし、プロジェクトチームを発足する |
| 経営層が明確な方針と目標を示し、人事・労務・総務に加え、産業医や保健師、現場管理職、データ分析やITの担当者を含む横断チームを編成します。推進責任者を置き、意思決定と実行のルートを明確にします。 |
| 2. 健康課題を洗い出し、改善目標を設定する |
| 健診結果やストレスチェック、長時間労働の実績、欠勤・遅刻、プレゼンティーズムの指標を収集し、課題の原因を特定します。睡眠や体重、喫煙など行動指標も把握し、KPIと期限を伴う数値目標に落とし込みます。 |
| 3. 職場全体で取り組みやすい施策を設計し、実施する |
| 長時間労働の是正、禁煙支援、運動機会の提供、食環境の改善、メンタルヘルス相談体制の強化、管理職向けマネジメント研修などが施策の例として挙げられます。制度面と行動支援を組み合わせ、参加しやすい仕組みにしましょう。 |
| 4. 結果を評価し、PDCAサイクルを回す |
| 健診受診率や十分な睡眠者率、残業時間、離職率、満足度の推移を定点測定し、目標達成度と投資対効果を検証します。未達の要因を分析し、施策内容・対象・周知方法を改訂します。認定取得を目指す場合は要件とのギャップも確認します。 |
社内の理解を高めるために、研修を施策へ組み込む方法も効果的です。研修について迷ったときは、ぜひ下記ページもご覧ください。
まとめ
健康経営は、企業にとって単なる福利厚生ではなく、持続的成長を実現するための経営戦略です。大企業から中小企業まで幅広く導入が進み、生活習慣改善やメンタルヘルス支援、ユニークな健康施策など多様な取り組みが実践されています。
従業員の健康を守ることが企業価値の向上に直結する時代となっており、計画的かつ継続的な施策の推進が求められます。今後は各社が自社の課題に合った取り組みを進め、社会全体で健康経営を浸透させていくことが期待されます。
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