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部下や後輩のメンタルを支える、
たった1つの大切な行動

KNOW-HOW

 今回は、少し本題から外れますが、あなたが部下や後輩、友人などのメンタルを支えるためのヒントについて学びます。

 

 

 たとえば、食品や洗剤のような日常用品は安価で使用頻度も多く、しかも主婦が主な購買層です。そのため(こういう言い方は誤解を招くかもしれませんが)、クレームも頻発します。家族の健康を守る主婦としては、購入した商品に疑問や不安があれば問い質すのは当然のことです。そこでどのメーカーも、消費者窓口を充実させてクレームには迅速に対処できるようにしています。一つ対応を間違えると企業イメージが傷つき、業績にも想像できないダメージを与えることがあるからです。

 

 

 けれども、消費者のクレームを直接、電話で受け止める窓口の担当者は大変です。いくら仕事とは言え、出社するなり苦言、不満、ときには罵詈雑言も混じる電話を受けなければいけません。しかも担当者のほとんどは同じ女性です。子どもがいたり家庭をもっている人も珍しくありません。そういう女性が、同性からの悪い感情を毎日、絶え間なく受け止めるのですから、よほど精神的に強くなければ務まらない仕事です。なかには仕事中に泣き出してしまう担当者もいるほどです。そういう過酷な職場の責任者には何が求められると思いますか?

 

 

 

「共感すること」こそ、もっとも重要な行動

 

 

 上述のような環境の担当者にとって重要なこととして、タフでなければならないとか、スタッフの手に負えないクレームには自分が乗り出して解決に当たるというのは当然のことです。しかし、いちばん大事な役割は、自分がスタッフの感情の受け皿になることだと言います。朝から晩まで気の滅入るような電話を受け続けるスタッフは、頭ではそれが自分の仕事、しかも会社にとって大事な仕事だということはわかっていても、感情は怒りや悔しさ、悲しさでいっぱいになっています。とくに経験の浅いスタッフほど傷つきやすいのです。しかし、周囲のスタッフも全員、同じ仕事をしています。つらいのは誰でも同じはずですから、「我慢しなくちゃ」と自分に言い聞かせます。その我慢にも限界があり、「みんなにはできても、私にはとてもできない」と自信をなくしてしまいます。

 

 

 そうなる前に、責任者はスタッフの心にたまったマイナス感情を思う存分に吐き出させて自分が受け止めるのです。有能な責任者ほど、部署全体に目を配って誰がつらそうか、自信を失いかけているかを見抜き、自分から席に近づいて「嫌な仕事だよね」と声をかけてあげるそうです。怒りや悔しさや悲しみといったマイナス感情は、それを誰かに打ち明けるだけで整理されることがあります。根本的な解決はできなくても、言葉にして吐き出し、それを相手が聞いてくれると、次第に気持ちが落ち着いてくるからです。「いつまでも怒っていても始まらない」とか「悔しいけど乗り越えるしかないのかな」といった気持ちになります。不満が膨らんだり、自信を失いかけているときも同じです。その気持ちを誰かに素直にぶつけ、聞いてもらえただけでも冷静さが戻ってくるのです。少なくとも、誰にも打ち明けられずに一人で抱え込んでいるより、気持ちの整理はついてきます。

 

 

 いま紹介したクレーム処理のスタッフも同じです。責任者が「嫌な仕事だよね」と言ってくれれば、自分の気持ちを隠さず打ち明けることができます。電話でひどいことを言われたときに自分がどれだけ傷ついたかといった話でも、我慢し続けるよりは打ち明けたほうが心は軽くなります。言葉にするだけのこと、聞いてくれる人がいるだけのことでも、ずいぶん違うのです。

 

 

 この責任者は、とにかくスタッフの身になって話を聞いてあげるそうです。仕事の意義を説いたり、自分の意見を口にしたりすることもなく、相手の心にたまったマイナス感情の受け皿になってあげるのです。するとほとんどのスタッフは、「もうちょっと頑張ってみます」と自分から言い出すそうです。共感できる人は、ただそれだけで相手の感情を整理させることになります。その結果、理屈で説得するよりはるかに理性的な結論を導くことができるのです。

 

 

 

 

 

 

 

「共感」は、こうして生み出す

 

 

 共感は相手の感情を受け止めることと、自分の感情を素直に表わすことで生まれます。 そのとき、相手の感情をわかろうとする気持ちが大事なのは言うまでもありません。「この人はいまどんな気持ちでいるのか」とか、「何を訴えようとしているのか」という相手への気遣いがなければ、自分の感情を押し付けるだけになってしまうからです。

 

 

 相手をわかろうとする気持ちがあれば、その人の言葉や表情、仕草や態度などの目に見える情報にも敏感になります。そのような情報にもともと敏感な人とそうでない人がいるのは事実ですが、相手とどんな気持ちで向き合うかによって、受け取る情報の量がまったく違ってくるのです。たとえば、親が子どもの悩みを聞く、学校の先生が生徒の悩みを聞く、あるいは上司が部下の悩みを聞くといった場合には、まず徹底的に話を聞く態度を取ります。相手の言葉にうなずき、同調する気持ちがなければそこに共感は生まれません。相手の話をさえぎって、「それは甘えじゃないか」とか「君が悪いんじゃないか」と反論をぶつけてしまうと、その段階で感情的な共感がなくなります。共感できない相手、共感してもらえない相手に自分の悩みを打ち明けてもわかってもらるはずはありませんから、「この人ではダメだ」とあきらめます。そうなればもう、相手がどんなに悩みの解決策を提示しても感情的に受け付けません。むしろ反発してしまうのです。

 

 

 

まとめ

 

まずは部下や後輩の話に耳を傾け、共感の意を伝えることが大切です。

 

 

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