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宝くじを買う人は理性的?感情的?
感情コントロールの必要性

KNOW-HOW

 感情には「いい感情」と「悪い感情」があります。「いい感情」は私たちの仕事や人間関係に肯定的な気持ちをもたらしてくれますが、「悪い感情」はその逆です。仕事の安定感やパフォーマンスを低下させ、考え方や人間関係へも悪影響を与えます。言い方を変えれば、「悪い感情」さえコントロールできれば、私たちの毎日は大きく違ってくるはずです。そこで、本連載では、悪い感情をコントロールするための技術を紹介していきます。

 

 

 第1回は、連載をはじめるあたって、なぜ感情コントロールが大切なのかについて、具体的に掘り下げていきます。とくにビジネスパーソンは、自身の感情を整理し、うまく扱うことが大切だといわれていますが、これは一体どうしてなのでしょうか。

 

 

感情コントロールはなぜ大切か

 

 

 質問します。

 

 

宝くじを買う人は理性的でしょうか、感情的でしょうか?

 

 
 
 
 
 
 
 

 

 

 あなたはこれをどう考えますか?

 

 

「確率が低いのはわかっている。でも買わないかぎり当たらないんだから買う」
こういう理由で買う人は、理性的でしょうか、感情的でしょうか。

 

「買えば当選発表まで夢を見られる。たった1枚でもワクワクできるんだから外れても損ではない」
こういう理由で買う人は理性的でしょうか、感情的でしょうか。

 

 

 この問いに答えは出てこないのではないでしょうか? ちょっと考えるだけなら「理性的な人は宝くじなんか買わない」と答えそうですが、宝くじを買うときの心理というのはある面では感情的ですが、別の面では理性的でもあるのです。

 

 

 

 もう一つ質問しましょう。こちらも同様に、考えてみてください。

 

 

値上がり間違いなしとわかっている土地や株があって、資金が足りなかったとします。

あなたはその土地や株を借金してでも買いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらに関しても、おそらく迷うと思います。しかし、迷うのは理性のせいでしょうか、感情のせいでしょうか?

 

 

 これも答えが出ないかもしれません。「借金しても買う」という結論は理性なのか感情なのか、あるいは「借金してまで買うつもりはない」というのは理性なのか感情なのか、いくら考えても答えは出てきません。

 

 

 つまり、理性と感情は切り離せないということです。両者は別のもののように見えても、あるいは対立するもののように見えても、実は境界線が曖昧ではっきりと区別できないのです。

 

 

 

我々には、つねに感情がつきまとう

 

 

 私たちは、理性と感情を切り離すことができません。

 

 

 しかし、それでも私たちは、何らかの結論を出します。宝くじは買う人と買わない人に分かれ、儲け話には乗る人と乗らない人に分かれます。ということは、私たちの判断や行動には、つねに感情が参加しているということになります。

 

 

 企画会議でも契約交渉でも、理性だけで判断するなら答えはすぐに出るか、あるいは永遠に出ないかのどちらかです。感情のないロボットが議論したら、おそらく永久に結論は出ないでしょう。そして、何らかの答えが出されるというのは、そこに感情が入り込むからです。たとえば相手の熱意にほだされたり、人柄に好感を持ったり、たまたまいいことがあって上機嫌だったのでOKを出したりといったケースは珍しくないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここで説明していることに疑問を持つ人もいるかもしれません。「私は感情で判断を下すことはない」という人ももちろんいることでしょう。ただ、理性だけで判断できないことはいくらでもあるということを胸に留めておいてください。判断が難しいときほど、感情が答を出してくれることもあるのです。

 

 

 そこがわかってもらえれば、なぜ感情のコントロールが大事かということもわかってきます。悪い感情はしばしば判断を誤らせるからです。他人への悪意は、相手の意見や提案を否定させます。嫉妬や劣等感は自分自身の意見や判断に自信を失わせ、虚栄心や優越感も自分の思い込みを増長させます。しかもほとんどの場合、自分の悪感情に気付かないままに答を出してしまうのです。

 

 

 悪い感情をため込まない、感情コントロールのできる人は、理性で判断したことを感情でも納得することができます。「いいものはいい」「悪いものは悪い」という健全な判断ができるのです。それによってスッキリとした答が出ます。理性も感情も納得できたことなら、私たちは気持ちよく従うことができるのです。ですから、感情を曇らせてはいけません。悪い感情をそのままにしておいてはいけません。この連載で、悪い感情を解消するための技術を習得していきましょう。

 

 

 

 

まとめ

 

  • 我々の判断や行動には、つねに感情が参加している

 

  • 悪い感情によって誤った判断を下さないためにも、感情コントロールは大切

 

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