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創考喜楽

09:ひとりブレインストーミングのすすめ

KNOW-HOW

他人の発想パターンを演じてみる

 

ブレインストーミングとは、新しいアイデアを生み出すことを目的とし、複数人でアイデアを出し合う会議手法のことですが、このブレインストーミングを自分ひとりでやってみる、という発想をもつのもいいでしょう。基本的には自由連想法なのですが、それをひとりブレインストーミングとすることで、少し視点が変わります。

 

まず、B4判やA3判などの大きめの紙を用意します。大きなホワイトボードなら広大な作業領域が確保できます。そこで、ブレインストーミングをしているつもりになって、自由に思いついたキーワードを書き出していきます。

 

何人かのキャラクターを考えて、その人がしそうな発想をしてみる、というのも一案です。身近な人なら発想パターンが見えるでしょう。いかにも課長のAさんが言いそうなこと、同僚のB君が言いそうなこと、新人のCさんが言いそうなこと。ときどき突っ込んだりしながら、自由に発想を広げていくのです。

 

自分ひとりで考えていると、どうしても発想の枠にとらわれることがありますが、もしあの人ならどう言うだろうかという視点を持つことによって、本来なら自分の中にもある発想を外に出すことができるのです。

 

ひとりブレインライティング

 

ブレインライティングという技法もあります。これは、ブレインストーミングをベースにして西ドイツで開発された集団での自由連想法の技法です。ブレインストーミングがどんどんアイデアを出しあってにぎやかに行うのに対して、こちらは基本的に黙って行います。そのため、沈黙のブレインストーミングといわれたりします。

 

具体的な方法としては、まず、3コマ×6行のマス目が区切られた表を人数分用意します。表の一番上にはテーマを書いておきます。参加者は円形もしくは四角形に座ります。そして、それぞれが手元の表の一番上の行の3つのマス目に、3つのアイデアを短い言葉で書きます。制限時間は5分間。前もってテーマを知らせておけば、ここはまず埋まるでしょう。

 

5分経ったら、その表を右隣の人に渡します。手元には左の人から1行目が埋まった表が来るわけです。その1行目のアイデアを眺めながら、次の5分で、2行目の3つのマス目に3つのアイデアを書きます。1行目のアイデアを発展させてもいいし、無関係でもかまいません。これを6回繰り返すと、30分で3コマ×6行の表のすべてが埋まります。アイデアは18個。それにかける人数分のアイデアが生まれたわけです。

 

これをひとりでやる手もあります。いくつかのテーマを同時に考える時などは、思いがけない効果があるかもしれません。

 

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