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創考喜楽

第3回:Whatとはなにか?Whyとはなにか?
~カタチとココロ~

COLUMN

ここまではWhy型思考の「なぜなぜくん」とWhat型思考の「そのままくん」の考え方や行動パターンの違いを示し、思考停止のそのままくんの課題について明確にしてきました。今回は、なにげなく使ってきたWhyとWhatという言葉を定義し、Why型思考とWhat型思考の違いを浮き彫りにしていきたいと思います。

 

WhatとWhyのちがいとは?

 

Why型思考とWhat型思考の違いは、その「見ている対象が違う」ということがその根本にあります。Why型思考のなぜなぜくんが主に見ている対象がここで定義する”Why”で、What型思考のそのままくんが見ている対象が”What”ということになります。
文字通りの単語の意味からすれば、皆さんご存知のようにWhatとは「なに」でWhyとは「なぜ」ということになります。ここからの応用で、Whatというのは、身の回りで起きている個別の事象や一つ一つの情報で、Whyというのはそれらの背景や理由という風に定義します。理由というのは、過去に適用して考えれば「結果」というWhatに対しての「原因」、将来で考えれば「手段」というWhatに対しての「目的」ということになります。
前回の「そのままくん」の特性としてあげた事例に関して具体的に考えてみましょう。上司からの「○○について調べて」というWhatに対しては、「お客様に新しい提案をしたいから」とか「新しい商品企画の背景説明に使いたいから」とかいう、「調査結果の使い道」がWhyということになります。また、「今度の新商品の説明に来て」というWhatに対してのWhyは「そろそろ買い換えたい」かも知れないし、「競合商品に決めかけているのだけれども一応情報だけ欲しい」かも知れません。「規則やマニュアル」というWhatに対してはそれができた背景(トラブルが起こった後の再発を防止するとか)がWhyということになります。

 

「ココロの目」で見なければWhyは見えない

 

では、前回お話したような「そのままくん」の課題とは何なのでしょうか? それは上で定義したWhatだけに目を奪われてWhyの存在に気づいていないということです。ではなぜWhyは見逃されてしまうのか? それはWhatというのは直接目に見える形になっているのに対し、Whyというのは通常直接目に見えないものだからです。目に見えるもの、あるいは耳で聞いた文字通りの言葉を(良くも悪くも)「そのまま」信じて行動に移すのが「そのままくん」の特徴です。つまりそのままくんは肉眼や耳という「体の5感」しか使っていないのに対し、なぜなぜくんはそれらに加えて「心の5感」を使っているのです。これが「考える」ということのある側面における本質ではないかと思います。
言い換えれば、WhatとWhyの違いは「カタチ」と「ココロ」の違いといってもよいでしょう。例えば教育担当者にとっての社員用プログラムというのはWhatであって、それには必ず「どういう人材を育成したいから」とか、「法令順守を徹底したいから」といったWhyが存在しているはずです。それらを常に意識してプログラムを企画・実行していくことによって、もともとあるプログラムに固執することなく「もっといいコースがあるのではないか?」とか「時代に合わせてインターネットを活用していこう」といったようなやわらかい発想ができるのではないでしょうか。
これに限らず、手段(What)にこだわらずに常に目的(Why)を意識するなぜなぜくんは常に柔軟な考え方ができるのです。

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