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創考喜楽

03:メモはその日のうちに見返し、整理する

KNOW-HOW

メモを見返すのは鉄則

 

メモがどんどんとれるようになったら、次に気をつけたいのが、必ずその日のうちに見返すということです。メモをしっぱなしというのでは、メモを十分に活かしているとはいえません。

 

たしかに、メモをしたことによってその内容が記憶に刻まれ、忘れにくくなるという効果はあります。反面、メモをしたことによって、安心してうっかり忘れてしまうという現象も起こるのです。どちらが表れやすいかは、その人の性格にもよるかもしれませんが、メモをしても忘れてしまうのでは話になりません。

 

メモは必ず見返して確認する――これはメモの鉄則です。それがアポイントのメモなら、見返すのと同時にしかるべき場所、たとえば手帳のスケジュール欄に転記したり、パソコンに入力したりします。本来は、スケジュールの入口はひとつにしておくことがミスをなくす条件ですが、外出先や移動中の時間のない時にアポイントが入ることがある人は、メモを使った方が便利ということになるでしょう(ただし、ダブルブッキングをしない工夫は必要です)。

 

しなければいけないこと――つまり、タスクメモや忘れてはいけないものについてのメモは、手帳のタスク欄やその日のメモ欄に転記します。転記したうえで、そのメモをデスクの前に貼っておくのもいいでしょう。

 

いちいち転記するのは二度手間ではないかと思われるかもしれません。しかし、なにも長文を書き写すというわけではありません。ほんのひと手間です。むしろ、そのひと手間によって、そのメモが強く確認されるという効果の方に着目してください。

 

見返すのとセットで転記や貼り付けを行う

 

メモされている言葉は、いわばライブ感あふれるナマの言葉です。とくにアイデアメモなどはその性格が強くなります。いちばん強い言葉ではありますが、時間が経つとその意味が曖昧になってしまうこともあります。

 

そこで、まだその言葉が新鮮なうちに見返して、ひとことふたこと言葉を補足しておくと、後になって思い出すのが楽になります。その時も頭の中ではそのメモを吟味し、深く考えることを忘れてはなりません。そして、手帳のメモ欄やノートに転記する、またはそのまま貼り付けるという処理をします。

 

まとめれば、メモはその情報が新鮮なうちに必ず見返す。見返すとともにそのメモを転記したり、貼り付けたり、補足したりというアクションを行う。これをセットで行うことで、確認と整理が同時に行えるのです。

 

居場所があるメモはそこに転記・入力する

 

アポイントやタスクに関わるメモは、その日のうちに手帳やパソコンなど、本来管理する場所(手帳ならスケジュール欄やタスク欄、パソコンならPIMソフトなど)に転記・入力します。その時点で、そのメモは役割を終えます。万一のバックアップのために一時保管してもいいですが、それでも、そのアポイントやタスクが無事に完了した段階で、そのメモは破棄します。

 

一方、アイデアや使えそうな情報についてのメモはどうでしょうか。こうしたメモについては、すぐに活用できるものとそうでないものに分けられます。

 

すぐに活用できるものというのは、目的が明確になっていることに関するメモです。たとえば月末までに企画書をつくらなければならない時、その企画に関するアイデアのようなメモです。あるいは「出張記録」「話題のネタ」といったものもあるかもしれません。

 

こうしたメモは、手帳やノート、あるいはパソコンにそのためのページやファイルがつくられているでしょうから、そこに転記または入力します。このメモについても、転記・入力したら廃棄してもいいでしょう。

 

メモは溜め込むと、どんどん増えていってすぐに収拾がつかなくなります。捨てられるものはすぐに捨てていくのが、メモ整理の最初のポイントになります。

 

居場所のないメモは溜めて寝かせて熟成させる

 

では、とくに目標や期日が決められていないテーマに関するメモ、手帳やノートなどにも居場所のないメモについては、どのように整理・管理すればいいでしょうか。

 

この種のメモは、すぐに要・不要の判断は下せません。いろいろとメモが集まってきた時にどのような化学反応を起こすかわからないからです。溜めて寝かせて熟成させて、なにものかになる種類のメモがあるからです。

 

とりあえず、こうしたメモは箱や袋に入れておきましょう。といっても、大きなダンボール箱やショッピングバッグのような紙袋は使いません。小さな書類ケースか普通の書類用の封筒にします。

 

そして、折に触れて中身を出して、何に使えるのか考えてみましょう。方向性なりテーマなりが絞れてきたら、その時点でそれだけ別の箱や封筒に独立させます。そんなふうにしてだんだん手応えがでてきたら、手帳やノート、パソコンに展開するようにするのです。

 

気をつけたいのは、単に溜め込むだけ溜め込んで、メモを死蔵化してしまうことです。活用するためには、そのメモが何を導こうとしているのか、よく考えなければなりません。1枚1枚にそれぞれいろんなことが書かれたメモの切れ端を手に持って繰ったり、並べたりしながら、思考をめぐらせるのは、もっとも贅沢な知的作業のひとつだといえます。

 

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