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創考喜楽

第11回 “吉本流プレゼンテーションで行け”

COLUMN

コミュニケーション力の最大の見せ場は、なんといってもプレゼンテーションでしょう。日頃のコミュニケーションの鍛錬度が如実にでてしまう。その上、ビジネスにとってはプレゼンの成否は死活問題です。

 

どうでしょう、じぶんはプレゼンがうまい? そう思う人は、じぶんのプレゼンを思い浮かべてどこがうまいか、考えてみましょう。さあ、どうでしたか? パワーポイントの作り方が良かった? 原稿が良くできていた?内容が良かった?いろいろ、あるでしょう。
では、ちょっと角度を変えた質問。プレゼン最中の相手の反応はどうでしたか? 笑っていた? 突っ込んだ質問はあった? 相手は共感した?
こう聞かれると、うーん。そういう人が多いのではないでしょうか。多分、プレゼンとはきっちりした発表の場、そう思っている人にとっては、戸惑う質問に違いありません。
もう一度考えてみてください、プレゼンの目的。企画を伝えること? 相手を説得すること? 自分たちの実力を示すこと? どれも当たってはいるでしょう。でも、プレゼンの最大の目的は、相手の気持ちを動かすこと。いくらビジネスとはいえ、人間が判断する最終の決め手は感情です。それは大きなビジネス、リスクを伴うビジネスになればなるほど、感情は決断の決め手になります。

 

論理的、客観的な判断はベースになりますが、それだけでは誰が判断しても同じこと。新しい、挑戦的なビジネスへ一歩進もうとするときは、多くの人は直感を重視します。
気持ちを動かす。たしかに難しい。だったら、ビジネス・プレゼンテーションと考えなければどうでしょう。それをいとも簡単そうにやっているものがあります。
「お笑い」。まさに彼らは、人の気持ちを動かすビジネスのプロ。反応がなかったら即刻くびです。例えば、吉本の桜塚やっくん(ご存知だと思いますが、女子高生のスケバンの格好をした芸人)は、観客とのインタラクティブを売り物にしています。客を指名し強引にネタに参加させます。それで会場はみんな自分が参加しているような気持ちになってしまう。それを見ていて、あ、これは巧妙なプレゼンだな、と感心してしまいました。一方的にギャグを言うだけでなく、客を巻き込む。これこそが最高のコミュニケーションです。

 

同じことをビジネスのプレゼンの場で考えてみましょう。

 

  1. 外見:見かけは?アイコンタクトは?ゼスチャーは?笑いは?小道具は使っているか?
  2. 発声:声が通っているか?わかりやすい話し方になっているか?スピードをコントロールできているか?
  3. コンテンツ:結論はわかりやすいか?キーワードを使っているか?シンプルになっているか?わかりきったことを何度も言っていないか?サプライズはあるか?
  4. 場を読む:その場の空気を感じ取っているか?相手に質問などをして緊張感を持続させているか?相手の疑問、不安を先取りしているか?相手をうまく巻き込んでいるか?

 

こうやってまとめてみると、プレゼンテーションとお笑いには共通点が多いことがわかるでしょう。相手を飽きさせず、こちらの思っていることを感情に訴えかける。そのために、一方的なプレゼンではそうはいきません。何よりも、インタラクティブ。プレゼンする相手と同じ気持ち、感情を共有する、それが成功の最大の秘訣です。ビジネスで笑わせる、と考えると難しいですが、お笑いで笑わせるならできそうです。ぜひ、お勧めします、吉本流プレゼンテーション。私はこれでかなりうまくいっています。拙書「ある日、ボスがガイジンになったら!?」の202ページ、クリエイティブの法則をご覧いただくと、プレゼンにも違った視点が必要なことがお分かりいただけると思います。

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