「幸せ」を目指すときに大切なことは、あなた自身の現在の「幸せ度」を認識しておくことです。中には「幸せ度」など測れるのか、と疑問に思う方もいるかもしれませんが、これまでの様々な幸福研究の中で、いくつかの測定方法が開発されています。これらの測定方法を実際に行ってみると、いまの自分の「幸せ度」がわかります。ここで測定方法を紹介しましょう。
主観的な幸福を測る方法はいくつかあります。主な測定方法に、「幸福度」、「生活満足度」、「ディーナーの人生満足尺度」、「感情的幸福」があります。
「幸福度」と「生活満足度」は、それぞれ幸福と生活満足度について一つの質問に答えてもらうために、精度が低く、国際比較も難しいという欠点があります。そこで考案されたのが、エド・ディーナーらの「ディーナーの人生満足尺度」です。実際にやってみましょう。
ディーナーの人生満足尺度
項目は5つあります。
それぞれに対して、1点~7点の7段階で判定してみてください。
・全く当てはまらない………1 点
・ほとんど当てはまらない…2 点
・あまり当てはまらない……3 点
・どちらともいえない………4 点
・少し当てはまる……………5 点
・だいたい当てはまる………6 点
・非常によく当てはまる……7 点
合計点はいくつでしたでしょうか?
研究チームが行った15 歳から79 歳までの日本人1,500 人の調査では、平均18.9 点でした。
この5つの項目に答えるには、人生を深く振り返りる必要があるので、嫌なこと、うれしいことがあったという直近の気分の影響を受けにくく、単に「幸せですか?」と質問されるよりも、自分が幸せかどうかをより正確に測ることができます。
もちろん、点数が低かったからといって悲観することはありません。ここで、あなたは「幸せ」である、「不幸せ」であるとレッテルをはることが目的ではなく、あとどのくらい幸せ度を高めることができるのかを知るためのものです。点数が低かった方も、幸せになるポテンシャルがそれだけ大きく残されているととらえてください。
もう一つ、アンケート調査によって「主観的な幸せ」を測る方法として、現在の感情から「幸せ度」を測る方法があります。
私たちが感じる「幸せ」は、厳密に見ていくと、タイムスパンがあります。「自分の人生は幸せだ」と感じるのは、長期スパンの心の状態です。それに対して、うれしい、楽しいといった感情は、一瞬で消えてしまう短いスパンの心の状態です。ちなみに、幸せな気分、うれしい気分といった感じ方は、長期スパン、短期スパンの中間的な心の状態です。
こうした幸せのタイムスパンで見ると、前述した「ディーナーの人生満足尺度」、「幸福度」、「生活満足度」は長期スパンの幸せを測り、「感情的な幸せ」は、最も短期的なうれしい、楽しいという感情を評価するものです。
では、「感情的幸せ」をどうやって測るのかというと、「ポジティブ感情」と「ネガティブ感情」についての質問に答えてもらい、統計を取ります。では、やってみましょう。
今のあなたは、以下のポジティブ感情、ネガティブ感情にどの程度当てはまるか、1点~7点の7段階で判定し、合計点を出してださい。
・全く当てはまらない…………………1 点
・当てはまらない………………………2 点
・どちらかといえば当てはまらない…3 点
・どちらかといえば当てはまる………4 点
・当てはまる……………………………5 点
・非常によく当てはまる………………6 点
● ポジティブ感情
1 活気のある
2 わくわくした
3 気合の入った
4 きっぱりとした
5 機敏な
6 誇らしい
7 強気な
8 熱狂した
● 8 項目の合計を出してください
● ネガティブ感情
1 いらだった
2 苦悩した
3 ぴりぴりした
4 びくびくした
5 恥じた
6 うろたえた
7 心配した
8 おびえた
● 8 項目の合計を出してください
研究チームが行った日本人15 ~ 19 歳1,500 人への調査の結果は以下のとおりでした。
あなたの合計点は何点だったでしょうか?
今回は、自分の幸福感を測定しました。あなたは今どのくらい幸せだったでしょうか。
幸せになるためには、自分自身の幸福度がいまどのくらいかを知っておくことが大切です。そのうえで、自分が目指したい「幸せ」とは何なのか、心の内を見つめながら、幸せになるために必要なことを考えていきましょう。