ここ1-2年、「最重要教育課題はグローバル人材育成」との話を実に多くの企業でお聞きするようになってきました。
現在の日本がおかれた状況を考えれば、このような課題に帰結することは、ある意味では当然のことなのでしょうが、教育のご担当者のみなさんとお話ししていると、一口にグローバル人材育成といっても、ある会社では異文化理解であり、また他社では語学教育といった按配で、グローバル人材育成自体の捉え方も千差万別といった印象です。まさにグローバル人材育成元年といった様相です。
「異質や異文化を理解しなさい」とは、よく言われるフレーズなのですが、実は我々日本人にとって実行することがとても難しいことなのです。その理由は、日本人の思考と行動が世界の中ではとてもユニークなことによります。さらに、我々はそのユニークな思考と行動が正しくて、それ以外が間違っているというように「善悪」で判断する傾向が高いことにも起因しています。
今月から一年間、このコラムを担当させていただくことになりました。
このコラムでは、タイトルの通り、我々日本人が常識だと感じていることが果たしてどうなのか? ということを通してグローバル人材育成を考えていきたいと思います。
グローバル人材育成においても、「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず」が理です。
篠崎 正芳 氏
1963年生。富士銀行、外務省在外公館派遣員(在豪州日本大使館)、全日本空輸、マーサー・ヒューマン・リソースコンサルティング(現マーサージャパン)取締役兼グローバル人事戦略コンサルティング代表などを経て、2007年より株式会社J&G HRアドバイザリー 代表取締役社長。
人事組織マネジメントのグローバル化・現地化を現場重視で支援する数少ない日本人グローバルコンサルタント。海外拠点における人事制度構築(7 Days Program)、企業文化浸透活動、海外赴任前後研修(実践的多文化マネジメントトレーニング)をはじめとする各種トレーニング、 アセスメント&コーチングなどを中心に活躍中。
著作に『世界で成功するビジネスセンス』、『中国進出企業の人材活用と人事戦略』(共著)、『実践Q&A 戦略人材マネジメント』(共著)、『取締役イノベーション』(共著)
新講座「GLOBAL BUSINESS SENSE&METHOD」が開講します。
本講座の著者、グローバル人事組織マネジメントコンサルタントの篠崎正芳さんにグローバル人材教育の現状についてお話しを伺いました。
新刊
『世界で成功するビジネスセンス』
(日本経済新聞出版社刊)