■今日の事例 :SNS投稿による炎上

C社員によるSNS投稿

社員Cは自分が担当していたR社とのタイアップキャンペーンの担当をしていた。

社員Cはキャンペーンがはじまったので自分のTwitterで、一般個人を装って当該キャンペーンを宣伝し、R社のキャンペーンサイトにリンクを貼った。

営業の一環として先輩社員もよくやっていることだったので、その後も何度かこのキャンペーンをお薦めする投稿をした。

1週間後、そのTwitterアカウントがR社パートナー会社の社員Cのアカウントであることがばれてしまい、「ステマ(ステルスマーケティング)だ」と言われてしまった。

社員Cはどのように対応してよいか分からず、直ぐに自分の過去の投稿をフォローするような追加投稿したが、更に炎上してしまった。

 

※ステマとは「ステルスマーケティング 」の略語で、企業側にいるにも関わらず、あくまで中立的な立場を装い良い口コミ や良い評価を行う行為で、「サクラ行為」とも呼ばれている。

 

 

■考察 :何がいけなかったのか考えてみましょう!

「今日の事例」は担当者であれば、ついやってしまいがちな事例です。

SNSにおける口コミが宣伝における重要な要素の一つとなっている現代では、営業担当者としては『何とかSNSで話題作りをしたい』と考えるのは当然のことと思います。

しかし、SNSが日常化しているからこそ、企業としては十分な配慮が必要となってきます。

 

それでは、今回事例の「リスクポイント(リスクが発生するポイント)」について考えてみましょう。

 

・ステマは『消費者や顧客を騙している』という点で、判明した場合のネット炎上リスクがとても高いものの1つになっています (騙すこと自体、企業の社会的責任を問われることです)

・ITリテラシーの高いユーザーも多く、口コミ評価に関する目も肥えている為、ユーザーを装ったとしても、いずれ必ず身元がばれてしまうと認識する必要があります

 

・会社の公式アカウントだけでなく、個人で投稿するケースを含めた「SNS利用ガイドライン」を作り、社員へのルールの周知徹底が必要です

・『個人のSNSに会社に関する情報は発信しない』や『会社の公式アカウントには、個人情報や機密情報または、不確かな情報は発信しない』などのルールを明文化しておくことが重要です

 

・SNS利用ガイドラインを作り、気を付けていたとしても、現在のネット社会においては、いつ炎上するか分からない為、炎上してしまった際の対処方法については事前に決めておくと、いざという時に慌てなくて良いと思います

・炎上した際の火消しは、スピードを求められること(瞬時の判断が必要)や対処を間違えると更なる炎上に繋がりかねない為、事前の取り決めが重要となります

 

 

■対処 :炎上防止に向けた対応

企業の事業や業務の形態によって事情が異なると思いますので、上記のリスクポイントを踏まえて、SNSでの炎上が発生する可能性を少しでも少なくする方法を考えてみて下さい。

 

 

■結果 :ステマであることがばれたことによる結果

今回の事例で、ステマがネットでの炎上に繋がってしまったことによって発生する結果は何でしょうか?

影響として一番大きいことは「R社とのタイアップキャンペーン」であったことです。結果の可能性として考えられることは以下の2点です。

 

市場のユーザーを騙していた、という観点で企業としての信用が失われる

 

炎上したことがR社にも飛び火し、R社も市場における信用を失う

また、R社が損害を被った場合、損害賠償を請求される

 

 

今回のように、社員が仕事の為に良かれと思ってやってしまう事例の場合は、守るべきルールをできるだけ具体的にし、社員一人一人への周知徹底が必要です。

SNSについては、仕事とプライベートの区別が難しい領域でもありますので、研修などを通じて繰り返し教育していかないと、徹底することが難しいテーマだと思います。

特に、少し前まで学生だった新入社員の入社時の教育研修には必ず入れておくべきテーマだと考えます。

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