創考喜楽

ことわざ科学館

山椒は小粒でもぴりりと辛い

It means... からだは小さくても、気性や才能が鋭く優れており、侮れないことのたとえ。

山椒は小粒でもぴりりと辛い

山椒は薬にもなる

 

まさにその通りで、山椒の実は直径2~3㎜で小粒だがピリッと辛い。これを塩昆布に炊き込んでもよし、乾燥させて粉に引いて、鰻の蒲焼や丼にふりかけても味が引き立つ。このことから、体は小さくても気性が激しく才能の優れた人の例えに使う。今日のエレクトロニクス流にいえば、トランジスタであり、IC(集積回路)である。

 

一方、この反対のことわざが「うどの大木」だ。うど(独活)の茎は大きくても、弱くて役に立たないという意味だ。ただし、その少し苦みのある風味はすばらしく、おつゆに入れたり、軽くゆでて冷やしたものを酢味噌につけたりして食べる。この2組の相反する意味のことわざから、人生から自然界に至るまで、色々な仕組みを想像でき、反省の手段に使うことができる。

 

「山椒目の毒、腹ぐすり」というのもある。山椒を食べると興奮するので、目には悪いが、回中駆除の薬になるという意味だ。また、山椒の若葉(木の芽という)は香りがよいので、香味料や佃煮にするが、薬草としての効果もあり、毒虫に刺されたときには生の薬を揉んで擦り付けると良いと言われている。

 

梅干しの効能

 

このように、薬として用いられてきた食品は数多いが、その一つに梅干しがある。梅干しの効能は、古来、人々に珍重され、よその土地へ行って水当たりしそうになったときの梅干しは実は貴重だった。食欲促進、疲労回復、乗り物酔いの防止なども梅干しの持つ効能である。また、梅干しには口の渇きを止める効果もある。暑さの中で口に粘りができたときも、梅の実の酸っぱさを想像するだけで口に唾が出て、喉の渇きを一時的に止める事ができるからすごい。

 

実際、戦国の武将から近代日本の軍隊の指揮官に至るまで、暑い時期の行軍においては部下の士気を高め、精気を盛り上げるため、「梅干しを頭に浮かべよ」と命令してきたらしい。なお、梅干しがなければ、下唇の下の顎の凹んだ部分を指先で少し強くこするように押すと良い。ここにある唾液腺を刺激するので、数秒間で面白いくらいに唾が出る。