All Rights Reserved by IEC, 2011
Home Contents Contact
第35回:ビジネス・プラン・コンテストにおける価値づくり
 最近、ビジネス・プラン・コンテスト(ビジコン)の審査員をやらせてもらうことがいくつかあります。多くの場合、ビジネス・プラン・コンテストの参加者は大学生なのですが、先日は、中高生のビジネス・プラン・コンテスト(ハイスクール・スタートアップ・サミット:通称、ハイスタ)に参加してきました。

 このコンテストで驚いたのは、高校生だけでなく、中学生のグループもビジネス・プランを発表しているのです。そのプレゼンテーションの力は、なかなかレベルが高い。さらに内容も、あなどれないのです。なんと、インキュベーション・ビジネスをてがけるサムライインキュベートが中学2生のグループのビジネス・プランに出資を決めたのです。

 もちろん、ビジネス・プランはまだまだブラッシュアップが必要なものではありますが、基本的なアイディアやビジネスの考え方は、面白いものです。もしも、ビジネスパーソンのビジネス・プランに混ぜたとしても、遜色ないどころか、アイディアの新鮮さなどでは彼らのほうが優れているものもあるほどです。

 ビジネス・プラン・コンテストは、多くの場合、「プラン」のコンテストですから、実行は伴いません。しかも、「素人」のアイディアです。ただし、「素人」だから光るものがあるのです。「日本企業は技術力が高い」と言われ続けてきましたが、技術力が高いだけでは価値を創れなくなってきています。ビジネス・プラン・コンテストを見ていると、その中には価値づくりという点で、参考になるものもあります。彼らは、技術の使い方やビジネスの慣行などの固定観念から自由であり、純粋にどういうところに価値があるのかという点から考えることが多いのです。グレート・アマチュアリズムというべききらりと光るものがあったりするのです。

Paperboy&coで当時のジャスダック上場最年少を作った家入一真さんは、最近、20代の若手への出資が増えていると言います。固定観念から比較的自由な若い人の新しいアイディアに投資しているのです。

秋には、さまざまな大学でビジネス・プラン・コンテストも行われると思います。ぜひとも、一度、見てみてください。価値づくりという点で、面白いアイディアの原石がころがっているかもしれませんよ。



Back Next
株式会社アイ・イーシー 東京都千代田区飯田橋4-4-15