『フラット化する社会』が出版されたのは2007年でした。著者のトーマス・フリードマンは、2000年代前半の僕らの世界で起きている大きな変化のダイナミクスを分かりやすく描き、ベストセラーとなりました。社会主義体制の事実上の崩壊に端をなす政治的な変化や、情報通信技術の進展を中心とする技術的なイノベーションによって、世界がどんどん小さく、フラットになっていくというストーリーです。
確かに、競争はグローバルになり、企業は最もコスト・パフォーマンスが良い資源を使い、最適地で生産・販売をするようになってきています。ただ、2007年の時点では、まだフラット化に実感はあまりなく、「まだ先の話」という読後感が僕にはあったのですが、これを一変するイベントがありました。
先月、インドの学生と日本企業のマッチングイベントでこの認識が大きく変わったのです。このイベントは、工学系を中心としたインドの大学生や大学院生と、優秀な人材を採りたい日本企業を結びつけるマッチングでした。
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▲フラット化する世界
トーマス・フリードマン (著)
日本経済新聞社 |
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