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第18回:大学の学費 いったいいくら?
シカゴもだんだんと寒さが和らいできました。去年は4月にも雪が降ったりして、なかなか暖かくならなかったのですが、今年は暖かくなるのが早いような気がします。暖かくなると、外でテニスができたり、ミシガン湖でランチを食べられたりするのです。ながい冬を越えて、これから良い季節になって行きます。
今回は、留学費用について書きたいと思います。ただし、留学といってもいろいろんなパターンがあります。ホームステイ、語学留学、専門学校への留学、コミュニティ・カレッジ、大学、大学院への留学などなど様々です。留学の仕方によってかかってくる費用はずいぶん変わってくるはずです。
ここでは大学、大学院への留学の場合を見てみます。また、授業料は専攻によっても変わります。今回は、経済学や社会学、経営学などといった社会科学系の専攻の場合の学費について見てみます。
「アメリカの大学は高い!」というイメージがあります。実際のところはどうなのでしょう?留学を考えるにあたって、切実な問題です。
まず、ノースウェスタン大学の場合はどうでしょう。学部生の学費は、1年間で28,404ドルです。およそ300万円です。大学院も同じ額です(ただし、General Examをパスすると安くなります。)。MBAやLaw
SchoolなどのProfessional Schoolは場合は、1年間34,314ドル(約360万円)となっています。また、これらはあくまで学費のみです。生活費がかかります。本も買わないといけないでしょう。ビールを大量に飲みたい夜もあるかもしれません。学費プラス生活費で、1年にかかる費用は学部生の場合40,263ドルだとノースウェスタンはアナウンスしています。1年で430万円ぐらいです。
高いです。ノースウェスタンは私立大学なので高いのかもしれません。それでは、公立大学の場合はどうでしょう?
まずは、UCLA(University of California Los Angels)の場合を見てみましょう。UCLAに日本から留学する場合、学部では13,730ドル、MBAの場合は29,218ドルの授業料がかかるそうです(州立大学はその州に住んでいるかいないかで、大きく授業料は変わります。)。私立と比べると安いですが、州立の場合も安くありません。ただ、州立大学の学費は州によって違います。シカゴにあるUIC(University
Illinois, Chicago)も見てみましょう。学部で7,881ドル、MBAで10,696ドルとなっています。UCLAと比べるとかなりの差があることが分かります。州立大学と区分しても学費においてかなりの差があるようです。
それでは日本の場合はどうでしょう。公立の一橋大学の現在の学部の授業料はおよそ52万円。大学院はだいたい47万円です。かなり安いです。私立の中央大学の場合は、およそ66万円。法科大学院は結構高くて、140万円となっています。
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Northwestern |
UCLA |
UIC |
中央大学 |
一橋大学 |
学部 |
28,404ドル
(3,010,824円)
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13,730ドル
(1,455,380円)
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7,881ドル
(835,386円)
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659,900円 |
520,800円 |
Professional
School |
34,314ドル
(3,637,284円)
Business
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29,218ドル
(3,097,108円)
Business
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10,696ドル
(1,133,776円)
Business
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1,400,000円
Law School
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469,200円
Business
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(1ドル=106円の計算。すべて2003-2004年度の社会科学系部門の学費です。)
こう比較すると、やはりアメリカの大学はかなり高いことが分かります。ノースウェスタンと中央大学の学部の授業料を比較すると、4.5倍の差があります。留学を考える人にとっても、アメリカに住んでいる人にとってさえも大きな額です。4年間これだけの学費を払い続ける親も大変です。
ただし、高いばかりではありません。アメリカは貧富に大きな差があります。これだけ学費が高ければ、大学にいける人は限られてしまいます。それを補うためのシステムがあるのです。「高い!」と思って留学に二の足を踏まないようにしてくださいね。さらに、こんなに学費が高いからこそ生まれる日米の間の違いというのもあると思います。それらは次回のトピックです。
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