また、日本の学会には、ほぼ日本人しかいませんが、英米の学会にはいろいろな国の人が来ています。
どこの学会にも「懇親会」があります。ご飯でも食べて、一緒に飲んで、仲良くなろうというわけです。あまり仲良くなりたくない人と一緒にいるのは辛いので、ご飯を食べてごまかしているのかもしれません。この懇親会も日本とはずいぶん違います。日本では立食形式が主流です。リッチにホテルで行われる場合もあれば、学食で揚げ物・乾き物のオンパレードの立食パーティーということもあります。どこでやろうとも、立ち食い形式です。
他方、アメリカやイギリスでは必ずテーブルについて、きちんと前菜からサーブされるコース形式です。もちろん、美味しくはありませんが、立食形式よりも上品な感じがします。上品なのは良いのですが、となりに嫌な人が来てしまうと、デザートを食べ終わるまでの2時間ぐらいの間は逃げられないリスクはあります。学会の発表の時には短パン・Tシャツだった人も、このレセプション・ディナーにはドレスアップしてきます。
日米英の学会にはもちろん共通点もあります。学会長のスピーチが長い、本当はあまり出たくないのに出席を強いられている、人気のある女性の周りにおじさんたちは群がる、たいして発表を聞いていないなどは、学会の大きさや国を問わず、どこでも普遍的に見られるものです。
最後に、学会にも流行があります。プレゼンテーションの仕方や、データの見せ方などといった表面的な流行りから、使うデータの種類やその分析の仕方などの流行もあります。最近のアメリカやイギリスの経営学や経済学の学会で顕著になってきているのが、「日本ばなれ」です。
経営や経済といった分野では、実際の企業の活動や経済状況に、研究の関心は大きく左右されます。戦後、日本は高度経済成長を遂げ、ジャパン・ミラクルなんて言われてきました。そこで、経営学や経済学では日本の企業や産業、経済は大きな注目を集めてきました。日本の企業の分析や経済の仕組みについての研究は学会でも大きく取り上げられてきました。
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