イギリスが発祥の地のスポーツはたくさんあります。サッカー、ラグビー、ゴルフ、日本ではあまりなじみのないクリケット、乗馬などです。テニスもそのうちの一つです。ウィンブルドンで毎年6月末に開かれる全英オープンは、四大大会のうちでもっとも重要だとされています。高校球児にとっての甲子園、大相撲にとっての国技館、あるいはヨン様ファンにとっての南怡島です。聖地なのです。
ただ、イギリス人はこの聖地で活躍していません。ウィンブルドンで、1969年にジョーンズが女子シングルスで優勝して以来、優勝から遠ざかっているのです。男子シングルスは、1938年以来優勝がないのです。ウィンブルドンで活躍しているテニスプレーヤーは外国選手なのです。これは、ウィンブルドン現象と呼ばれています。
ウィンブルドン現象はテニスに限ったことではありません。ゴルフを見ても同じです。全英オープンでイギリス人が優勝したのは、また、これはスポーツに限ったことではありません。ロンドン・シティの金融街でも活躍するのは外国企業です。大学でもウィンブルドン化は進んでいます。LSEでは、修士課程の7割が留学生です。
|