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第43回:グローバル人材がほしいなら… ぜひお願いします!
 グローバル人材の育成は、日本にとって重要な課題と考えられています。グローバルにビジネスを展開していける、英語はできて当たり前、国際的な環境でリーダーシップを発揮できる人材です。

 どこの企業もみな“グローバル人材”は喉から手が出るほど欲しい人材です。このような人材が求められている一方で、若者の国内志向は強まっていると言われています。海外で働きたくはないと答える学生が多くなったり、ハーバード大学の日本人留学生の数が減っていたりすることが挙げられています(若者の国内志向が高まっているということ自体、本当かなと少し疑問ですが)。

 どのようにしたらここで言う“グローバル人材”は増えてくるでしょうか。もちろん教育も大切です。しかし、最も重要なのは企業が変わることです。あなたの会社の入社試験に日本語は話せないけれど、グローバルにビジネスを展開できるような優秀な人材がきたらどうでしょう。日本人と同じように雇えるでしょうか。「うちの会社は顧客が日本人なのだから…」という声が聞こえてきそうです。しかし、そうだとしても、マネジメントも日本語でやらなければいけないというわけではありません。

 「その必要性は分かるが、今はまだムリです」というのが多くの企業の現状です。「日本語は話せないけれど優秀な人」と、「日本語は話すけれどあまり優秀ではない人」では、企業は相変わらず後者を選んでいるのです。これでは、学生も変わりません。まだまだ彼らの就職活動は、日本語をしゃべる人の間での競争です。

 まずは、「日本語は話すけれどあまり優秀ではない人」は採用せずに、「優秀な人」をしっかりとリクルートしてもらいたい。ぜひともお願いしたい。もちろん、今までやってこなかった企業にとってこれは大きな変化です。言語だけでなく、仕事の仕方などいろいろ変えなくてはなりません。しかし、人材は企業にとって最も大切な経営資源です。「優秀な人材」を採るのは特別なことではありません。

 企業が変わってくれると、学生はあっという間に変わります。彼らはちゃんと企業を見ています。グローバル人材がほしければ、まずは企業が変わることです。そういう人材が日本に少ないのだとすれば、それはそのような人材を企業がしっかりと評価してこなかったからなのです。

「日本語は話すけれどあまり優秀ではない人」よりも、「日本語は話せないけれど優秀な人」をぜひ! そうすれば、日本語も話すグローバルな人材はあっという間に日本に増えてきます。勤勉で、適応力が早い若い人材はまだまだたくさんいるのですから。あっという間ですよ。


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