まず大きな問題点として、「パソコンの前で長時間文章を読むのは苦痛である」 ということが挙げられます。

思い起こしてみてください。

インターネットなどで役に立ちそうな情報をみつけたとします。
その際には、そのまま画面で読むのではなく、プリントアウトしてから読もうとすることが多いのではないでしょうか?
また、企画書や提案書といったビジネス文書がデータで送られてきとき、真っ先にプリントアウトしてから目を通そうとしませんか?
それどころか、今この文章も紙にプリントアウトして読んでいる方も少なからずいらっしゃることでしょう。

そうなのです。パソコンの画面はじっくりと文章を読むことに適していないのです。
一説によると、人間がパソコンに向かって集中して文章を読むことができるのは15分くらいであるともいわれています。
ましてや学習用テキストのような文章を長時間パソコンの画面で読むことなど、苦痛以外の何者でもありません。
つまり、デジタル化されたコンテンツやメディアミックスした教材よりもなによりも、「紙でできた本」こそがやはり学習用のテキストには最もふさわしいのです。

しかし、現在世にあるeラーニングと称されるもののほとんどは、インターネットとパソコン画面で学習する「Web完結型」のものばかりです。
それらの「Web完結型」のシステムにおいては、学習テキストがデジタルな「データ」としてしか存在せず、紙のテキストはありません
確かにeラーニング化によって様々な経費は削減できるかもしれませんが、肝心の学習効果が激減とあっては本末転倒であり、むしろ百害あって一利なしです。

しかも、提出課題に対する添削や実力テストの採点もいわゆる「ロボット」による自動添削のものがほとんどで、そこには人間的なやりとりはありません
これでは従来型の通信教育と比べてもマイナス要素です。

このように考えていくと、やはりeラーニングなんてものは所詮幻想であり、全く役立たずな無用の長物でしかないのでしょうか?

いや、ちょっと待ってください。
実は使い方や考え方をちょっと変えてやるだけで、eラーニングを使って飛躍的に学習効果を高めることができるのです。