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HRの基礎知識

Vol.2従業員教育には、どんな方法があるの?

従業員教育の基本手法

前項で従業員教育の3つの柱を紹介しましたが、それらを実現するための教育手法にもさまざまな種類があります。いずれの手法にもメリットとデメリットがありますので、それぞれの手法の特徴を理解したうえで、教育の目的に合ったものを選んでください。

以下は、昨今多くの企業で用いられている代表的な教育手法です。まずは、どのような手法があるか目を通しておきましょう。

①集合研修
あらかじめ指名した受講対象者たちをひとつの会場に集め、講師の指導を受けながら学習する形式です。時間や場所の制約はありますが、講師と対面し、双方向性をもって学習を進められることが一番のメリットです。臨場感をもって実施できるため、意識付けにも有効です。また、他部署からの受講者と交流する機会にもなるので、職場での人脈構築にもつながります。
②短時間セミナー
業務が多様化し、教育に多くの時間をかけられなくなったことで人気が出てきた実施形式です。①の集合研修を、2~4時間程度の短い時間で分けて、単一テーマごとに学習していきます。体系的な学習をするのではなく、職場ですぐに活用できるスキルや、受講者が興味を持ちそうなテーマを取り上げて行うことが多いようです。
③通信教育
数冊のテキストと郵便による提出課題で構成された学習教材です。約2~4カ月の受講期間が設定され、月毎に「テキストの学習⇒課題の提出⇒講師による添削」というサイクルを回しながら学習を進めます。研修に比べてリアルタイムの双方向性はなく、講師とのやりとりにタイムラグが生まれますが、一対一のきめ細やかな添削指導が行えるため、知識の習得や受講者個別の課題や悩みを解決するのに適しています。
④Eラーニング
パソコンを利用してWeb上で学習するスタイルです。教材の形式はさまざまで、テキストベースのもの、パワーポイントを用いたもの、動画を使ったものなどがあります。理解度の確認用に、自動採点のテストがついていることが大半です。学習記録がデータとして保存されるため、受講者の進捗度や理解度が一目瞭然になります。長時間の学習には不向きであるため、資格試験対策のような、学習範囲が決まっており、ゴールが明確なテーマでの利用が適しています。
⑤読本(自主学習)
一般書籍を購入して、従業員が自主的に学習を行う形式です。指定図書や推薦図書を定めたり、書籍購入費の補助を出して、推進している企業もあります。好きなときに好きなだけ学習できる一方で、学習スケジュールの自己管理や理解度把握の面において、受講者の主体性と強い意志が求められます。

特徴的なテーマで教育を行うための手法

あまり一般的に取り入れられているものではありませんが、ほかにも従業員教育にはいくつかの切り口があります。「グローバル人材の育成」や「社内イノベーションの促進」などといった特徴的なテーマを扱う場合は、こうした実施手法が有効な場合もありますので、適宜組み合わせながら実施していきましょう。

①人事ローテーション
人材が必要となった部署に適した人材を配置する。従業員の新規採用も含む。新しい職務に取り組むことで、異なった分野の能力が身につく。
②留学
内外の学校や訓練機関に身を置いて、必要な知識・技術を習得する。効果が大きい反面、仕事を長期に中断しなければならないため、組織全体の協力が必要。
③資格取得
具体的な知識・技術を確実に身につけさせる方法。おもに仕事以外の時間を利用し、基本的に職務時間は使わない。そのため、仕事への影響は小さくできる。
④社内ベンチャー
企業が新しい分野や新しい製品開発等にチャレンジする際、いわば社内に独立した企業をつくることをいう。業務と人材育成を並行して行う。

2019年2月28日 公開