◆国民年金とはなにか?

 国民年金は、公的年金のベースとなる基礎的な年金で、基礎年金とも呼ばれています。もともとは、国民が誰でも何らかの公的年金を受けられるようにする国民皆年金の実現のために、昭和36(1961)年4月に発足した年金制度です。
当初、国民年金は自営業者のための年金としてつくられた制度で、民間サラリーマンのための厚生年金、主に公務員を対象とした共済年金とは別の制度でした。
専業主婦は、年金を納めるための収入がないということで、強制加入ではなく任意加入でしたが、一応すべての国民が何らかの公的年金に加入できる体制が整いました。
その後、公的年金一元化の第1弾として大きな改革があり、昭和61(1986)年4月より、国民年金は厚生年金や共済年金にも共通の基礎年金として衣替えし、位置づけが大きく変わりました。
改革前の厚生年金や共済年金は、加入期間で決まる定額的な部分と給与の額が反映する報酬比例部分とに分かれていました。
新しい制度では、定額的な部分を国民年金(基礎年金)に置き換えて1階部分とし、厚生年金や共済年金は報酬比例部分だけとして上乗せ年金として2階部分を形成することに変わりました。
このため、名称は同じでも、昭和61年4月を境に公的年金の中身は大きく変わったのです。以前の制度は旧年金制度、現在の制度は新年金制度と呼ばれています。
ですから、自営業者は以前と同じく国民年金に加入しますが、現在の国民年金は自営業者のための制度ではなく、厚生年金加入者や共済年金加入者も含めた全国民共通の基礎的な年金を支給する制度となっています。
それまで任意加入だった専業主婦も、保険料免除という形で国民年金の強制加入者となりました。専業主婦は保険料を納めていなくとも加入者なのです。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

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